考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

東電の救済に上限を設けないということ?

2011-05-11 22:47:15 | 徒然なるままに

政府の東京電力支援策がいつの間にか規定路線として動き出しているようです。

産経新聞 5月11日(水)11時48分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110511-00000547-san-soci

東京電力は11日午前、福島第1原子力発電所事故の賠償支援をめぐり政府から示された国の経営監視など6条件について協議し、条件を受け入れることを決定し、同日発表した。これを受け、政府は賠償を管理する新機構の設立を柱とした支援の枠組みを週内にも決定する見通し。
6条件には、東電にリストラ強化を求めるほか、賠償総額にはあらかじめ上限を設けないこと、政府が新たに設置する第三者委員会による経営・財務の調査-などが盛り込まれている。

復旧・復興が急がれる中で、被災者への賠償、福島原発の事故の収束、放射能・放射性物質の除去、そして国内の必要電力確保はたしかに重要で、早く関係者が安心するような国としての対策を打ち出すことに私は異論を言いたいわけではないことを、まずはじめに断っておきます。

でも、賠償の実行や責任を東京電力と「新機構」なる新たな“国民負担のお金のプール”に押し付けると同時に、その無限賠償のスキームを東京電力などの旧態勢力を温存したままで保証するという非常に無責任な政策を拙速に進めようとすることについては、明確に反対と言いたいと思います。

まずは、そもそも論になりますが・・・
今回の東日本大震災全体の被害額を把握し、「原発だけではなく、その被災者全体への救済策」と、「原発関連の被災地域だけではなく、被災地全体での復興計画」を示し、保証し、安心してもらうことが第一歩だと思います。原発関連だけではあまりにも不公平ですし、原発と地震・津波の被害の間に線を引けるわけではなく、そんなに単純なものでもないでしょう。

それにしても、今回の実質的な東電への公的支援策についてのマスコミの報道には物足りなく感じます。今日も「東電、リストラ」「東電、賠償上限なし」などの、いかにも政府案が決定事項のように東電側の対応のみ、簡単に(結果、好意的に)流しています。

本当にこれで、このような政府案で進んで良いのか?

さらに、東電が飲んだという「政府からの支援条件6項目」というのも、ほとんどが6という数字と賠償の上限がないことに触れただけで、実際に6項目について触れている記事はほとんどありません。

その6項目は以下の内容のようです。(2011/05/11 00:16   【共同通信】)http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011051001000751.html

  1. 賠償総額に事前の上限を設けない
  2. 福島原発の安定化に全力を尽くす
  3. 電力の安定供給などのための必要経費を確保
  4. 最大限の合理化と経費節減
  5. 新設の第三者委員会による経営、財務の調査
  6. すべての利害関係者への協力要請

いかがでしょう?

実際には「事前の上限」だとか、「全力を尽くす」だとか、「最大限の」だとか、後の言い訳になりそうな言葉が踊っています。こんなのは「条件」「約束」ではないですよね。心構えくらいの話です。

急がれるのは、こうした実質的には無意味なPRではないと思います。賠償総額に上限を設けないのであれば、東電(と新機構)を通してではなく、国が約束すればいいのです。できれば、被災地域全体の復興と一緒に。

今のままでは、東電の救済に上限を設けないことを約束しているだけですよね。

非常時ではありますが、こうした政府の空手形には私は賛成したくありません。

みなさんはいかがですか?

 

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2 コメント

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その通りです (moto金田浩)
2011-05-13 22:00:35
上限はもうけてはいけません。

かつての国鉄を改革した土光さん
の様な方が、、。
返信する
re:その通りです (hoddy)
2011-05-14 09:37:36
moto金田浩さん、コメントありがとうございます。

目先のことではなく、長期に本当に日本のため、国民のために力を注いでいただけるようなリーダーが待ち遠しいですね。
そういう意味では、私たちも目先のことでリーダーを責めてもいけないのでしょうが(笑)・・・ついつい・・・

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