伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

なごり雪

2015年12月21日 | 
 gooブログのトップを見たら、「生まれて初めて購入した音楽は?」というお題が提示されていた。面白そうだから考えてみよう。

 何だったんだろう。

 脳裏に浮かぶのは「なごり雪」のシングル盤だ。

 中学3年生の時だった。たぶんNHK・FMが土曜午後に放送していた「リクエストアワー」で聞いて、共感を覚えて購入したのだと思う。当時、そういう心境にあったということですね。

 毎日、毎日、何度も、何度も、レコードに針を落として、数えきれないほど聞いた記憶がある。レコード盤なんか、あっという間にすり減った。

 ちなみに、このリクエストアワーのDJは三宅民夫アナだった。この番組が好きでよく聞いていた。検索してみると初任地が盛岡とあるので、あの頃は新人アナだったのかなぁ。

 さて、まだレコード、あるかな・・・・探してみた。

 あった、あった。保有する30枚ほどのシングルレコードの中に残っていた。



 ただこのレコードが入ったビニール袋は、横浜伊勢佐木町「ハマ楽器」と印刷されている。ああ、今も保有しているアコスティックギターを購入したお店だ。

 ということは、中3の時に買ったレコードは音がひどくなりすぎたので、横浜に暮らしていた時に新たに購入したのだろう。価格も700円。シールが貼ってある。最初に買ったレコードは500円だったんじゃないかなぁ。

 B面は「ラバーボール」。いつもいい日ばかりじゃない。「けられたり ふられたり 何もかもが いやになるけど こんな時 私には 歌があるから」と自分を励ます歌だ。

 考えてみるとこのカップリングはベストだったのかもしれない。このブログを書いていて思った。

 なごり雪は別れの歌。2人はとても楽しい時間を過ごしてきたのだろう。でもいま「君」は1人汽車で旅立とうとしている。そして「僕」は「去年よりずっときれいになった」――おそらく以前よりもっともっと「君」に思いを深めているということ――その君を見送りたたずんでいる。とても切ない別れだ。

 ラバーボールは、そんな時も歌って元気を出そうと励ます。そんな組み合わせになっていたんだ。昔はそんなことには全然気付かなかったなぁ。

 このなごり雪が、その後の音楽の嗜好を決定した。

 なごり雪はもともと「かぐや姫」の歌だと知り、すでに解散していた「かぐや姫」にはまるなど、フォークソング、後にニューミュージックと呼ばれる音楽にのめり込んでいった。いまでもあの頃の歌が一番良いと感じるもの。

 ギターを弾くきっかけになったのもなごり雪だった。

 何とかこれを弾いてみたい。ただこの曲は、全部の弦を人差し指で押さえるFおまけにB♭もある。指が短く関節が固いので難曲と感じた。しかもアルペジオとスリーフィンガーとストロークの三種の弾き方が組み合わさっている。初心者には余計に大変だ。

 そこで曲集の中にあった1章節を4ストロークで弾く・・つまり、ジャン、ジャン、ジャン、ジャンと4回弾き下ろすだけの曲、これなら何とかなるだろうと思い、最初の練習曲にすることにした。Fがあるが何とかなるだろう。その曲は「いちご白書をもう一度」。このシングルレコードもある。

 文章を書きながら、ふと、この「なごり雪」前にレコードを買ったことがあるかもしれないという、うすぼんやりした記憶がよみがえる。それは小学生の頃で、ウルトラマンシリーズのどれかの主題曲だったような。いや、それは何かの漫画雑誌の付録のソノシートだったのか・・う~ん、よく思い出せない。

 仮にそのレコードをあったとしても、いま現在も心から離れない「なごり雪」が、「初めて購入した音楽」の座に相応しい。初めてのレコードは「なごり雪」に違いない。そうだ、そうに違いない。

 そう思い込むことにしよう。


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