伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

平等と尊重をはかる天秤を詰め込んで――入遠野中「くずのは祭」で聞いた弁論が素晴らしかった

2016年10月29日 | 学校教育
 きょうは入遠野中学校の文化祭「くずのは祭」を拝見し、遠野町の防災訓練の閉会式に出席しました。

 防災訓練は閉会式というように、肝心の訓練の部分はは危険できなかったのですが、深山田地区の土砂災害区域の住民が、近くに一次避難をした後、上遠野小学校の体育館に避難をするという内容でした。区長さんが、避難経路に課題も見えたといったように、実際に動いて見るからこそ見えるものもあるということで、貴重な機会になったものと思います。こうした訓練を重ねていくことは、この点でも重要なのですね。

 考えてみれば、防災訓練を拝見してから「くずのは祭」を拝見するというコースもあったのですが、でもそのコースをとると、あの弁論に出会うことはなかったと考えると、やっぱり「くずのは祭」からスタートするコースで良かったのでしょう。



 その弁論は弁論発表で行われた国語弁論のものです。

 くずのは祭は、開会式、オープニングセレモニーに続き国語弁論と英語弁論の二つが披露されました。このうち国語弁論では、今年5月のアメリカ合衆国オバマ大統領の広島訪問に題をとった弁論が披露されたのです。

 「71年目のフットボール」と第された弁論は、広島を訪問し「核兵器なき世界を追求しなければなりません」と訴えたオバマ大統領のかたわらに黒いブリーフケースがあったことを紹介しました。ここのブリーフケースは「核のフットボール」と呼ばれ、大統領が核攻撃の命令を出すために必要な4つの品物が入っているとされています。

 オバマ大統領が核なき世界を訴える傍らにあるブリーフケースから「71年前の恐怖はいまも続いてます。世界の平和は小さなカバンが握っています」と告発しながら、本当の平和を作っていかなければならないと呼びかけました。そして、平和は平等と人々の尊重のもとに築かれるもので、「未来に生きる私たちは新しい考えを打ち立てなければならない」として、このブリーフケースに新たに、平等と尊重をはかる天秤、美しい未来を描く絵の具と大きな画用紙、互いに助け合う温かい心の3つを詰め込もうと提案しています。

 素晴らしい。確かにあの時、このブリーフケースについて様々な論評がされていましたけれど、こうして自分の考えをしっかりまとめて、核兵器のない世界の平和を訴える。日本が核兵器廃絶に向かうための決議に反対をしたと報道される中で、政府のみなさんにこの若者の声を聞いてほしいとつくづく思いました。

 この生徒の弁論原稿のコピーをいただけないかなぁ。

 弁論の後は、1学年の高齢者介護の注意点や車椅子の利用法などを紹介する「福祉体験活動のまとめ」と2学年の体験型経済教育施設「エリム」などで「経済体験活動のまとめ」を拝見しました。



 経済体験活動では、家庭における支出の内容とクレジットカードの便利さと問題点、株式取引とは何かなど学んだ内容を紹介しながら、エリムで収入に見合った支出計画を作成した体験を寸劇で披露していました。学んだ内容はクイズを織り交ぜながら紹介されましたが、そのクイズの一つに「こどもでも払わなければならない税は何?」というものがあり、その選択肢は「消費税、子どもだ税、市民税」の3つ。明らかにウケ狙いの「子どもだ税」に賛同して手を挙げる生徒たちもおり、楽しく発表がすすめられていたことが印象に残りました。



 これに続く発表を拝見できなかったことが残念だったのですがやむをえません。時間がある時にはじっくりと拝見したいものです。

 


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