建築士だからわかる〇〇教えます

建築士の私が家を計画する際に気をつけていただきたい点ー健康素材という視点で


ありがたいことに私のこのblogを設計事務所の方や工務店の方も読んでいただいているとのこと。
個別の連絡もありがとうございます。少しでも参考になれば幸いです。

私は大地を守る会の藤田さんが昔仰っていた「他者を批判しない」ことを大切にしておりますが、
他者を批判するという意図ではなく、本日は私が設計上、基本的に行わない点やその理由について
お伝えしたいと思います。

私が基本的に行わない点ではありますが、家づくりでは一般的に行われている施工方法です。
 
■FRP防水のバルコニーやインナーバルコニー
 特に1階や2階に部屋があり、その部屋の上にバルコニーを設けることは以下のふたつの理由
 から私は行いません。

 ひとつめはFRP防水などは10年もしくは15年毎にトップコートの塗替えが必要な素材となります。
 トップコートの塗替え時のニオイ、みなさんは体験されたことございますでしょうか?
 私はケミカルフリーという視点で決して行いません。
 あのニオイを10年ごとに体験しなければならないのか?と思いますと私はお勧めする気持ちになり
 ません。

 何年に一度トップコートなどのメンテナンスを行う必要があるのか?費用はどの程度かかるのか?
 またその際には足場は組まれるのか?(生活しながらですので日当たりや通風の課題があります)
 につきましても家づくりを考える際に事前にお話を聞いておかれることをお勧めします。

 また雨水などの排水は横引き排水となることが多いと思いますが、万が一にも排水にゴミが溜まり
 排水が難しくなってしまった場合、漏水の可能性、雨漏りの可能性がある点も私が行わない視点で
 す。この点に関しましてはよく屋根をつけているのでほどんど雨水は入らないという工務店さんや
 ハウスメーカーさんがいらっしゃいます。
 私は化学物質や電磁波の相談を受けることが多く、お宅を訪問させていただくことがありますが、
 その際にベランダを見せていただきますと排水溝に枯れ葉などが溜まっている場合もあります。
 特に昨今の豪雨。防水ラインまで水が溜まってしまいましたら、防水ライン以上は雨水は溢れます。
 壁の中、部屋の中に雨水が入り込むことになります。豪雨によりバルコニーに水が溜まっているお
 家をみてきております。

 また日本は地震国です。地震の揺れによるバルコニーの防水層の劣化は本当に大丈夫なのでしょう
 か?


 最近は花粉などの課題もありますことからベランダに布団や洗濯物は干さないという方もおられます。
 バルコニー自体を設置しないという選択肢もあります。
 費用面でも有利になります。
 が、私は反面、バルコニーが好きです。設置する方向でお話をさせていただくことが多いです。
 やはりバルコニーに布団を干したり、洗濯物を干したときに太陽の恵みをいただいくことは私は
 とても魅力的に感じます。

※化学物質、防水、メンテナンスコストなどについて確認しましょう。

■外壁や屋根の素材
 固有名詞は避けますが人工建材の中には耐久性の課題、バルコニーと同様に何十年に一度メンテナンス
 を必要とする素材、ケミカルフリーの視点から使用しない素材があります。

 素材の中には経年劣化により、水分を吸収するようになり、カビや苔が生えているお家などを
 みかけます。
 屋根の下地や外壁の下地への影響は大丈夫でしょうか??
 私はリフォーム現場でそれらの下地もみたことがありますが、下地の合板(私は合板は一切使いません
 が)なども腐食してしまっている現場も散見されます。

 また単純に水分を含むことで重さが増します。そのようなときに地震が発生した場合、どのようになる
 のでしょう?

※耐久性、メンテナンス、化学物質、経年劣化時の状態などについて確認しましょう。

■重い外壁、重い屋根
 たまに外壁に石を張っているお家を見かけます。
 地震時や劣化による脱落が私は心配です。
 実際に引っ掛け金物の劣化で落ちてきた事例もありますし、接着成分が劣化して落ちてくるなども
 ありました。
 石と石の間はシーリングされていますが、そのシーリングが劣化することで雨が入り込み、脱落を
 加速した事例もありました。
 
 そもそも重い外壁や屋根は地震に対しては不利になります。

※脱落の可能性、地震対策

■家のカタチ
 地震の共振、固有振動などを学びますと家のカタチの重要性も見逃すことができません。

 また家のカタチと通し柱の関係も地震に対してはとても重要です。

 雨漏りのしやすさ、特注金物の増加による費用の増加などもあり、このようなカタチは私は
 行いません、というカタチがあります。

 注)地震に対しては地盤と建物の強度という視点も大切と私は思っております。

 ある工務店さんに「新井さん、こんな形の家づくりもできるのですよ」と言われたことがあ
 ります。もちろんできることは存じ上げてます。しかしその形状で地震力はどのように働く
 でしょう?またコーナーが多くなることで役物とよばれる金物が増えることで金額が増える
 ことも想像でき、また雨仕舞的にも考えた上でこの形状にしたのでしょうか?

※地震対策、雨漏りの懸念、費用面の増額要因

■家の納まり、素材
 木が腐らない工夫が大切ですね。
 基本的にカビや腐朽菌が発生する条件は、温度と湿度と空気と栄養素と言われています。
 地球に住んでいる以上、空気はなくすことができません。
 栄養素は木材事態に含まれています。
 日本には四季がありますので壁内の温度を管理することも難しい。
 そうしますと湿度を考える工夫が必要と私は思っております。

 素材からの物理的な漏水、雨漏りもありますが、結露により内部に水が溜まる可能性は
 比較的対策をとられていないところが多いです。
 例えば、断熱材で一般的に使われているグラスウールやロックウール。
 グラスウールやロックウール自体に吸放出性はありません。繊維の間に水を蓄えてしま
 うだけです。しかしそれらがなかなか水を離してくれないのです。

 東日本大震災の際にボランティアで清掃活動をしましたが、その際の壁体内の断熱材を
 観察しましたが、一度水を含んでしまった断熱材はなかなか乾きません。
 そうしますとカビや腐朽菌が増殖することが想定されます。

 ですので納まりの工夫と素材選びが大切なのです。

 グラスウールを標準使用している会社の方はそのために気密フィルムが室内側に施工され
 ていて、かつ気密を大切にしています、とのことでしたが、日本は地震国家です。
 建てたばかりの時のC値(気密性の高さ)がいくら優れていても、それが数十年確保される
 かどうかの保障はありません。


 私は日本の温度や湿度に対して自然に対応し得る工夫が必要なのではないかな?と思って
 います。無理やりシートで防いだりという方法は自然ではないように思うのです。

-- 
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
 ひと・すまい・くらし 一級建築設計事務所 
      新井 伸宏
    〒350-1162 埼玉県川越市南大塚3-10-1-102
    URL:https://www.hitosumai.com/
    mail:arai_nobuhiro@hitosumai.com
   お役立ち情報ブログ https://blog.goo.ne.jp/hitosumai
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
#電磁波 #過敏症 #新築 #リフォーム #暮らし #健康 #子ども #影響
 
 

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「お家を購入・建てるときの注意点」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事