Cuisine WDYTO30

セックスと美味しいご飯。音楽と美味しいお酒。30過ぎてはや半年以上、食べずらい盛り付けと味付けでアナタにお届け。

南青山 「al solito posto (アルソリト・ポスト)」

2005-03-10 23:28:21 | 食べる男
ハタと気が付けば3月も半ばに差し掛かる弥生の季節です。

雪が降ったり、急に気温が上がって汗ばんだりする今日この頃、
身の回りの事モノ全部が「波」に見える。

毎日安定しない体調、浮き沈みの極端なテンション。
何の前触れも無く突然やってくる家族の危機と安堵。
日々移り変わる興味と感心と、寄せては返す労働意欲。

時々津波のように迫る性欲。

穏やかに佇みたい道徳と倫理のモラルココロ。

会いたくなって、ヒトリになりたくなって、
電話して、電話でる気なくなって。

貯金目指してコンビニ飯して、ゴチソウして散財する。


ボナセーラボナセラーラボナセーラボナセラーラボナセーラボナセラーラボナセーラボナセラーラボナセー

外苑前から某レコード会社の黒いビルの路地と、
南青山のヘンテコなプラダからくる細い道路が
ちょうど交差する辺りに、全体が細長く白い一軒家がある。

一階は絶品で有名なケーキのショーケースとキッチン。

ガラスのドアを引くと、ボナセーラアと声をかけてくれる。

表参道が仕事先だった頃から、
ちょっと贅沢なイタリアンといえばココだった。

ちょっとした「波」に誘われて、過去の女史と
久しぶりに劇ウマリゾットを賞味に来てみた。

「いつものところ("al solito posto")」の
ここの名物は「ブイヤベース」。

モレッティを呑みながら、季節のイタリア野菜を
ピーナッツソースのようなモノであえたサラダで
やってくる魚のごった煮、に想いを馳せる。

毎週木曜日は「ニョッキの日」だそうで、あのプリとした食感と
ソースが絡まる舌触りに目の無い二人は迷わず
ジャガイモのニョッキ ソレント風 トマトバジル モッツァレラチーズソース
をお願いする。

ソレント風、とはナポリの南、イタリアを足の形に例えると
足首から指4本分くらい上のスネに位置する港町で、
トマト、モッツァレラチーズ、バジルが入るとそれだけで
ソレント風、なのだと。

バジルを練りこんだニョッキを、
おおぶりのモッツァレラと一緒に突き刺し
トマトソースをたっぷりつけて口へかっ込む。
丁度いい塩加減とソースの酸味がああ至福の極み。

自家製のゴマパンできれいにトマトソースまで満喫して一段落していると、
すっかりイメチェンの完了した恰幅のいい女性スタッフが

断末魔の口をあけた今日の主役「めばち」を
氷を敷き詰めた大きな皿の上に乗せて見せに来る。

「こちらがこれからブイヤベースになりますから。」

嫌が負うにもテンションがあがってくる。

真っ赤な鍋の中には、主役のほかに
手長エビをはじめとした魚介(ムール貝とかあさりとか)、
それにオリーブやら原型をとどめない玉ねぎのような野菜が
まさしくごった煮になっている。

貝と海老を避けながらスープですくって一口、
どんなに盛り上がらないデートでも、自然と笑みがこぼれる。

キレイに取り分けてもらって、残った出汁で
いよいよリゾットを作ってもらうのだが、この間がタマラナイ。

小さく一人前に持ったピンクがかったリゾット。
ほのかに芯の残った米の固まりを
上手にスプーンですくって口に運ぶ。

美味い。美味いよ。ジジさん。

ちなみにジジさんは、毎週木曜に狭い店の中を
ギターを抱えて徘徊するなぞのおじさん。たぶん歌手。

まったくもって大満足してるそのタイミングで、
「デザートはどうしましょう」と声を掛けられる。頂きますとも。


数種類あるケーキのフルラインナップから、
1カットをさらに半分にしてくれるので、
もうマンプクでなんにも食えない二人でもたいてい2種類は味わえる。

といっても必ずお願いするのは、マスカルポーネムースとイチゴと、
(伝説の)「マチェドニア」フルーツタルト。

もう説明するのも面倒なくらいな絶品。

濃厚なマルカルポネ→フルーツ酸っぱい
を交互に堪能しながらダージリンで一息。

久しぶりに靴の中で足の指が動く動く動く動く。

舌と胃袋的には、大満足の久しぶりの贅。

一方の連れと言えば、、
ひとしきりお金の愚痴と眠たさを全面に出したまま、
たいした感動も無さげに店を出るなり、

「ゴチソウサマー」

いやそのつもりだけどさ。
なんつうの。この溝が過去のヒトになった訳で。

なるほど。波に乗ればいいってもんじゃ無いわけだ。


ボナセーラボナセラーラボナセーラボナセラーラボナセーラボナセラーラボナセーラボナセラーラボナセー


時期柄、次々と同僚が去っていく。
信頼のおける人が身近でなくなっていく感覚は
なんだかデカイ波がやってくる予感を連想させる。

ココにも大きな大きな波が迫る。

君塚良一がR25誌のインタビューで云っていた。

「本当にいい波が来ているのに砂場で膝抱えてるサーファーはいないでしょ。だから、来た波にはウワーッって乗る」

でも「MAKOTO」はちょっと、見る気しないよ。君塚さん。


ひーとりで渚に立ってー。
寄せる波にただ吐息だけー。





Ride The Wave/Motor Ace

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