ベトナム南部、フォンディエン。旅5日目の午後。
次の宿に向かってトランクを引きずりながら歩く。荷物が鬱陶しいがまだ日は高い。バイクに乗って一気に移動するのもばかばかしい。通りはずっと川に沿っている。ときどき支流にかかる大きな橋を渡る。
川と道路の間の細い土地に家や店がある。とうもろこしとじゃがいもをゆでて売っている。とうもろこしは皮ごとゆでている。試しに買ってみる。モチ種なのか、ものすごくもっちりしていて甘い。粒は白くてところどころ紫がかっている。日本では見たことがない品種だ。お醤油をつけて焼いたらどんなにおいしいだろう。
そんな店はいくつかあった。ある店では七輪風のものを使っていた。主な燃料はおがくずだ。おがくずをどこでもらってくるのだろう。
道路の横にはどこにも茶店があり屋台がある。景色はずっと同じように続く。いい加減歩き、暑さのせいもあってすっかり疲れてしまったので、あと2kmぐらいだったけれど、バイクに乗った。GPSでホテルの位置と自分のいるところは分かっていた。
けれどホテルに足をひきずりながらたどりつくのに2時間ぐらいかかっただろうか。道を知らないバイクにも振り回されたし、看板には単に「アンビン」としか表記されてなくてそれがホテルだとは気付かず、私は何度もその前を行ったり来たりした。くたくただった。
フロントに入っていくと、めがねをかけたきれいな中年女性がにこにこと迎え入れた。愛想がいいだけでなく人も良さそうだ。ほっとした。看板がなかったと文句を言おうにも全く英語が通じない。
ボートチャーターと書いた貼り紙がある。詳しく知りたいがこの女性では尋ねようがない。それなら何を書いてくれたって無意味だ。
部屋に案内してもらうとき、2階の廊下からほんわかした感じの若い白人女性がほほえみながら降りて行くのを見た。私の部屋は3階だった。川も見える。きれいでとてもいい部屋だ。ベッドもしっかりしてへこんだりしない。やっと着いて、とにかくほっとする。
ボートチャーターのことなど考える余裕もないほど疲れていた。しかし考えなければならない。
とりあえず夕食を探しに行こう。
宿を出るときにもう一度貼り紙をよく見る。カイランが1艘(2人)で3時間、50万ドン(2600円)。カイランとフォンディエンの両方に行くのが4、5時間で85万ドン(4420円)。私はフォンディエンに行きたい。しかし4420円ももかかってしまう。1人の旅は高くつく。
次の宿に向かってトランクを引きずりながら歩く。荷物が鬱陶しいがまだ日は高い。バイクに乗って一気に移動するのもばかばかしい。通りはずっと川に沿っている。ときどき支流にかかる大きな橋を渡る。
川と道路の間の細い土地に家や店がある。とうもろこしとじゃがいもをゆでて売っている。とうもろこしは皮ごとゆでている。試しに買ってみる。モチ種なのか、ものすごくもっちりしていて甘い。粒は白くてところどころ紫がかっている。日本では見たことがない品種だ。お醤油をつけて焼いたらどんなにおいしいだろう。
そんな店はいくつかあった。ある店では七輪風のものを使っていた。主な燃料はおがくずだ。おがくずをどこでもらってくるのだろう。
道路の横にはどこにも茶店があり屋台がある。景色はずっと同じように続く。いい加減歩き、暑さのせいもあってすっかり疲れてしまったので、あと2kmぐらいだったけれど、バイクに乗った。GPSでホテルの位置と自分のいるところは分かっていた。
けれどホテルに足をひきずりながらたどりつくのに2時間ぐらいかかっただろうか。道を知らないバイクにも振り回されたし、看板には単に「アンビン」としか表記されてなくてそれがホテルだとは気付かず、私は何度もその前を行ったり来たりした。くたくただった。
フロントに入っていくと、めがねをかけたきれいな中年女性がにこにこと迎え入れた。愛想がいいだけでなく人も良さそうだ。ほっとした。看板がなかったと文句を言おうにも全く英語が通じない。
ボートチャーターと書いた貼り紙がある。詳しく知りたいがこの女性では尋ねようがない。それなら何を書いてくれたって無意味だ。
部屋に案内してもらうとき、2階の廊下からほんわかした感じの若い白人女性がほほえみながら降りて行くのを見た。私の部屋は3階だった。川も見える。きれいでとてもいい部屋だ。ベッドもしっかりしてへこんだりしない。やっと着いて、とにかくほっとする。
ボートチャーターのことなど考える余裕もないほど疲れていた。しかし考えなければならない。
とりあえず夕食を探しに行こう。
宿を出るときにもう一度貼り紙をよく見る。カイランが1艘(2人)で3時間、50万ドン(2600円)。カイランとフォンディエンの両方に行くのが4、5時間で85万ドン(4420円)。私はフォンディエンに行きたい。しかし4420円ももかかってしまう。1人の旅は高くつく。