ベトナム南部、ホーチミン。旅2日目の午前。
冷たくてキャラメルマキアートみたいな味がしてシェイク(って今ある?)みたいな氷混じりのアイスクリームみたいなものが泡立って入っている飲み物が、なんですって? 約500円? 日本より高いじゃないの! これでも安いものを頼んだほう。もっと高いのがいっぱいある。一体ベトナムどうなってるんだ。
敗北感の中で席に着く。この店はWifiフリーだ。ここでスマホで今日の宿を調べようと思っているのだ。もっともこの店だけでなく、このあたりのカフェやレストランはどこもドアにWifiと書いてある。インターネットについてはインドネシアでまるで使えないという苦労をしてきたから、この環境に感動してしまう。ベトナムに着いたらすぐプリペイドSIMを買わなきゃと思っていたのだけど今のところその必要もない。
店の客は20代ぐらいの若い人ばかりで、ほとんどが真面目な顔してノートパソコンに向かっている。みんなこんな高い店にしょっちゅう来るんだろうか。
つやつやしたマゼンダ色のトランクをテーブルの横に置き、さて、と考える。決めることが本当に苦手だ。でも決めなければならない。誰も私の代わりに決めてはくれないのだ。このままホーチミンにあと1、2泊留まるか、どこかへ移動するか。
『地球の歩き方』の口絵には数ページにわたって屋台で食べられるおいしそうなものがぎっしり掲載されていた。ホーチミンでそういうものを全部食べ尽くしたい。小さなお店をいろいろ訪ね歩いたりもしたい。
そう思いながらも何となくタブレットで宿泊サイトを開いてみた。メコン川の水上マーケット方面。お、なんだか安いホームステイがあるわ。見ると、アンビン島という中州島である。ガイドブックに、その島でゆったりホームステイができると書いてあったけど、きっととても複雑な手続きをしてツアーに申し込んだり船に乗ったりしないといけないのだろうと思って真剣に検討していなかったのだ。でも、なんだ、簡単に泊まれるじゃないの!
ルートを調べると、ぎりぎりその日のうちに行けそうな気がする。どうするどうする? 行くしかないでしょ。ええい、ポチッ。
優柔不断な私にしては素早い決断。よしっ。
冷たくてキャラメルマキアートみたいな味がしてシェイク(って今ある?)みたいな氷混じりのアイスクリームみたいなものが泡立って入っている飲み物が、なんですって? 約500円? 日本より高いじゃないの! これでも安いものを頼んだほう。もっと高いのがいっぱいある。一体ベトナムどうなってるんだ。
敗北感の中で席に着く。この店はWifiフリーだ。ここでスマホで今日の宿を調べようと思っているのだ。もっともこの店だけでなく、このあたりのカフェやレストランはどこもドアにWifiと書いてある。インターネットについてはインドネシアでまるで使えないという苦労をしてきたから、この環境に感動してしまう。ベトナムに着いたらすぐプリペイドSIMを買わなきゃと思っていたのだけど今のところその必要もない。
店の客は20代ぐらいの若い人ばかりで、ほとんどが真面目な顔してノートパソコンに向かっている。みんなこんな高い店にしょっちゅう来るんだろうか。
つやつやしたマゼンダ色のトランクをテーブルの横に置き、さて、と考える。決めることが本当に苦手だ。でも決めなければならない。誰も私の代わりに決めてはくれないのだ。このままホーチミンにあと1、2泊留まるか、どこかへ移動するか。
『地球の歩き方』の口絵には数ページにわたって屋台で食べられるおいしそうなものがぎっしり掲載されていた。ホーチミンでそういうものを全部食べ尽くしたい。小さなお店をいろいろ訪ね歩いたりもしたい。
そう思いながらも何となくタブレットで宿泊サイトを開いてみた。メコン川の水上マーケット方面。お、なんだか安いホームステイがあるわ。見ると、アンビン島という中州島である。ガイドブックに、その島でゆったりホームステイができると書いてあったけど、きっととても複雑な手続きをしてツアーに申し込んだり船に乗ったりしないといけないのだろうと思って真剣に検討していなかったのだ。でも、なんだ、簡単に泊まれるじゃないの!
ルートを調べると、ぎりぎりその日のうちに行けそうな気がする。どうするどうする? 行くしかないでしょ。ええい、ポチッ。
優柔不断な私にしては素早い決断。よしっ。
ベトナム南部、ホーチミン。旅2日目の朝。
チェックアウトする前に、ホテルの朝食食べなくては。せっかく付いているんだからね。荷造りをしてから2階のレストランに降りて行く。客は誰もいない。係のかわいらしい女の子と若い男の子がいて、私を見てにっこりする。きれいなクロスに覆われたテーブルに着くと、紅茶かコーヒーか女の子が聞きに来る。けれど料理はいつまでも運ばれてこなかった。
数分間不審に思っていたら、どうやら自分で料理を取りにいかなくてはいけないようだった。壁際に銀色の大きな器が並んでいた。早く言ってよ。そこへ行くとほとんどがすでに空になっていて、いくつかの大皿にへばりつくように料理が残っていた。フォーなど影も形もなく、楽しみにしていたお粥もなかった。ベトナムっぽい料理は、やっぱりなかった。
けれど、空腹が満たせないほどではない。寄せ集めれば十分の量がある。パンも何種類かある。トースターは不思議なもので、パンを入れてハンドルをぐりぐり回すと反対側からパンが出てくるのだ。けれど焼き色はあまり付かなかった。電気切れてるんだろうか。係の男の子が一生懸命やってくれたけど、やっぱりだめだった。まあ、どうでもいいや。
フルーツと小さなケーキだけはふんだんに残っていて、糖分の採り過ぎではあるけれどいただく。
2階のそのレストランは、1階の玄関から吹き抜けになっていた。そして、1階は盛大に工事をしていた。ガガガガガガガガというけたたましい音とともに、コンクリートを研磨したほこりが舞い上がっていたが、幸いにもレストランに流れ込むほどではなかった。
普通のコーヒーカップに入った普通のコーヒーをいただいて、出発だ。
チェックアウトする前に、ホテルの朝食食べなくては。せっかく付いているんだからね。荷造りをしてから2階のレストランに降りて行く。客は誰もいない。係のかわいらしい女の子と若い男の子がいて、私を見てにっこりする。きれいなクロスに覆われたテーブルに着くと、紅茶かコーヒーか女の子が聞きに来る。けれど料理はいつまでも運ばれてこなかった。
数分間不審に思っていたら、どうやら自分で料理を取りにいかなくてはいけないようだった。壁際に銀色の大きな器が並んでいた。早く言ってよ。そこへ行くとほとんどがすでに空になっていて、いくつかの大皿にへばりつくように料理が残っていた。フォーなど影も形もなく、楽しみにしていたお粥もなかった。ベトナムっぽい料理は、やっぱりなかった。
けれど、空腹が満たせないほどではない。寄せ集めれば十分の量がある。パンも何種類かある。トースターは不思議なもので、パンを入れてハンドルをぐりぐり回すと反対側からパンが出てくるのだ。けれど焼き色はあまり付かなかった。電気切れてるんだろうか。係の男の子が一生懸命やってくれたけど、やっぱりだめだった。まあ、どうでもいいや。
フルーツと小さなケーキだけはふんだんに残っていて、糖分の採り過ぎではあるけれどいただく。
2階のそのレストランは、1階の玄関から吹き抜けになっていた。そして、1階は盛大に工事をしていた。ガガガガガガガガというけたたましい音とともに、コンクリートを研磨したほこりが舞い上がっていたが、幸いにもレストランに流れ込むほどではなかった。
普通のコーヒーカップに入った普通のコーヒーをいただいて、出発だ。