考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

全日空“系”労組のストに思う

2007-04-12 00:57:45 | 社会的責任

今日はANAの国内線がストライキにより一部欠航したとのこと。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070411-00000141-jij-biz
全日本空輸 (ANA) グループの関連子会社の労働組合のストライキということで、大手新聞各紙の書きっぷりも「全日空系」という表現に概ね統一されていますね。
そのせいなのか?どうなのか?
本体は関係ないよ、と言わんがばかりのANAの「お詫び」も他人事のような感じがするのはボクだけでしょうか?

この背景に見えるのは、
看板は「ANA」であり、当然のようにサービスも「ANA」が求められる一方、
実態は「ANAの関連会社」であり、給与も待遇も「ANAの関連会社」となっている・・・
そんな表と裏の顔ではないでしょうか?

実はこのような背景も、最近はあまり話題に上らなくなりましたけど、
偽装請負(いつも言いますけど「偽装委託」のほうが適切な表現だとボクは思っています。)の構図と似ています。
つまり、委託する側はあくまでも業務全体を委託し、受託する側は業務をすべて自分たちのやり方で請け負うから、委託と受託の関係が成立するのと同様に、
あくまで別会社に業務を任せているわけですから、基本的には別会社である関連会社が独自に業務を運営する、
本来はキチンとした形で役割分担できれば良いんですけど・・・
実態的には「偽装請負」では社員同様の働きが求められるように、
今回のケースも別会社にも関わらず、ANA本体と同じ働きが求められていることでしょう。

同じ働きでも所属会社(身分)の違いにより処遇・待遇に格差が出てきているのではないか、
これをANAが他人行儀に構えれば構えるほど、
そして大スポンサーに配慮してかどうか分かりませんけどマスコミが“系”の問題として切り離そうとすることにより、
それでなくても埋めにくい格差がさらに固定化してしまう、
そんな懸念をしています。

みなさん、ハローです。ホディです。

今日はプロ野球について書こうと思っていたんですけど・・・
裏金に続き、裏契約金の話・・・
風呂に入りながら、今日は野球よりストだな、と考え直してしまいました。
後日、この話も書こうと思っていますけど、一言で言えば「マスコミは筋が通っていない」とボクは思っています。今回の裏契約金の話で言えば、問題なのは勝手に契約金の上限の業界水準を定めていることがまずはおかしいのであって、そこを避けて、いきなりもらった選手を責めるような報道はボクには理解できません。
まずはプロ野球界、業界としての「談合体質」を責めるべきではないかと。
長くなりそうですね。スミマセン、後日にします。

さて、ストライキに戻って・・・
こういう書き出しだと、ボクがストライキを肯定しているように思えますよね?

もちろん、そうではありません。
ストライキは労働者の権利として否定するものでもありませんけど、「顧客との契約を反故」にしてまで実行するからには、それなりの覚悟が必要だとボクは思っています。
つまり、やるからには労働組合側の主導者はこれを最後に労組はもちろん会社からも身を引くべきですし、労組側をそこまで追いやった経営者側も経営から身を引くべきだと。
そのくらいのそれぞれの意志があって、ようやくストライキは決断するべきだとボクは思っています。

語弊を恐れずに言いますけど、ストライキが出来るような業界(会社)は恵まれていますよね?

今回も路線自体が他社に奪われることがない前提で、ストライキを決断していますよね?
例えば、他の業界で「顧客との契約を反故」にするようなストをすれば、一気に顧客は他社に流れることでしょう。これでは労組側もいくら納得いかない内容であっても、なかなかストの決断は出来ない。。。
今回も明日以降の路線は確保され、選択肢もせいぜい2社しかないという前提で、明日の仕事への根本的な不安はない中での決断ではないかと。。。
違いますか?

確かに労働者の立場は弱く、なかなか経営者と交渉するのも大変だと思います。
でも、インターネットや新聞広告により顧客や地域や一般社会に問題提起する、あるいは良識ある株主への訴えるなど、時代が変わったからこそ選択できる手段も増えているような気がボクにはします。

今回のケースもエアーニッポン乗員組合のホームページにはそれっぽい主張も載っていますけど、ストライキを避けられなかった理由まではなかなか読み取れませんし、長すぎることもあって、周囲のステークホルダーを味方につけようというような内容には思えませんでした。残念ですけど。。。
http://www.apu.or.jp/20070305.pdf
少なくとも、こうやって大手新聞各紙に報道されるような会社ですし、顧客に迷惑をかける以上は、それなりに主張は理解してもらわないと意味がないかと。

当然のことながら、ANA本体も「お詫び」をするだけでなく、なぜ交渉が決裂してストを避けられなかったのか?キチンと主張する必要があるのではないでしょうか?

とにかく・・・・・・・・・・・・
どちらもどちらの内容で、実に残念なストの話だとボクは感じています。


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