突然ですが、みなさん、草食系男子は好きですか?
奥手な草食系男子がタイプという方もいらっしゃるでしょうが、やっぱり男にリードしてもらいたいと考える方にとって、草食系男子が増えた今の時代は少々恋愛へのハードルが上がっていますよね。
では、なぜ草食系男子が増えたのか? 今回はその原因を考察していきたいと思います。
◆●●が市民権を得てしまったから
まず前提として、その理由を一元論的に語るのは難しいということをご理解ください。
例えば、長年の不況で若者たちが何かとお金のかかる恋愛にかまけている余裕がないというのも一因でしょうし、趣味が多様化して恋愛の優先順位の低い男性が増えた、あるいは、インターネットでエロ動画が無料で観られてお手軽に性的欲求が解消できるようになった、というのも一因でしょう。
そんな様々な要因が絡み合って草食系男子が増加しているのだと思いますが、ここでは意外とみなさんが気付いていない、さらなる根深い原因について掘り下げていきたいと思います。
それはズバリ、童貞が市民権を得てしまったから。
かつて、童貞は日陰者的存在でした。特に、10代のうちはまだしも、20代に入ってもまだヤッたことがない男に対し、嘲笑する意味を込めた“ヤラハタ” (セックスを経験せずに20歳を迎えること)という言葉もあったぐらいですからね。
1990年代頃までは、20歳を過ぎても童貞のままでいることは、あえて偏見と誇張にまみれた表現をしますが、成人男性としてある種の欠陥があるとさえ見なされる空気があったんです。そのため、自ら進んで童貞であることをカミングアウトする男なんて皆無。男友達同士でセックスの話になると黙り込むか、さも経験があるように嘘を吐いていたものです。
◆「D.T.」に進化した童貞たち
つまり、童貞なんてものは1日でも早く捨てることが正義であり、20歳を過ぎてから自分好みの女性と初体験をした男よりも、どんなブサイクな女性とでも19歳までに初体験を済ませた男の方が偉かったんです。極論ですが、そういう価値観の世界でした。
しかし、その潮目が2000年代になって変わっていきます。
2002年にみうらじゅんさんと伊集院光さんが『D.T.』(D.T.とは「童貞」の新しい呼称)という共著を発売し、童貞の存在を擁護・肯定したことなどがきっかけとなり、童貞が徐々に市民権を得ていくことになります。
童貞という存在がフィーチャーされ、いつしか20歳を過ぎても童貞でいることが自虐ネタとして成立していくようになっていきます。それまでは口が裂けても言えなかったカミングアウトを、笑いに昇華できる空気に変わっていったんです。
そして、その自虐ネタがより定番化していくことで、童貞でい続けることはそこまで恥ずかしいことではないという価値観が浸透していき、現在に至ってる、と。
……え~と、童貞のイメージの変遷についての話が長くなりましたが、これが草食系男子が増えた最たる原因だと僕は考えています。
◆男性への“圧”が女性に…?
そして、童貞の市民権が少しずつ確立していく中で、男性全体のセックスにおける価値観も少しずつ変わっていったんです。童貞は1日でも早く捨てることが正義という考え方が薄れていくと同時に、その根底にあった「セックスに貪欲な方が男らしい」といった価値観も薄れていきます。
要するに、以前は男社会に「男ならセックスにガツガツすべきである」という“見えない圧力”が常にかかっていたため、草食系男子という存在が認められていませんでした。
……が!! 徐々にその“圧”が軽くなり、いつしかその“圧”から解放されたため、潜在的に多くいた草食系男子という存在が顕在化したのではないでしょうか。
ただ、男性への圧がなくなった今の世の中では、別の圧が女性にかかってしまっているようです。だって、女性にも積極的かつタフな恋愛スタイルが求められているのですから。女性にとっては、昔の方が恋愛においては楽な時代だったのかもしれませんね……。
<TEXT/堺屋大地>
原文:草食系男子が増えた知られざる理由 - エキサイトニュースhttp://www.excite.co.jp/News/woman_clm/20161105/Joshispa_20161105_00611023.html
奥手な草食系男子がタイプという方もいらっしゃるでしょうが、やっぱり男にリードしてもらいたいと考える方にとって、草食系男子が増えた今の時代は少々恋愛へのハードルが上がっていますよね。
では、なぜ草食系男子が増えたのか? 今回はその原因を考察していきたいと思います。
◆●●が市民権を得てしまったから
まず前提として、その理由を一元論的に語るのは難しいということをご理解ください。
例えば、長年の不況で若者たちが何かとお金のかかる恋愛にかまけている余裕がないというのも一因でしょうし、趣味が多様化して恋愛の優先順位の低い男性が増えた、あるいは、インターネットでエロ動画が無料で観られてお手軽に性的欲求が解消できるようになった、というのも一因でしょう。
そんな様々な要因が絡み合って草食系男子が増加しているのだと思いますが、ここでは意外とみなさんが気付いていない、さらなる根深い原因について掘り下げていきたいと思います。
それはズバリ、童貞が市民権を得てしまったから。
かつて、童貞は日陰者的存在でした。特に、10代のうちはまだしも、20代に入ってもまだヤッたことがない男に対し、嘲笑する意味を込めた“ヤラハタ” (セックスを経験せずに20歳を迎えること)という言葉もあったぐらいですからね。
1990年代頃までは、20歳を過ぎても童貞のままでいることは、あえて偏見と誇張にまみれた表現をしますが、成人男性としてある種の欠陥があるとさえ見なされる空気があったんです。そのため、自ら進んで童貞であることをカミングアウトする男なんて皆無。男友達同士でセックスの話になると黙り込むか、さも経験があるように嘘を吐いていたものです。
◆「D.T.」に進化した童貞たち
つまり、童貞なんてものは1日でも早く捨てることが正義であり、20歳を過ぎてから自分好みの女性と初体験をした男よりも、どんなブサイクな女性とでも19歳までに初体験を済ませた男の方が偉かったんです。極論ですが、そういう価値観の世界でした。
しかし、その潮目が2000年代になって変わっていきます。
2002年にみうらじゅんさんと伊集院光さんが『D.T.』(D.T.とは「童貞」の新しい呼称)という共著を発売し、童貞の存在を擁護・肯定したことなどがきっかけとなり、童貞が徐々に市民権を得ていくことになります。
童貞という存在がフィーチャーされ、いつしか20歳を過ぎても童貞でいることが自虐ネタとして成立していくようになっていきます。それまでは口が裂けても言えなかったカミングアウトを、笑いに昇華できる空気に変わっていったんです。
そして、その自虐ネタがより定番化していくことで、童貞でい続けることはそこまで恥ずかしいことではないという価値観が浸透していき、現在に至ってる、と。
……え~と、童貞のイメージの変遷についての話が長くなりましたが、これが草食系男子が増えた最たる原因だと僕は考えています。
◆男性への“圧”が女性に…?
そして、童貞の市民権が少しずつ確立していく中で、男性全体のセックスにおける価値観も少しずつ変わっていったんです。童貞は1日でも早く捨てることが正義という考え方が薄れていくと同時に、その根底にあった「セックスに貪欲な方が男らしい」といった価値観も薄れていきます。
要するに、以前は男社会に「男ならセックスにガツガツすべきである」という“見えない圧力”が常にかかっていたため、草食系男子という存在が認められていませんでした。
……が!! 徐々にその“圧”が軽くなり、いつしかその“圧”から解放されたため、潜在的に多くいた草食系男子という存在が顕在化したのではないでしょうか。
ただ、男性への圧がなくなった今の世の中では、別の圧が女性にかかってしまっているようです。だって、女性にも積極的かつタフな恋愛スタイルが求められているのですから。女性にとっては、昔の方が恋愛においては楽な時代だったのかもしれませんね……。
<TEXT/堺屋大地>
原文:草食系男子が増えた知られざる理由 - エキサイトニュースhttp://www.excite.co.jp/News/woman_clm/20161105/Joshispa_20161105_00611023.html
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