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人の旅を笑うな ~ベトナムの水辺の村へ~

ちょっとだけ垣間見た川と湖のほとりの暮らし

12 バスターミナルのフランスパン

2017-02-02 07:10:00 | アンビン島
ベトナム南部、ホーチミン。旅2日目の午後。

バスターミナルの売店の様子はインドネシアと似ている。店には壁がなく、ガラスのショーケースの向こうに店員さんがいて簡単な調理をしてくれる。インドネシアとベトナムはかなり離れているのに、しかも陸続きでもないのにどうして似ているのだろう。まあ、壁が要らないのは暖かい国ならではだろう。

驚いたのはフランスパンをたくさん抱えて歩きながら売る人がいることだ。ベトナムにフランスパンなんて全く予期していなかった。そうなんだ、ベトナムはかつてフランスだったのだ。

売店では、女の人がフランスパンサンドを作っている。お昼ご飯まだ食べてないのだし、早速1つ買ってみた。焼き豚や生っぽいハムが入っていてたじろぐ。普通のハムやソーセージと比べて肉っぽさの残るそういう具は、あまり私の好きなものではない。でも具以外はパンだし、それなりに安心感をもって食べられるのは確かだ。もっとジューシーなものと比べれば、まだベトナム向きのおなかになってない自分には手初めにいいだろうと思う。

ほかに麺やおかずを売っている食べ物屋さんがあるが、注文の仕方がどうもよく分からない。それというのも、買っている人がほとんどいなくて真似することができないからだ。

15時にバスに戻ると、席はほぼ埋まっていた。私の指定席にしてもらったとばかり思っていた奥の窓際の席にはほかの人が座っていた。私はドアの横の不安定な席に座らざるを得ない。私ともう一人の人が乗り込むとすぐに出発するような気配だ。バスのドアのところにまでフランスパン売りの人が来る。男の人がフランスパン単独で売り、1本3000ドン(16円)。その後2人組の女の人がフランスパンサンドを客の注文に応じて作っては売っていた。それらを買う乗客が結構多い。パンを買った人はみんな満足げだ。
結局、15時35分にバス出発。ヴィンロンまで約3時間の予定。


バスの停まっている横で、客の注文に応じてフランスパンサンドを売る。

11 ホーチミンの長距離バスターミナル

2017-02-01 07:10:00 | アンビン島

ベトナム南部、ホーチミン。旅2日目の午後。

アスファルトを敷き詰めた広大な駐車場に、赤や黄色の大型バスが並び、ところどころその間に子どものようにワゴン車が停まっている。その向こうに膨大な数のチケット売り場が並んでいる。ミエンタイ(西)・バスターミナルはホーチミンから南西方面行きの長距離バスの乗り場だ。
チケット売り場の窓口には、壁に行き先と値段が書いてある。そこまで乗ってきた市街地バスの窓から、ヴィンロン(Ving Long)の文字はすぐに見つけられた。3つぐらいあるのが分かった。

一番安い窓口でチケットを買う。私が乗るべきバスに案内されると、シルバー色の10人乗りぐらいのワゴン車だった。ベトナムのミニバスはシルバーが定番のようで、ほかにも同じ車がたくさん停まっている。私が乗るのはちょっとボロくて、大型バスが良かったなと若干がっかりする。大型バスの方が座席が広いし車高が高くて見晴らしもいいからだ。けれどとにかくまだベトナムのことが分からないので、様子見をするしかない。

出発まで30分以上あるからまだ誰も乗っていない。奥の席に座れと言われたけれど、初めてのベトナムが珍しくて仕方ない旅人がそんなところに30分も缶詰めになっているわけがない。バスターミナルをぶらぶらすることにする。係員が腕時計を指差しながら、15時15分発だから15時には戻ってこいと念を押す。
はいはい、オッケーですよ。







10 行かなくちゃ。メコンデルタを見に

2017-01-31 07:10:00 | アンビン島
ベトナム南部、ホーチミン。旅2日目の昼。
そうよ、ホーチミンはあまりに埃っぽいじゃない。実際路上のお店を見たってそこに座って食べる気にはなれない。女性はみんな柄の入った布製の大きなマスクや覆面をしてバイクに乗っていて、街のどこもかしこも砂埃ですすけている。こんな街、さっさと立ち去るに限る。
決めてしまえばゲンキンなものだ。急がなきゃ。私は立ち上がって店を出た。
まず銀行だ。かなり迷ったけれど、6万円換金。これから約10日の旅でそんなに使いっこない。でもこの先田舎ばかり歩くだろうから一応念のためだ。田舎では日本円は換金できない。

銀行へ行く途中に本屋があり、電池と地図を買う。安い地図だった。買ってからビニール袋の中を開けて見たらかなり雑だったけれど、地名がベトナム語で書いてある分『地球の歩き方』よりは役に立つ。『地球の歩き方』の地図は街の名前が全てカタカナで書いてあり、「ここに行きたいんです」とベトナム人に見せたって分かるわけない。読みあげたところでカタカナ語読みでは通じない。ベトナム語には声調が6種類もあり、それが大きくモノを言う。だからほとんど使えない地図なのだ。
あとは市街地バスターミナルから市バスで長距離バスターミナルに行き、そこから長距離バスでヴィンロンまで行き、降りたらバイクタクシーに乗り、その後川を渡るんだけど、夜遅くなって島に着けるのだろうか。大体宿の詳しい場所が分からない。人っ子一人いなかったりして道分かるだろうか。などと考えても仕方ない。何とかなるに違いない。何とかならなかったらどうしよう。それはそのとき考えよう。何とかなるかどうかは行ってみなければ分からないんだから。

街の真ん中のベンタイン(近郊)・バスターミナルは意外に探しにくかった。ベンタイン市場の南にあるはずだがベンタイン市場自体が結局良く分からなかった。ごちゃごちゃして汚い街だ。知人が以前に「二度とベトナムには行きたくない」と言いながら帰ってきたことを思い出す。
街の中をぐるりと仮設っぽい塀で取り囲んだ広い場所があり、そのあたりをバスがひっきりなしに走っているから、バスの向かって行く方向をたどって行き、何とかたどり着く。14時。
市街地バスの乗り場にはたくさんの番号が付いていて、どこから乗ればいいのか全然分からない。すると一人の若い日本人女性が空港に行くのかと声をかけてきた。不意をつかれて違うと言ったらごめんなさいとあっさり立ち去っていく。仕方ないのでベンチにいたかわいい女子大生風の3人組に教えてもらう。若い子なら英語が分かるだろうと思ったのだ。
バスは日本の市バスみたいで、普通のベトナムの人たちが普通に乗っていた。その上さっきの日本人女性も乗っていた。在住者らしい。学生? 主婦? 親切な人。もっと頼ればよかった。
ベトナム、結構難しいけど、やっと旅が始まった気がしている。