火災はこわいです。火災はすべてを灰にしてしまいます。
シェルターとしての住処もなくなってしまいますし、生活に必要なものも、そして想い出もなくなってしまいます。
もちろん隣近所のみなさんにも多大なる迷惑をかけてしまうことが想定されます。
火事に関しましては本当に注意したい災害の一つです。
火事の原因につきましてはたこ足配線やコンセント部のホコリ、配線に強い圧力やねじれがあることによる発火、家電製品からの発火、ストーブによるものなどいろいろ考えられます。
火災の際に気をつけたい点がいくつかあります。
そのなかのひとつは燃焼時のガスの発生です。
壁紙や塗壁、天井材やカーテン、家具などが燃えた際にどのような物質が発生するでしょう?
それぞれの建材や製品により様々ですが、とても有毒なガスが発生する建材や家具もあります。
仕上げ材だけでなく、壁紙や塗壁で隠れてしまう下地材が燃えた際に発生するガスについても注意が必要です。
私はセミナーで建材を燃やす実験を行い、参加していただいた方にニオイをかいでいただく実験をします。
参加者のみなさんは建材が燃えた際にどのような状況になるか経験がない方がほとんどですので興味深く聞いていただいています。
人工的な化学物質を含んだ建材を燃やしたときのニオイと昔ながらの素材を燃やしたときのニオイを比べていただくこともあります。
通常の状態ではニオイはほとんどかんじられない建材でも夏の暑い時期や太陽の熱を受けた際、私のセミナーのように実際に燃やす実験をすることで含まれている成分が出てきます。
実際に火災が発生した際の建材からのガスによる影響については実際に消火にあたられる消防署の方からアドバイスをいただいたこともあります。
一方、無垢の木や人工的な化学物質を含まない昔ながらの漆喰や和紙、接着剤も米糊やニカワでつくったお家は安心でしょうか?
人工的な化学物質の発生は少ないと思います。しかし一酸化炭素の問題はあります。
一酸化炭素は
9ppm(0.0009%)アメリカ暖房冷凍空調学会によるリビングルームにおける短時間最大許容濃度
35ppm(0.0035%)8時間滞在する場合の最大許容濃度
200ppm(0.02%)2〜3時間滞在において僅かに頭痛、疲労感、めまい、吐き気等の症状があらわれる
800ppm(0.08%)45分でめまい、吐き気、震え、2時間で意識不明、2〜3時間で死亡
1600ppm(0.16%)20分で頭痛、めまい、吐き気、1時間で死亡
3200ppm(0.32%)10分で頭痛、めまい、吐き気、30分で死亡
6400ppm(0.64%)1〜2分で頭痛、めまい、吐き気、10〜15分で死亡
と言われています。
一酸化炭素は無味無臭のため、気づいた時には濃度が高まっていることもあります。
火事の場合、少しでも頭痛やめまい、吐き気などの症状がでた場合は外に逃げて、新鮮な空気を吸うようにしましょう。
ちなみに空気の組成は
窒素が78.08%
酸素が20.95%
アルゴン0.93%
二酸化炭素0.03%
と言われています。
汚染物質は
ppm(1%の1万分の1)
ppb(1%の100万分の1)
ppt(1%の1億分の1)
で示されるほどの低濃度でも環境や人体に影響を及ぼすとされています。
一酸化炭素はまさに危険な物質です。
また火災の際に放出される人工的な化学物質はどのような影響があるのでしょう?
ちなみに二酸化炭素につきましても
250〜350ppm(0.025〜0.035%)大気中における通常濃度
250〜1000ppm(0.025〜0.1%)換気が十分実施されている屋内の通常数値
2000〜5000ppm(0.2〜0.5%)換気の悪い部屋、頭痛、眠気、倦怠感、注意力散漫、心拍数増加、吐き気発生
5000ppm以上(0.5%以上)作業場所としての限界値(8時間)
40,000ppm以上(4%以上)酸素障害誘発、脳へのダメージによる昏睡、最悪死に至る
と言われています。基本的に屋内においては0.1%以下にすることが推奨されています。
自然素材だから火災の際も有害な物質は出ないとは考えないようにしましょう。
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