勘違い人種

目に怪我ってなかなかしないですよね。


実は、卓球の練習中の出来事です。


お互いに台について打ち合う練習ではなく、多球練習という練習をしていた時のこと。

（ネットの近くでたくさんの球をどんどん出し、相手はどんどん打ち込む練習）


私が球を出し、打つ方はバックドライブ＆フォアスマッシュの交互練習。


ふと、スマッシュボールが私の左眼にストライク


頭の中で何かがはじけ、そのままうずくまっていました。


私がネットの側にいるので、至近距離でまともに当たったようです。

しかも、目をつぶる前に当たったらしく、目を開けられません。

みるみるうちに、私の左顔面は腫れあがりお岩さん状態・・・。

ここまでは、今までにも何回も経験がありました。


でも、今回はタオルで冷やしても一向に腫れと痛みは治まらず、左眼の視界は真っ白。


私はハードコンタクトレンズを着用しているので、もしかしたらレンズが割れたかもしれない
という心配があり、結局救急車を呼んでもらい、近くのＴ大学付属病院へ。

救急車の中では、救急隊の人たちにいろいろ質問をされ、軽い会話もしておりました。


とにかく私は、何も見えない事の恐怖とこのまま見えなくなったらどうしよう
という不安でいっぱいでしたが、隊員の方は本当に皆さん親切で、安心感を
与えてくれました。


そして、病院に着き眼科の診察室に通されここで待つように言われ待っていました。


私の側には救急隊員の方が一人付き添ってくれています。

（主人は救急車の後から車で来てくれています。）


しばらく待っていると白衣の男性が無造作に入ってきて、その部屋にある器具や
薬品などを持って出て行きました。


またしばらくすると、同じようにズカズカいきなり入ってきて、必要な物だけ
持って出て行く人が、何人か入れ替わりに来ました。


あのー・・・ここ診察室ですよね

「失礼します」　とか　「おじゃまします」　とか・・・ないんですか？


いろいろ思ったのですが、とにかく痛みと不安でいっぱいの状態。
なんでもいいから早く先生来てくれよー。と願っておりました。

途中、救急隊の人が優しく一言二言気休めに声をかけてくれました。

２０分くらい待たされたでしょうか？

看護士さんが顔を出して
「あれ？まだ先生は来てませんか？じゃもう一度呼んでみますね。」


あのー・・・これじゃ救急車に乗せて来てもらった意味が・・・


それからさらに１０分くらい経ったかどうかで、一人の白衣登場。

相変わらず何も言わずにズンズン入ってきたので、またなんか取りに来た人？と
思っていたら、これが眼科の先生のよう。


私の目の前に無造作に座り、救急隊の人に「ＩＤは？」と横柄に言い

「今日はどうしたの？」と超不機嫌そうな顔で私に問い詰めます。

「仮眠してたのによーっ、まったくよーっ・・」とでも言いたげな顔です。


詳細はそこに書いてあるんじゃないの？！（救急車の中で説明したから）と思いながらも
ざっと説明。


軽く診察。

　「あのぉ・・コンタクトをしているので、先にはずしたいのですが・・・。」


　「じゃ、はずして」
　

　（その前にはずそうと思ったけど救急隊の人には自分でやると傷つくかもしれないから
自分でやらない方がいいと言われたのでやめたのですが）

ここで自分ではずそうとしても、目が腫れていて瞳が開かない・・・。
しかもぴったりとくっついてはずれません。


横柄な医者は、いかにも面倒くさそうに
　「しょーがないなー、じゃ取るから」といって突然細長い針のようなモノで、レンズを剥がそうとします。


　「あぅっ・・ぐ・・うぇ・・げほ・・
　　　　　　　　（痛すぎて声にならない）」

剥がれないので針でぐりぐりやってます。


　「うぇっ・うっ・・うぇ・・」

あまりの痛さに変な嗚咽が出ます。

あまりにも痛いので
「うっ・・自分でもう一度やってみます」

しかし、私の訴えは完璧に無視されます。

　「動かないでっ　動くと危ないからっ」


頑張って耐えているつもりなのですが、また動いているようで

　「動かないでって言ってるでしょ　しょーがないなー、
じゃ、麻酔するから・・・」


　「う・う・動いているつもりは、ないんですけど・・・」
と声にならない言葉で訴えても聞いてもくれません。


あまりの痛さに、目からはボロボロ涙が止まらず鼻水も止まらず・・・すごい状態！


そしたらその医者、あきれ果てて怒ったような口調で
　「何も泣くことないでしょっ　そんな心配しなくても大丈夫だからっ」


　泣いてるんじゃないよ・・・痛くて涙が出るんだよ・・・。
そう思っても何も言えないほどの痛さ・・・。
（それがまたよけい泣いているように見えただろうけど）

結局、麻酔の目薬を刺してコンタクトは無事に剥がれた。
（それでも、かなり痛かったけど・・・）


そしたら

　「剥がれたよ、ほらっ、ここっ、取って！」


え・・ここでレンズ一枚で渡されても、どうやって持って帰るの？

私の困っている顔を見て、ようやくティッシュ一枚取ってくれた。

レンズはこれに包んだ。


　「瞳孔が開かないので開く目薬をしておくから。
待合室であと１０分後と２０分後に２回つけておいてっ　
それから、もう一度診るからっ」


涙と鼻水でボロボロぐしゃぐしゃになりながら、ふらふらと待合室に戻ると
心配そうに待っていた主人が私の顔を見てさらにビックリしてました。



ここは、以前から本当にいい評判を聞いた事がない病院なのです。

大学病院なので、患者をモルモットとしか見ていないとか

インターン生がぞろそろ回診時について来て見世物のようにされるとか

そんな噂が耐えない病院。（噂じゃなくて事実なんだけどね）

いやいや、それでもこんなに横柄で嫌な感じの医者は生まれて初めてでした。

主人が付き添ってくれてから、安心感も出てきたのかだんだん怒りが込み上げてきます。




そして、３０分後に主人も一緒に診察室に入ってくれました。


するとどうでしょう・・・。

　「内出血がひどいので、水晶体となんとかがどうの・・網膜が・・
（主人に詳しく説明している）・・・なんです。
心配なので、しばらく通院してもらいたいのですが・・・。」


　「なんです　だとーっ　さっきは敬語なんて
一度も使わなかったじゃねーかっ」


その後も、とても丁寧な対応で診察してくれました。

診察の後、ボロボロ出る涙をティッシュで拭いてくれたほどです。　

さっきとはうって変わったこの応対の違いはなんなの。

主人は、横柄な態度を取ったら速攻つっこんでやろうと構えていたらしいけど
つっこむ事もなく二度目の診察は終わったのでした。


私は見えなかったけど「研修医」って書いてあったらしい


研修医であの態度ね・・・。勘違いも甚だしいですね・・・。


かえって、本物の医者の方が腰が低いのかもね。



結局・・・・・・。

内出血が治まるのは２～３週間かかる。

それまで、左眼は見えない。

自然に回復するのを待つしかない。

内出血が治まってから、一通り検査をする。

という事になり、しばらく通院する事になりました。


いやはや・・・とんだ事件でした。

今日は事故から二日目で、少し腫れは引いて来て目も少し開くようになりました。

視界も真っ白だったけど、今は曇ガラスのようになり、物が動くのがわかるようになってきました。


遠近感がまるでないので、字を書いたり細かい作業がつらく、眼球が動くと
頭痛がするのが、ちとつらいですが。


卓球でこのような突発性事故があるなんて、私も回りの仲間もビックリしました。

あんなに軽くて小さな球だけれど威力は相当なのです。


ボールを打った相手の人はとても気にしてましたが、これはあくまでも事故です。

練習中、みんなが誰の身にも起こり得ることですし。


こんな事もあるんだ・・と気が引き締った思いです。