ダンゴの底釣り
へらぶな釣りを始めた頃よく使ったエサである
私が辿り着いた餌
1年を通して、ワタグル、段差バラケ が主である
クワセ・・・ワタグル + マッシュ1:1
バラケ・・・段差バラケ + ヘラスイミー + サナギ粉
水 + ヘラこれ + ・・・ブレンド
以上が、餌の材料である
季節、天候、深さ、その日の気分 等々・・で、ブレンドを変える
色々、試行錯誤しながら、洋々ここに辿り着いたのである
そして
決して、迷わない のである
色々試してみたものの
「釣りたい」は、釣り人の共通の想いであらう
だから、如何にしたら釣れるかを探求して止まないのである
エサ を、工夫するのもそのひとつと謂えよう
・
「冬はやっぱりワラビやで、ワシは此れや」
見らば、親分のワラビモチ、色が赤い
「口紅の色や、口紅溶いて混ぜとんや」
・・・と、親分
「味の素入れたらエエらしいぞ」
「ワシは寿司の粉 入れとる」
・・と、皆
それぞれの想い想い、好き勝手である
喰いの悪い冬場の釣り 何ぞしないと ・・・想いは誰しも同じなのである
私も、皆にあやかるべく
牛乳 酢 ワイン 料理酒 砂糖 きな粉 小麦粉 等々
色々 工夫し 試めしたが、どれもこれも、決めてを欠いた
如何にしようとも、冬場は釣れない
釣れないから、効き目の程も判らないのである
飲んだら アカン
クリスマスイブ、吾家族は、シャンパンで乾杯した
翌朝
気の抜けた残りもんのシャンパンを見て
「水の代りに使用しよう」・・そう、閃いた
ペットボトル に シャンパン を、詰めて 持っていったのである
・
いつものように、ホソ 下 冬場の指定席に入った私
午後までに、3枚 あがった
この時期なら 「マッ いいか」・・である
シャンパンが効いたかどうか
それは、判らない・・けれど
そろそろ、竿納めと、帰り仕度を始めた頃
畑さん が やって来た
彼は午後の組である
「どない」
「3枚あがりましたわ」
「ほんとにー」
「(釣り場)いっぱいで どこも 入るところがないんよ」
「(私は)終わりますから、ここで、後、やりはったらどうです」
「餌もようけ、打込んでますから」
「そやな、入らせて貰おうか」
「どうぞ、ドウゾ」
「ポイントはあの位置ですわ」
「そうか 判った」
「今日は、水の代りに、シャンパン 使いましてん」
「まだ残ってますから、これ・・よかったら使って下さい」
と、ペットボトルを手渡したのである
「そうか、おおきに」
畑さん 釣りの仕度をしもっての会話
そぞろ それとも 勘違い・・したのか
ペットボトルを口に持っていった
「あッ、飲んだら アカン」
「エッ 飲むもん 違うの?」
シャンパン は ヘラ の 食べもん です