「我が社では、目標管理制度を導入しているがどうもその運用が形骸化しているように感じてならない」。つい先ごろ聞いた某大手建設会社の人事担当の言葉である。実のところ、こうした話は同社に限らず我がグループでも、また他の企業でもよく聞く話である。
こんな悩みを持つ多くの企業では「それでは、管理者に対しコーチング研修をやろう」ということになるらしい。管理者が部下を動機付ける面談スキルが低いことが原因と見ているらしい。しかし、こうした対策を講じて、結果、目標管理制度の運用が格段に良くなったという声は今のところあまり聞かない。根本原因を見出せないまま、対象療法として研修を実施しているだけのようである。
目標管理制度の個人目標設定までのステップは基本的に、
①会社の事業計画が決定し、
②その計画をもとに部門目標、課の目標が割り当てられる。
③課のマネージャはその目標を達成するための具体策を検討し、
④これをもとに、社員に個人目標を設定させる。
という流れとなる。
本来なら、このようなステップを経ることによって、社員は個人目標と会社の目標を結びつけ自分の仕事に意義を感じるようになる。しかし、その運用が上手くいかない。また、管理者に上手く面談させるスキルを身につけさせてもこれまた上手くいかない。
そこで最近、こんなケースに少し視点を変えてみて目標管理制度に「ファシリテーション研修」を組み込んだ提案を考えてみた。
従来、社員が目標設定に参加するのは上記④の個人目標からである。それをもう一つ前の、課の方針を決定するステップ③にも社員を参加させるのである。課に割り当てられた目標を達成するために課としてどのように取り組んでいくべきかメンバー全員で考えていく。「自分は何をするのか」を考える前に「組織として何をすべきか」を考える場にもメンバーを参加させるのである。そうすることによって、個人目標のさらに上の方針にも自分の考えが反映され、社員の参加意欲・貢献意欲が育まれることとなる。また、個人目標の根拠となる課の方針が社員として納得いくものであれば、これに紐つけられた個人目標の達成意欲も高まるに違いない。
目標管理制度の運用面で「課の方針決定に社員全員を参加させること」というルールを義務付け、そして、このステップをより充実した場にするための手段として、管理者が「ファシリテーション研修」を受講し、ファシリテーション・スキルを身につける。
ただ、こうした提案も根本原因が定かでない場合は対症療法でしかないかも知れない。
しかし、「目標管理制度の運用が今ひとつ機能していない」という問題を抱え、万策尽きたという企業は一度試してみる価値があると思うのだが、如何だろうか?
こんな悩みを持つ多くの企業では「それでは、管理者に対しコーチング研修をやろう」ということになるらしい。管理者が部下を動機付ける面談スキルが低いことが原因と見ているらしい。しかし、こうした対策を講じて、結果、目標管理制度の運用が格段に良くなったという声は今のところあまり聞かない。根本原因を見出せないまま、対象療法として研修を実施しているだけのようである。
目標管理制度の個人目標設定までのステップは基本的に、
①会社の事業計画が決定し、
②その計画をもとに部門目標、課の目標が割り当てられる。
③課のマネージャはその目標を達成するための具体策を検討し、
④これをもとに、社員に個人目標を設定させる。
という流れとなる。
本来なら、このようなステップを経ることによって、社員は個人目標と会社の目標を結びつけ自分の仕事に意義を感じるようになる。しかし、その運用が上手くいかない。また、管理者に上手く面談させるスキルを身につけさせてもこれまた上手くいかない。
そこで最近、こんなケースに少し視点を変えてみて目標管理制度に「ファシリテーション研修」を組み込んだ提案を考えてみた。
従来、社員が目標設定に参加するのは上記④の個人目標からである。それをもう一つ前の、課の方針を決定するステップ③にも社員を参加させるのである。課に割り当てられた目標を達成するために課としてどのように取り組んでいくべきかメンバー全員で考えていく。「自分は何をするのか」を考える前に「組織として何をすべきか」を考える場にもメンバーを参加させるのである。そうすることによって、個人目標のさらに上の方針にも自分の考えが反映され、社員の参加意欲・貢献意欲が育まれることとなる。また、個人目標の根拠となる課の方針が社員として納得いくものであれば、これに紐つけられた個人目標の達成意欲も高まるに違いない。
目標管理制度の運用面で「課の方針決定に社員全員を参加させること」というルールを義務付け、そして、このステップをより充実した場にするための手段として、管理者が「ファシリテーション研修」を受講し、ファシリテーション・スキルを身につける。
ただ、こうした提案も根本原因が定かでない場合は対症療法でしかないかも知れない。
しかし、「目標管理制度の運用が今ひとつ機能していない」という問題を抱え、万策尽きたという企業は一度試してみる価値があると思うのだが、如何だろうか?
目標による管理では、上位の目標に対して自分の目標を立てる話はありますが、上位の目標自体への参画という説明はあまりありません。
しかし、本来はボトムアップ・アンド・ダウンではないでしょうか。現場の情報や現場で働く職員の意見を一度上に上げた後に、上位の判断で目標設定してもらい、それに基づいて個人の目標を設定するという手順を踏んだ方が、参画意識が強いのではと思います。
今回の提案のイメージは、どちらかというと営業部門を対象としています。課に割り振られた目標の達成に向け、組織としてどう取り組むか、また、個人個人がどう貢献するか、メンバー一同で議論する。「僕はここまでやるから、君はこれをやってみてよ」というメンバー同士の議論も盛り上がる。単に上司・部下の一対一での合意ではなく、課全体である程度コミットしておいて、個人目標の設定に移る。そんなイメージです。組織への貢献意欲を高めるために“ピア・プレッシャー”を取り入れていこうとする試みとして考えています。
ひとつの経営課題→それを実現するにはどうする?そこで出た施策案→それを実現するにはどうする? を繰り返して戦術に変えていかないといけないのでしょうね。組織単位さらには個人に数字を分けていくだけでは、やる気は出ないだろうと思います。
その意味で、ファシリテーションで創意を引き出すというのはヒントになりそうです。
ただ、単にチームの方針に自分の意見を反映させるだけではまだ十分とは思っていません。チームで議論し方針を明確にした上で、個人には「自分は何を目標にするか」考える時さらに自分の目標の根拠(自分の生きる意義など)を明確にさせ、これと組織の方針とをつなぎ合せた上で個人目標を設定させる。そして、その個人目標は、上司とのコンセンサスだけでなく、できればメンバー全員にシェア(共有)する。ここまでやれば、結構成果が期待できるかも知れません。
ただし、チームのリーダーが“やらされ感”でやっているようではそんな成果も期待できない。リーダーもこうした営みに意義を感じていなければ何にもなりません。
本気で事に当たろうとすると、結構やることがたくさんでてきますね。