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考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

世界を創った男の統治手法

2006-05-25 23:07:58 | 徒然なるままに

テムジン(チンギス・ハン)はトオリル・ハンとジャムカの協力を得て、メルキト族を破り、妻ボルテを奪還した。でも、妻ボルテの胸には生後2ヶ月の子どもが・・・テムジンの子か、メルキト族の子か、分からぬ子・・・
「勝利の味わい」は複雑な要素が混じっていたようです。

朝の楽しみ、日経朝刊の連載小説『世界を創った男 チンギス・ハン』(今日でちょうど111回)。
※前回のボクの記事も参照してください:「『世界を創った男 チンギス・ハン』の読み方」http://blog.goo.ne.jp/hoddy/e/4472cf2c4be339b3246043cfe3ea4ea8
テムジンがメルキト族との戦いに勝ったところで小休止、今日は「歴史小説のロビーで」ということで、作者の堺屋太一さんがこの時代の背景を説明されています。勉強になります。

今日はその話から。
十二世紀(いわゆる「チンギス以前」)までの遊牧社会は文明の四つの要素を欠いていたのだそうです。四つとは・・・
「農耕」と「文字」と「通貨」と「暦」なのだとか。
堺屋さんがここでおっしゃっていますけど、近代文明に浸ったボクらは、この四要素を欠く状況を想像するのは困難です。ならば、どうやって遊牧社会は成り立っていたのか?
少し引用します。

遊牧民の時間軸は、季節と年数で数える物理的なものではない。人と獣の行動と生涯を基準とした緩急ある流れだ。厳冬の冬は無為に流れ、夏の事件は大きな記憶を残す。
農地所有と通貨の欠如は、人間関係と政治手法をも決定的に違える。役立った者に土地(領地)を与えるとか金銭を払うとかの報い方がない。家畜を飼いを養うのには手間が要るし、限度もある。チンギス以前の遊牧民は、われわれ以上に精神的結合と恩讐の記憶を大切にした。

みなさん、ハローです。ホディです。

さらに堺屋さんは、こういう遊牧民の状況を「未開野蛮」と考えるのは早計であり、彼らは無知でそういう生活をせざるを得なかったわけではなく、そういう生活を選ばなかったのだ。と続けられています。
・・・
面白いですよね。
ボクらにはそんな生活は想像もできませんし、実際にやれと言われてもできないと思いますけど、こうやって小説を通して想像するのはとても勉強になります。

みなさんも愛ルケならぬ、「朝テム」(朝のテムジン)、いかがですか?
公式サイトもご覧ください。(↓)
http://www.nikkei.co.jp/novel/index13_1.html

さて、現実に戻って、今の日本。
ボクらは「精神的結合と恩讐の記憶」だけでは、もちろん社会を統治できません。
そのためにいろいろな法、仕組み、公私の機関や職業があると思うんですけど、最近はまずい状況ですよね。

例えば、政治家、教師、公務員、警察官・・・職業ではないですけど、親も年寄りも、先輩も・・・
権威が失墜してきているというか、何なんでしょう・・・
もちろん、その職業の個人がすべて偉いというわけではないんですけど、職業の権威はしっかりと守ってもらわないと、いつかは「アリの一穴」、社会の崩壊につながると思うんですよね。

気になるのが、最近のニュースでも、いろいろあります。
例えば、職務質問して怪しいと認識しながら警察官が連行できなかった佐賀のひき逃げ事件、教師の給食に薬を盛られる事件、・・・
そして、昨日も書きましたけど、社会保険庁の不祥事の本質は、ボクは年金の未納問題だと思っています。要するに、国民年金の納付率が63.6%(平成16年度)しかなく、次代を支える20代に至っては約半数しか納付していないという「共同連帯の社会保障制度」としては危機的な状況なんです。が、社会保険庁の対応は、不正の「免除(猶予)」しか取る手段がなかった(思いつかなかった?)という実態・・・
※年金の納付状況はこちらを参照ください ⇒ http://www.sia.go.jp/infom/tokei/noufu2004/noufu02.htm

テレビではどのキャスターも言いませんけど、「法令通りの対応」では社会保険庁は何をすべきか知っていますか?

法律用語でどう言えば良いか分かりませんけど、一言で言えば「強制執行」。
つまり差し押さえなどで年金保険料を強制的に徴収するのが法(ルール)なんです。(多分)この手段を取り得ない社会保険庁の対応を弱腰と考えるか、どう考えるかはみなさんにお任せします。
ボクが思うのは、そこまでしなくても、微妙なバランス感覚で「年金保険料を支払ったり」、あるいは正式に「免除(猶予)申請をする」のが良いのではないかと。どうでしょう。
テレビや新聞の論調では、もしかしたら、もっと「強制執行しろ!」ということなのかな?と勘ぐったりしています。

そんな権威の失墜をいろいろ目にしつつ、、、
社会はよくできたもので、自然に行過ぎた振り子を元に戻す力が働きます。
最近では、やはり「愛国心」。国が「自分を愛せ」と法でうったえる。
昨日のニュースでは、警察官の指導を無視した女子高生の二人乗り自転車を道路交通法違反で摘発・・・
次は振り子を戻しすぎるのも世の常だったりします。
消費者金融じゃないですけど、バランスが大切ですよね!古き良き(?)「精神的結合と恩讐の記憶」も組み込みながら、みんなで社会を守っていくしかないのかな。
なんて思う今日この頃です。


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1 コメント

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朝のテムジン (beans0102)
2006-05-28 20:34:32
hoddyさんの以前のブログを読んで以来、毎朝の日課になりました。…面白い!!人物関係もかなりばっちり整理されてきました(笑)
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