日付 :2009年2月1日(日)
天気 :晴れ
コース:美濃戸口→美濃戸→(南沢)→行者小屋→地蔵尾根→美濃戸口
1月31日、天気予報が悪く、また家の中でゴロゴロ。
atsu510さん他、ブロガーの皆さんのレポを読んでいて、いてもたってもいられなくなった。
明日の天気予報は晴れ。
等圧線が詰まっており、風が強いことは予想された。
最近、青空の山にはしばらく行ってない・・・・。
行きたい!
日帰り強行の登山を考えた。
弱力女の「やめとけば~」の言葉をよそに、19時頃ひとり車を走らせた。
23時過ぎ登山口に到着。
今回の目的は、前回見ることができなかったモルゲンロートを見るため。
予定では6時頃、稜線に出たいと考えていた。
自分の足のスピードから、1時に出発すれば間に合うと考えた。
が、ウトウト・・・・。
1時40分、遅れて出発してしまった。
美濃戸までの道。
タイヤの跡があるが、いつもと違って、山に入っている車は少ない。
やまのこ村の山小屋。
真夜中ではあるが、電気がついていた。
あいにく今夜は月の明かりがない。
途中から満天の星が輝いていたが、暗闇の中ではヘッドランプの光だけが頼り。
満天の星空を眺めながら、トレースも残っていて、途中までは楽しく進んだ。
いつも歩く、北沢の道を選んだ。
風の通り道では、時折、トレースがなくなってしまう。
道迷いだけは避けたいと考え、何度も立ち止まりながら進んだ。
行者小屋まで残り30分ほどのところ。
樹林帯の外を歩くところ。
風が吹き荒れる場所。
人が通ったであろう場所は、予測ができたが、雪が積もっていて、とうとうラッセルが始まってしまった。
5時、行者小屋に到着。
なんとか、出発の遅れを取り戻した。
今回は、何といっても荷物が軽い。
暗闇の中を歩いたが、荷物が軽いとそれなりに進む。
予想外にラッセルを強いられたが、ここまでは自分なりに順調に来ることができた。
行者小屋の前には、テントが一張だけ。
光が灯されており、もう起きているようだった。
行者小屋の脇を通り、地蔵尾根の登り口へ。
なんと、完全にトレースがなくなっている。
まずい!
いつものノートレースとは桁が違い、完全に歩く場所が特定できない。
すぐ、アイゼンの上から、わかんを装着。
新雪の道の膝上ラッセルが始まる。
地蔵の急斜面を登るが、歩くべき場所が分からない。
とうとう腿まで埋まるラッセルとなった。
途中からはバサバサ雪が崩れ始める。
息も上がってしまい、数歩進んでは休憩。
さらに、ズルズル落ち始めてしまった。
ある人のアドバイスを思い出した。
サラサラの雪を腕で掻き分けて、沈む部分を少なくして、一歩ずつ。
わかんの足も雪の外に出せないほど。
全身雪まみれ。
ただただ、雪をかき分け、両腕を雪に突き刺しながら・・・。
無心で両腕両足を動かした。
6時45分、とうとう日が昇ってしまった。
モルゲンロートに染まる赤岳を見たかったのだが、まったく稜線に届かず。
阿弥陀岳のテッペンが赤く輝いていた。
這いつくばって、登る。
地蔵尾根を半分ほど登ったところから、風が吹き始める。
目も開けられないほど。
風がおさまるまで、ジッと耐えるだけ。
雪との格闘。
まったく進まない。
「こんなの初めてだ!」
急坂で目の前にある雪壁が、ガラガラと崩れていく。
崩しても崩しても、サラサラの雪ではなかなか足場が作れない。
ただただ、ボー然と立ちすくむ。
すっかり日が昇り、少し冷静になった。
そう言えば、天望荘は現在開いていない。
昨日の天気からして、昨日登った人はたぶんいないだろう。
先週は、雪もたくさん降ったようであり、しばらくこの道は人が通っていないようである。
雪深く、急斜面で進めないことにも諦めがつきはじめていた。
見たかった朝の赤岳。
必ず近いうちにリベンジすることを誓い、引き返すことにした。
「ちきしょー!」
ふと、周りを見渡すと真っ白な山が連なっていた。
硫黄岳も真っ白に輝いていた。
阿弥陀岳もすっかり白くなっている。
いつもなら、1時間ほどで登れる尾根。
軽いラッセルの時でも、1時間10分ほどで登れた。
しかし、今回はまったく違った。
2時間30分も登ったのに、3分の2にも届かず。
あともう少し進めば、森林限界を超え、ラッセルが少なくなるはずではあったが、
気持ちが完全に萎えてしまった。
稜線上は、雪嵐が吹き荒れている。
「登っても寒いだけだ!」と自分に言い聞かせ、下る。
赤岳の稜線。
そこも雪が舞い上がっていた。
「次回は、なにがなんでも登ってやる!(いい天気で風がなくトレースがある時に(笑)」
まだ8時30分。
行者小屋に到着した。
小屋のあたりは、風もなく穏やかな天気。
結局、誰も地蔵尾根を登ってこなかった。
テントの人たちは、文三郎尾根から登ったのか?
その方が正解だったのか?
北沢を下っていくと、何人かの人とすれ違った。
今夜、行者小屋あたりでテントを張って明日登れば、きっと風もなく、最高に素晴らしい景色が広がるであろう。
「地蔵尾根のトレースは俺が付けてきた!俺が作ったんだぞ!(途中までだけど(笑))」と自分に言い聞かせた。
「充分満足した!」
北沢の木々は雪で凍りついていて、きれいにピカピカ光っていた。
美濃戸山荘。
すっかり青空の広がる気持ちのいい日。
こんないい陽気なのに、稜線上は猛吹雪。
雪山は怖いと実感。
美濃戸の駐車場。
普段と比べると、格段に少ない。
やはり、天気は重要だ!
美濃戸口への林道歩き。
ぼんやり考え事をしながら歩く。
今回は登頂もできず、ましてや、地蔵尾根で稜線にも届かない敗退ではあったが、
久しぶりに気持ちの良い汗をかき、闘った後の、何だかすがすがしい気分になっていた。
登っている最中は必死。
苦しくも、無心になれることが、無性に楽しく感じた。
また、今週もどこかの山に挑戦したいという気持ちになった。
天気 :晴れ
コース:美濃戸口→美濃戸→(南沢)→行者小屋→地蔵尾根→美濃戸口
1月31日、天気予報が悪く、また家の中でゴロゴロ。
atsu510さん他、ブロガーの皆さんのレポを読んでいて、いてもたってもいられなくなった。
明日の天気予報は晴れ。
等圧線が詰まっており、風が強いことは予想された。
最近、青空の山にはしばらく行ってない・・・・。
行きたい!
日帰り強行の登山を考えた。
弱力女の「やめとけば~」の言葉をよそに、19時頃ひとり車を走らせた。
23時過ぎ登山口に到着。
今回の目的は、前回見ることができなかったモルゲンロートを見るため。
予定では6時頃、稜線に出たいと考えていた。
自分の足のスピードから、1時に出発すれば間に合うと考えた。
が、ウトウト・・・・。
1時40分、遅れて出発してしまった。
美濃戸までの道。
タイヤの跡があるが、いつもと違って、山に入っている車は少ない。
やまのこ村の山小屋。
真夜中ではあるが、電気がついていた。
あいにく今夜は月の明かりがない。
途中から満天の星が輝いていたが、暗闇の中ではヘッドランプの光だけが頼り。
満天の星空を眺めながら、トレースも残っていて、途中までは楽しく進んだ。
いつも歩く、北沢の道を選んだ。
風の通り道では、時折、トレースがなくなってしまう。
道迷いだけは避けたいと考え、何度も立ち止まりながら進んだ。
行者小屋まで残り30分ほどのところ。
樹林帯の外を歩くところ。
風が吹き荒れる場所。
人が通ったであろう場所は、予測ができたが、雪が積もっていて、とうとうラッセルが始まってしまった。
5時、行者小屋に到着。
なんとか、出発の遅れを取り戻した。
今回は、何といっても荷物が軽い。
暗闇の中を歩いたが、荷物が軽いとそれなりに進む。
予想外にラッセルを強いられたが、ここまでは自分なりに順調に来ることができた。
行者小屋の前には、テントが一張だけ。
光が灯されており、もう起きているようだった。
行者小屋の脇を通り、地蔵尾根の登り口へ。
なんと、完全にトレースがなくなっている。
まずい!
いつものノートレースとは桁が違い、完全に歩く場所が特定できない。
すぐ、アイゼンの上から、わかんを装着。
新雪の道の膝上ラッセルが始まる。
地蔵の急斜面を登るが、歩くべき場所が分からない。
とうとう腿まで埋まるラッセルとなった。
途中からはバサバサ雪が崩れ始める。
息も上がってしまい、数歩進んでは休憩。
さらに、ズルズル落ち始めてしまった。
ある人のアドバイスを思い出した。
サラサラの雪を腕で掻き分けて、沈む部分を少なくして、一歩ずつ。
わかんの足も雪の外に出せないほど。
全身雪まみれ。
ただただ、雪をかき分け、両腕を雪に突き刺しながら・・・。
無心で両腕両足を動かした。
6時45分、とうとう日が昇ってしまった。
モルゲンロートに染まる赤岳を見たかったのだが、まったく稜線に届かず。
阿弥陀岳のテッペンが赤く輝いていた。
這いつくばって、登る。
地蔵尾根を半分ほど登ったところから、風が吹き始める。
目も開けられないほど。
風がおさまるまで、ジッと耐えるだけ。
雪との格闘。
まったく進まない。
「こんなの初めてだ!」
急坂で目の前にある雪壁が、ガラガラと崩れていく。
崩しても崩しても、サラサラの雪ではなかなか足場が作れない。
ただただ、ボー然と立ちすくむ。
すっかり日が昇り、少し冷静になった。
そう言えば、天望荘は現在開いていない。
昨日の天気からして、昨日登った人はたぶんいないだろう。
先週は、雪もたくさん降ったようであり、しばらくこの道は人が通っていないようである。
雪深く、急斜面で進めないことにも諦めがつきはじめていた。
見たかった朝の赤岳。
必ず近いうちにリベンジすることを誓い、引き返すことにした。
「ちきしょー!」
ふと、周りを見渡すと真っ白な山が連なっていた。
硫黄岳も真っ白に輝いていた。
阿弥陀岳もすっかり白くなっている。
いつもなら、1時間ほどで登れる尾根。
軽いラッセルの時でも、1時間10分ほどで登れた。
しかし、今回はまったく違った。
2時間30分も登ったのに、3分の2にも届かず。
あともう少し進めば、森林限界を超え、ラッセルが少なくなるはずではあったが、
気持ちが完全に萎えてしまった。
稜線上は、雪嵐が吹き荒れている。
「登っても寒いだけだ!」と自分に言い聞かせ、下る。
赤岳の稜線。
そこも雪が舞い上がっていた。
「次回は、なにがなんでも登ってやる!(いい天気で風がなくトレースがある時に(笑)」
まだ8時30分。
行者小屋に到着した。
小屋のあたりは、風もなく穏やかな天気。
結局、誰も地蔵尾根を登ってこなかった。
テントの人たちは、文三郎尾根から登ったのか?
その方が正解だったのか?
北沢を下っていくと、何人かの人とすれ違った。
今夜、行者小屋あたりでテントを張って明日登れば、きっと風もなく、最高に素晴らしい景色が広がるであろう。
「地蔵尾根のトレースは俺が付けてきた!俺が作ったんだぞ!(途中までだけど(笑))」と自分に言い聞かせた。
「充分満足した!」
北沢の木々は雪で凍りついていて、きれいにピカピカ光っていた。
美濃戸山荘。
すっかり青空の広がる気持ちのいい日。
こんないい陽気なのに、稜線上は猛吹雪。
雪山は怖いと実感。
美濃戸の駐車場。
普段と比べると、格段に少ない。
やはり、天気は重要だ!
美濃戸口への林道歩き。
ぼんやり考え事をしながら歩く。
今回は登頂もできず、ましてや、地蔵尾根で稜線にも届かない敗退ではあったが、
久しぶりに気持ちの良い汗をかき、闘った後の、何だかすがすがしい気分になっていた。
登っている最中は必死。
苦しくも、無心になれることが、無性に楽しく感じた。
また、今週もどこかの山に挑戦したいという気持ちになった。
ちきしょー!って、笑っていいですか?
にたにたしながら読んじゃいました。
もがく姿想像すると、笑えます。
しかし、いつの間にか、雪深くなってますね・・・。
12月とは比べものにならないです。
いつもすごい山行レポありがとうございます!
元気をたくさん頂いてます♪
僕も週末格闘したくなりました!
這いつくばりながらも写真撮影、スバラシイ!
三脚マンさんの雪山レポを見るといつかは・・・!!と思ってしまいますが。
雪だらけの地蔵尾根、文三郎尾根、わたしには想像もつきません。
いや~カッコイイなぁ。
のっかっていて、楽しく読ませていただきました。
2月1日は下界もピーカンだったけど風強かったです。
地域によっては湿ってクラスト状になってた
とこもあったみたいですけど・・。地蔵尾根は粉雪だったんですね。
>行者小屋に到着した。
のところの写真、素敵です。
気分が乗って読ませて貰いました。
十分、十分~♪
そこは、笑ってもらうところです(笑)
雪がガラガラと崩れて・・・。
全身雪まみれ。
もう、大変でした。
雪はこのときは相当積もったようですよ。
今週、また、地蔵尾根を登ってきましたが、今度は雪が減っていました。
予想外に、暖かかったです。
コメントありがとうございます。
ごめんなさい。
そんなすごいことでもないと思いますよ。
元気が出たとすれば、それはこの上のない喜びです。
ありがとうございます。
ぜひ、雪山で格闘してください(笑)
さきほど、takaoさんのブログ、覗きました。
takaoさん、とってもきれいな写真を撮ってらっしゃいますね。
またあとで、訪問します。
これからもよろしくお願いします。
泳いだというか・・・。
完全に溺れてました(苦笑)
しっかり準備をして、天気の良い時。
優しい雪山から始めてみてください。
きっとハマると思いますよ。
カッコよくは、ないですよ(照)
山から戻ってきて、無性にまた山に行きたくなっておりました。
2月1日は、いい天気でしたね。
粉雪は少しなら、気持ちよく楽しいですが、
個人的にはクラストした固い斜面のほうが、歩きやすく好きです。
風が強いのは、辛いですね。
私は目だし帽を2重にしたりして、しのいでますよ。
写真ありがとうございます。
あの写真は、行者小屋あたりから撮った写真です。
いろんなところに、いい被写体があるモンですね。
私も、気にいっています。
気分が乗ってましたか?
良かったです。
今回は、気持ちの良い汗をかくことができて、とっても良かったです。
山に行きたい病、発症してきました(笑)