何遠亭

未だ之を思わざるなり、
夫れ何の遠きことか之有らん
          孔子の論語より

『マラソン』 20050722(FRI)

2005年07月23日 15時57分36秒 | 映画
上映終了間際に駆け込みで観て参りました。

これも実話を元に作られた映画なんですよね。
自閉症の子供に、走る事を教えた母親。
「息子が自分より一日早く死ぬ事が夢だ」と語る。

「あの子は走るのが好きなんです」
周りの人にはそう話し、自分もそうだと思っていた。
父親は家に帰らなくなり、もう一人の子供には全く構わない。
自分はこれだけあの子の為に尽くしているのに、誰も解ってくれない。
でも。ある事をきっかけに母親は気づいてしまう・・・。

走る事を教えたのは、息子の為ではなく、自分が息子と生きる事に向き合う為だったんだと。

自閉症を扱った映画やドラマが作られるようになって、私も幾つか観たりしています。
家族の方の苦労は、並大抵のものではないのでしょうね・・・。
こんな話を軽々しくしてはいけないのでしょうが、
自閉症の人は、感情の返し方がちょっと違うのだと思います。
嬉しいから笑う、悲しいから泣く。それが当たり前とは限らない。
でも、受け止めるという事は一緒。もしかすると、より敏感に、より素直に受け止めている。
息子は母親から受けて来た、悲しい事も嬉しい事も全部覚えていて、
それに対して自分がどうすればいいかを、自分なりに考えて生きて来た。

息子が本当にマラソンの楽しさに目覚めて、走る為に母親の手を離す。
誰の為でもなく、自分の為に走った息子を母親は両手を広げて迎える。
そして息子が云う「家に帰ろう」

私はこの映画を、”母と息子の愛情物語”というより、
”母と息子の自立の物語”なんだと思いました。
でも、お母さんってやっぱり凄いです。
私も家を離れて、ようやくそれが解りました

音楽もヨカッタです。ずっと風が流れてるようでした
でも・・・小田さんの唄が流れなかったぞ日本語版って吹替版の事だったの?



 

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