建築士だからわかる〇〇教えます

大規模リフォーム工事が始まります



大規模リフォーム工事の際に【確認申請】が必要になる工事があります。
4号物件とよばれる木造の平屋建てや2階建てで延べ面積500m2未満の建物はリフォーム工事の場合に確認申請が不要な物件もありますが、
今回は増築がありますので確認申請が必要となります。

確認申請が必要な場合は、主要構造部と呼ばれる壁や柱、床、はり、屋根または階段の一以上について行う過半の修繕・模様替えを行う場合に確認申請が必要になります。
また今回のように増築の場合、防火地域・準防火地域の場合は規模によらず確認申請が必要となります。
防火地域・準防火地域以外の地域では10㎡未満の増築であれば確認申請は必要ありません。

確認申請を行うにあたり大きな課題があります。
新築時に完了検査を受け【完了済証】を取得しているかどうか?という点です。

この【完了済証】を取得していない物件がとても多くあります。
それには理由があります。
国土交通省が平成15年(2003年)2月24日付で以下の通達を行いました。

「国土交通省では、従来より、建築物の安全性確保の前提となる中間検査・完了検査の適確な実施等の違反建築物対策に積極的に取り組んできたところです。その取組みをより実効性あるものにするためには、民間金融機関が新築の建築物向け融資を行うにあたって検査済証を活用すること等が有効であることから、関係協会等と協議を行ってきました。
 今般、平成15年2月24日付で、全国銀行協会、(社)全国信用金庫協会及び(社)全国信用組合中央協会に対して、
1 民間金融機関が新築の建築物向け融資を行うにあたって、検査済証を活用するなどの方法により融資対象物件が建築基準関係規定を遵守しているかという点について配慮すること
2 1の内容について、各民間金融機関が系列のローン保証会社に対して周知すること
について、各協会会員への周知徹底方の協力を要請したところであり、各協会を通じて、民間金融機関の協力が得られることとなりました。
 なお、本件については、同日付けで各都道府県知事及び住宅関係団体の長にも通知しました。
 今回の措置により、民間金融機関が新築の建築物向け融資を行うにあたって、建築基準関係規定がより一層遵守されるものと考えており、当省としても、関係機関等と協力しつつ、引き続き、違反建築物対策を積極的に推進してまいりたいです。」

この通達により完了検査が民間の融資を受ける際に実質義務化となったために完了検査を受ける件数が増えたのですが、反対に言えば平成15年(2003年)以前の建物は完了検査を受けていない物件が比較的多く存在している、ということです。

つまり築19年よりも築古の物件は【完了済証】を取得していない物件の可能性がある、ということです。

今回の物件はこの【完了済証】を取得していない物件でした。

完了済証を取得していない物件の増築申請をする場合は、民間の確認検査事業者では受け付けてもらえないケースも多いため、市区町村の建築指導課さんに相談することが多くなります。

今回は非常にデリケートな課題もありますことから地域や具体的な内容は書くことはできませんが、この【完了済証】を取得していない物件で増築申請を通すためには多くの方の協力が必要となります。もちろん工事内容もとても多くの部分の確認作業が必要となります。

とはいえ確認申請が必要なリフォーム工事は木造2階建てではそれほど多くはありません。むしろ確認申請が必要なリフォーム工事は少ないと思いますのでご安心ください。
ただもしも増築や過半の修繕・模様替えを行う場合は【完了済証】がとても重要になりますのでご注意ください。
そうそうガレージの増設などにも確認申請は必要になりますのでご注意ください。

とはいえようやくリフォーム工事が開始されました。とくに難しい物件でしたのでその喜びもひとしおです。
建主様から確認済証が交付された日にお祝いにとてもおいしい赤ワインをプレゼントしていただきました。
その赤ワインの味は忘れられない味になりました。

ひと・すまい・くらし一級建築士事務所

ホームページはこちら


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「(新築・リフォームの)現場にて」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事