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英国の日本の原子炉メルトダウン直前の緊張等によりウラン・プルトニウム混合酸化物燃料売却計画凍結問題

2011-04-19 16:56:37 | 信頼性の高い情報とは


 4月11日、英国インディペンデント紙は英国のイングランドのカンブリアにあるセラフィールド再処理施設(Sellafield site:以下「セラフィールド」という)で格納されている約60億ポンド(約8,280億円)に上る世界最大量のプルトニウム廃棄物(plutonium waste)の振り分け計画について、日本の電力会社の放射能問題の慎重さにより脅かされている旨の記事を載せた。
 すなわち、日本の福島原発の原子炉のメルトダウン(炉心の冷却ができない状態によって原子炉の核燃料体が異常に高温となり、炉心の燃料棒や制御棒等の内容物が溶融、損傷する現象。炉心溶融とも言われる)直前の状態が続く中で日本の電力会社が神経質になっていること等から英国政府自身のプルトニウム問題の解決が重要と見て英国の再処理燃料の国際取引の凍結を計画しているという内容である。

 換言すると英国政府が日本の市場に合致すべく開発した英国の成長産業となるプルトニウム備蓄センターのウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(以下「モック燃料」)(mixed oxide(Mox) nuclear fuel)(note1)の転換戦略は、日本がセラフィールドに背を向けることを理由として強く懸念することになったというものである。

 原子力発電そのものに対する強い反対運動が高まるドイツやわが国の推移に強い関心を寄せるフランス、さらに自国の原発の安全性に関する議論が高まっているEU各国の姿勢とは異なる問題として英国の再処理燃料問題を本ブログで取り上げることとした。

 さらにわが国の原子力エネルギー政策上重要な点は、2010年5月13日わが国の電力10社は英国で回収されるプルトニウムの将来のMOX燃料加工に関する全体的な枠組みの合意について」を締結したにもかかわらず、約半年後の2010年12月6日、中部電力は「浜岡原子力発電所4号機におけるプルサーマル計画の延期について」を公表した点である。
 筆者自身今回の福島第一原発のメルトダウン直前問題がなければ重要視しなかったであろう重要な問題であり、改めて経緯を整理することとした。

 なお、わが国でもセラフィールド再処理施設の放射能汚染問題は以前から関係者が警告を出して論じていることから見てもこのような記事にもかかわらず英国内での原子力発電の安全性の議論が高まることは疑う余地はない。


1.記事の内容(抄訳)
(1)英国政府やSMPの取組み
 モックス燃料の製造目的とするセラフィールドと日本との契約により、英国のプルトニウム備蓄政策の一環として数10億ポンド規模で政治的・経済的に支援したカンブリアの第2番目の同燃料の加工工場が期待されていた。
 しかしながら、日本の各電力会社はセラフィールドに対し、フランスで製造したモックス燃料の英国の船舶による出荷を無期延期する旨を伝えてきた。
東京電力が運用する打撃を受けた原発の影響を受けていない中部電力の浜岡原発は英国のセラフィールドのモックス燃料工場(SMP)の第一号の提供先であり、この無期延期は重要な意味を持つ。
 また、中部電力およびその他日本の9社の電力会社はSMPを悩ませる長期の製造問題がゆえに日本の市場向けに準備した今後10年から20年にわたる再処理燃料を引取らないことになろう。すなわち、SMPは英国の納税者の莫大な負担で今後10年以上にわたり年間1,000トン以上のモックス燃料を製造するように設計されてきたのである。
 この英国政府の政策は民間によるプルトニウムの備蓄政策であるセラフィールドの核廃棄物再処理によるビジネスへの大打撃となるであろう。

 政府大臣、関係省庁の官吏、核問題のアドバイザーは核廃棄物「リサイクル・プルトニウム」を原子炉内で燃焼させることは最も安全かつ廉価である個人的に信じている。
5月には英国政府のモック燃料加工に関する第2工場に関する経費等諮問の期限が来るが、当初約30億ポンド(約4,320億円)と低く見積もっていたが、実際は約60億ポンド(約8,640億円)近い金額になると断言している。
 2002年に稼動を開始したセラフィールドのモックス燃料工場の維持費は、これまで13億ポンド以上かかり、年間製造量は12トンが見込まれていたにもかかわらず、この9年間で製造した実際のモックス燃料は計13.8トンである。

 ロンドンにある米国大使館からリークされた公電(cable)では、セラフィールドのモック燃料施設は年間維持費が9,000万ポンド(約130億円)かかる英国政府の厄介物(white elephant)として、個人的にいうと英国の産業史上で最も恥ずべき失敗事例であると記している。
 しかし、英国の各担当大臣は数年以内に109トンに達する英国が保有するプルトニウムを処理するため、さらに大きい再処理工場を作るよう国民に圧力をかけるべきことに同意している。
 Sir. David King元英国政府主席科学顧問(note2)から独立した王立協会の科学者はこの新しいモックス燃料工場に代替できる実行可能な計画はないと信じている。しかし、核専門家は既存のセラフィールドモック燃料加工工場が2005年にNDA(Nuclear Decommissioning Authority)から引き継いだ予算の重大な浪費であると明言した。彼らはNDAは政府が別の燃料工場について提案することが企業広報活動上の大災害となりうる点を除いて工場を閉鎖したがっていると述べている。(note3)

 2011年1月、福島原発事故の発生前の時期に政務次官であるジョナソン・マーランド(Jonathan Marland)は議会上院(House of Lords)においてセラフィールドの新工場は世界最大のMOX工場となるとともにその建設のついて今年の後半に決定すると明言している。マーランド次官は現在のMOX工場はその目的に十分合致しておらず、そのことがフランスの原発会社である「アレヴァ(Areva)」が南フランスのメルキュールに自社の第2番目のMOX工場を建設、運用したがっている理由である点を認めた。

 政府はプルトニウム備蓄に関する諮問活動を完了していないが、長期にわたるプルトニウムの保存と廃棄費用が第2MOX加工工場の建設以上に費用を要することを認めている。

(2)インディペンデント紙のMOX燃料に関する“Q&A”解説
Q:英国の核燃料再利用計画はなぜこのようなことになったのか、また英国はプルトニウムの山(British’s plutonium Mountain)とはいかなる意味か?
A:それはカンブリアのセラフィールドに格納された特殊なドラム缶に詰め込まれたプルトニウム酸化物粉の状態の放射性プルトニウムの備蓄をいう。また、より遠くて少量が北スコットランドのドーンレイで高速増殖炉用(fast-reactor programme)に格納されている。

Q:なぜプルトニウムの備蓄量がそのように多いのか?
A:それは軍事用ではなく民間のプルトニウムである。民間の商業ベースに乗り得なかったもので、そのほとんどが1960年代に決定された高速増殖炉で使用するため使用済核燃料からプルトニウムを抽出する目的で集められた。現在、外国で所有されている28トンとあわせ現在英国の民間プルトニウム備蓄量は84トンに達している。既存の原子炉の再処理がいったん完了すると、その備蓄総量は109トンになる。

Q:我々は何かを行わなければならないのか?
A:プルトニウムは同位元素にもよるが何千年もの間放射能のままで存在する。
放射能の専門家は備蓄状態で何も行わないことは選択肢ではない、すなわち現在の保管方法は10数年後には結局危険になる。つまり、プルトニウムは将来いつかの時点で最終処分としてセメントやガラス・ブロックで長期備蓄するか原子炉で使用するMOX燃料の中に組み入れるなどなんらかのより安全な方法を取る必要がある。

Q:プルトニウムをMOX燃料にかえることは安全な対策といえるのか?
A:体内に取り込まれルことを考えると重大な健康上のリスクを引き起こす、すなわちDNA細胞を損傷しがんを引き起こすので皮膚を通過したアルファー粒子(alpha particles)(note4)を放つ。また、核兵器や汚い爆弾(dirty bombs)(note5)に使用されるもので身体にとって危険なものである。
プルトニウムを原子炉内で照射しMOX燃料に変換することでより放射能化が進みその取扱は難しくなると信じている、すなわち、安全性を問題視する反対者は製造されたMOX燃料棒の搬送中のリスクやプルトニウム酸化物でさえ搬送時の事故やテロ攻撃により重大な安全性リスクを負うと指摘している。

Q:原子炉内でのMOX燃料は扱いやすい燃料といえるか?
A:英国においていくつかの原子炉がMOX燃料を使用しているが全体原子力エネルギー発電の30%以下である。残りは従来型の酸化ウランである。MOX燃料の支持者は英国で新設する新世代の原子炉ではMOX燃料を使用することで結果的に英国のプルトニウム備蓄量を減らせると主張する。
 しかしながら、新しい原子炉においてウランのみ燃焼型が認可されるとしてもMOX燃料が従来のウラン燃料より高価であることには変わりはない。

2.わが国電力会社の英国で回収されるプルトニウムの将来のモックス燃料加工に関する全体的な枠組みの合意に至る経緯と入荷延期をめぐる原子力エネルギー政策の不安定性
 取りまとめの時間不足と専門知識不足等ではあるが、簡単に問題点のみを以下まとめて見た。政府を始めメディアや国民の関心が福島第一原発のみに注がれる中、監視の強化が重要な問題である。

(1) 2009年12月の記事の抜粋(2009年12月7日、日経BP net「九電、プルサーマル発電を開始」)
プルサーマル発電がいよいよ動きだした。わが国初のプルサーマルは、九州電力玄海原子力発電所3号機で実施される。九州電力はフランスのアレバ社に再処理を委託し製造したMOX燃料(ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料)を、10月中旬に玄海3号機に装荷、11月5日から試運転発電を開始し、13日に最大出力(118万KW)に達した。国の最終検査を経て12月2日、わが国初の営業運転が開始された。当初の予定より10年以上遅れて、国が推進する核燃料サイクルが、やっと新しい段階に入った。」

(2) 2009年11月4日、「九電玄海原発、国内初のプルサーマル実施目前にMOX燃料装荷に『待った』」解説
◆今年5月、仏国でMOX燃料(プルトニウム入り核燃料モックス。以下MOX)に加工された日本生まれのプルトニウムが、浜岡、伊方、玄海の3原発に搬入され、わが国初のプルサーマル開始は目前に迫っていました。

 10年前、関西電力MOX製造元の英国MOX燃料工場における不正を発端に、プルサーマル計画は頓挫していました。99年-00年に東電福島第一・柏崎刈羽原発に搬入された海外製造のMOXは、装荷されることなく今なおサイト内に保管され、関電高浜原発(福井県)では、搬入済みの不正MOXが送り返される事態も生じています。

 そんなわけで、先頭を走る4基の原発が次々と離脱する中で、5番手だった玄海原発がトップに躍り出てしまったのです。

◆しかし初装荷予定日を目前にした10月1日、奇跡のようなことが起こりました。

 3日早朝からMOX燃料装荷開始との九州電力の発表に、装荷中止を求める44万署名の請願を審議中の佐賀県議会が反発、請願採択を求めて詰め掛けた市民はついに最大会派の自民党県議団をも動かします。

 同日午前11時開会予定の本会議を前に、議員運営委員会は装荷ストップを決議、知事に「3日のMOX装荷スケジュールは白紙に戻すよう」九電に伝えることを申し入れたのです。装荷スケジュールの白紙撤回です。(以下略)」

(3)2010年5月13日、わが国電力10社は、以下のとおり合意内容を公表した。
「海外再処理委託により回収されるプルトニウムについては、海外においてMOX燃料に加工し、プルサーマルで利用することを基本方針とし、この方針に基づき、電力10社は、英国で回収されるプルトニウム全量を英国にてMOX燃料に加工できるよう、英国原子力廃止措置機関(NDA)と協議してきた。このたび、NDA(Nuclear Decommissioning Authority(英国エネルギー・気候変動省(DECC)傘下の外郭団体)が英国セラフィールドに所有するMOX燃料加工工場(SMP)における将来のMOX燃料加工に関する全体的な枠組みについて合意した。
本合意では、SMPにおける将来のMOX燃料加工について、経済性確保のための生産能力向上方策やそれに伴う費用負担、MOX燃料加工を進める上での原則等をNDAとの間で取り決めている。(以下略)」

(4) 2010年12月6日、中部電力「浜岡原子力発電所4号機におけるプルサーマル計画の延期について」
「当社は、本日、浜岡原子力発電所4号機(沸騰水型、定格電気出力113.7万キロワット)において、今年度(2010年度)から実施する予定であったプルサーマル計画を延期することを決定し、現在実施中の定期検査におけるMOX燃料の装荷を見送ることとしましたので、お知らせします。(以下略)」

(5)わが国のMOX燃料政策の見通しの甘さと発電施設の安全対策の不安定さ
 筆者なりに問題点と思われる点を整理しておく。
①原子力エネルギー政策の基本政策が2転3転している。これは個々の電力会社の判断に委ねるような問題ではない。
②政府および各電力会社による情報の公開性が欠如している。具体例で示す。
経済産業省の資源エネルギー庁のHP を見ておく。
最も基本的な「個別施策情報」の中で「原子力政策の状況」および「放射性廃棄物」のサイトを読んでも内外で問題となっている安全性問題について具体的な解説や対応策について取組みが見られない。


(note1) 「MOX(モックス)燃料」とは混合酸化物燃料の略称であり、使用済み燃料中に含まれるプルトニウムを再処理により取り出し、プルトニウム酸化物(PuO2)とウラン酸化物(UO2)とを混ぜたものを言う。(J-GLOBAL「科学技術用語」より引用)

(note2) 黒川 清 政策研究大学院大学教授は自身のブログで英国の「科学顧問(Chief Science Advisor)」について変革の情報を紹介している。

(note3) 英国では、原子力遺産と称される公的部門における過去の原子力債務に関して、それらを管理する機関である原子力廃止措置機関(NDA)が2005年4月1日から活動を開始するとともに、NDAの管理対象となる英国核燃料公社(BNFL)および英国原子力公社(UKAEA)の原子力施設については、廃止措置開始までの操業及び廃止措置に対する責任がNDAに移管されている。この移管により、BNFLが2004年に原子力施設の所有、管理、操業のための子会社として設立した英国原子力グループ(BNG)社は、NDAとの契約の下、NDAの管理対象施設の契約操業者となった(2005年6月10日「英国におけるバックエンド事業の最近の動向 -NDAとBNFLを巡る動き」から抜粋)
 なお、BNFLは英国核燃料会社で、英国の原子力産業で中心的な役割を担う100%英国政府出資の持株会社である。

(note4) アルファ粒子は不安定核のアルファ崩壊にともなって放出される。電離作用が強いので透過力は小さく、紙や数センチの空気層で止められる。しかし、その電離作用の強さのため、アルファ線を出す物質を体内に取り込んだ場合の内部被曝には十分注意しなければならない。(Wikipedia から引用)

(note5)汚い爆弾(dirty bomb )とは、核汚染(放射性物質による汚染)を引き起こす爆弾のことである。こと放射性廃棄物などの放射性物質を撒き散らすものでは、核爆弾のように核反応で爆発するのではなく、火薬などで爆発させ核物質を拡散させる。(Wikipediaから引用 )

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米国国防総省(DOD)が米軍サイバー戦争統括司令部(Cyber Command)の完全運用能力開始を発表

2010-11-11 15:08:51 | 信頼性の高い情報とは



〔Inerim Release Blog〕

 11月5日の朝日新聞は「米国サイバー部隊完全運用」と題する小さな記事を載せている。記事内容を再現すると次のとおりである。
「米国防総省は3日、米軍のコンピュータ機器や通信網へのサイバー攻撃に対応する専門部隊『サイバーコマンド』(米メリーランド州)の完全な運用が始まったと発表した。陸、海、空、海兵隊の各軍が個別に持つサイバー部隊を統括するほか、サイバー攻撃への対処で、国土安全保障省など米政府の他省庁を支援する。」

 確かに筆者の手元に届いた国防総省(DOD)の緊急リリース(Immedite Release)を読んで、初めは筆者もそのように理解した
(note1)


 しかし、DODがいう“Cyber Command”の本来の狙いは単にDOD等のサイバー・セキュリティへの防御的な対応といったものではなく、米国の軍事的優越的地位の確保を目的とする長期的「軍事作戦戦略」そのものなのである。 (note2)

 つまり、米国はアフガン等でリアルな戦争を行うとともに“Cyber War”に本格的に参入しようとしているのである。
 その背景には、東西冷戦の再来を思わせるような海外からのサイバー犯罪の急増やさらには国家の基幹インフラをターゲットとする各種攻撃の事実が明らかとなっている現実を踏まえたホワイト・ハウス、議会等も巻き込んだ昨年来の長期的な取組みがある。
(note3)
 さらに言えば米国の核兵器戦略の変化(核拡散防止から拡散対抗措置(counter-proliferation))も見逃せない点である
。(note4)

 “Cyber Command”は、本年5月21日に「第一次戦略能力(initial operational capability)」を達成しており、今回はその完全実施ということが正確な事実である。

 今回のブログは、「米国連邦政府のサイバーセキュリティ政策を巡る動向」(JETROニューヨークだより)
(note5)やDOD等のデータを直接参考としながら、米国のサイバー世界戦略の一端を垣間見ることとする。 (note6)

 さらに、わが国の防衛政策の根幹に影響を与える「米軍の変革とグローバル・ポスチャー・レヴュー(在外米軍の再編)( Military Transformation:Global Posture Review/GPR)」という問題がある。
 しかし、米軍の変革自体を本格的に論じる資格も専門知識もない筆者としてはこの問題に深くかかわるつもりはない。

 ところで、わが国のサイバー攻撃への対策はどうであろうか。
 その1つの答えは、首相官邸の政策会議「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」資料であろう。第7回(2010年5月12日(水)資料3「防衛省・自衛隊におけるサイバー攻撃対処について」防衛省の資料で一部取上げられている。
(note7)

 いずれにしてもわが国としては、米軍普天間基地等移設問題といった限定的な見方のみでなく、IT戦略を踏まえた米国の世界軍事戦略の変革を理解した上での交渉が必須であることは間違いない。なお、このような分析は筆者のような一研究者の仕事ではないと思う。

 本ブログは取りまとめの途上であるが、なお、時間がかかること、また問題の性格から見た重要性から「暫定版」で掲載する。


1.国防総省の“Cyber Command ”計画の内容
 “Cyber Command”自体、米国軍の最高機密であり部外者である筆者としては詳しい情報はないのが現実である。DODの概況報告(Fact Sheet)(たった1枚)であり、米国のメディアやWikipedia 等も多くがこれらを引用している。
 本ブログでもこれらの情報ならびに前述の「JETROニューヨークだより(以下、「JETRO」という)」、や“Cyber Security ”サイト、「2009年度米軍再編声明(2009 Army Posture Statement)」サイト (note8)等を参考としつつ解説を試みる。

(1)基本的な取組みの背景
 DODの“Cyber Command”創設の背景は、JETROに詳しく解説されているので直接参照されたい(ただし、本文で述べるNet-Centric 戦略およびその後継計画であるGIG等といった各軍間や指揮系統の縦横の相互運用性を確立するという米国の軍事情報化戦略についての理解や説明は弱い)。
 軍事問題であり、メディアが進んでいる米国といえども限られた情報源から丁寧に取材しており、執筆時点ではほぼ正しい内容であろう。
 そのうえで入手可能な情報をもとに筆者なりに取上げまとめた。なお、基本的な“Cyber Command”の具体化構想はその後も大きくは変わっていない。

・2009年6月23日、DODゲイツ長官(Dr. Robert M. Gates)は“Cyber Command”
の組織、基本任務およびトップ人事に関する合意メモをとりまとめ、24日に公表した。

(2)正式な司令部名
 “U.S.Cyber Command”(USCYBERCOM or CYBERCOMと略す)

(3)司令官
 ケイス・B・アレキサンダー米国陸軍大将(General Keith B.Alexander,U.S.Army)

(4)任務記述書(Mission Statement)
 USCYBERCOMは、以下の任務のために行動を計画、調整、統合、同期的な行動を指揮する。①指定された国防総省の情報ネットワークの運用と防御の指揮、②米国同盟国のサイバースペースにおける行動の自由を保証し、かつ敵対国の活動を拒否すべく準備を行い、命ぜられた時は全ドメインにおいて行動を取るため米国軍の全領域(陸、海、空、海兵隊)にわたる軍事サイバースペースの運用を指揮する。

(5)戦略目標(Focus)
 USCYBERCOMは次にあげる各軍のサイバースペース軍事(作戦)戦略運用にかかる全機能の結合、計画、同期、統合および指揮活動を結合する。
①DOD情報ネットワークの日々の防御と保護を統制する。
②定められた範囲でDODの軍事任務を支援すべく調整を行う。
③一定範囲のDODの情報ネットワークの軍事戦略および防御行動を指揮する。
④命ぜられたときは全サイバースペース軍事戦略を指揮する。
本司令部は、既存のサイバースペースにかかる各種資源を強力に牽引するとともに、現在は存在しない新たな米軍の相乗効果を作り出し、かつ情報セキュリティ環境を保護すべく戦闘効果(War-Fighting)の同期について責任を持つ。

(6)組織
 USCYBERCOMは、U.S.戦略軍司令部(USSTRATCOM)の下部にあたる統合司令本部とする。
その構成は、次の下部司令部である。 すなわち、①米国陸軍Army Forces Cyber Command(ARFORCYBER)、②第24米空軍(Fleet Cyber Command)、③海軍サイバー司令部(FLTCYBERCOM)および④海兵隊サイバー司令部(MARFORCYBER)である。

3.サイバー軍事戦略(Cyber Operations)とは
 議会や国民向けの説明資料といえる「2009年度米軍再編声明(2009 Army Posture Statement)」が具体的に説明しているので、その内容をここで引用する。

(1)“Cyber Operation”とは何か。
 2008年9月29日に、国防総省副長官がまとめたメモによると「優先課題であるサイバー戦闘能力の採用はサイバー空間内および空間を通じた軍事目標や軍事効果の実現である。その軍事活動には“Global ” (note9)・・・

(以降、追加予定)

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(note1)朝日新聞の記者は「DODの概況報告(Fact Sheet)(2010年10月13日)」等を読んでいるのであろうか。“Cyber Command”のトップ“Commander”は、米国陸軍の大将(四つ星階級)である。「部隊」の隊長等とは格がまったく異なる。もっと米軍の組織を正確に勉強して欲しい。
 また、“Cyber Operations”の具体的な内容を読めばさらにその軍事的な規模が理解できよう。例えば、2008年7月、米陸軍は「陸軍諜報およびセキュリティ司令部(Army Intelligence and Security Command)」の指揮の下で「第1回暫定ネット戦争大隊(first provisional NetWar Battalion)(指令本部と複数の中隊で構成)」をDOD等関係機関とともに実際に起動させている。なお、当然ながらこの大隊の具体的な内容については確認不可であるが、“NetWar”と“Battalion”については米国NPOシンクタンク「ランド研究所」の報告(2001年版)「新たなテロリズムに反撃するために(Countering the New Terrorism)」第4章で解説している。
 なお、米国ランド研究所は1946年にアメリカ陸軍航空軍が、軍の戦略立案と研究を目的とした ランド計画(Project RAND)として設立したのが始まりである。現在は世界50カ国、1,600人以上が働いている世界規模のNPOシンクタンクである。いまだに資料には“Rand Project Air Force”と書いてあり、このしかし一方でレポートの有料販売を謳っていることから奇異に感じたのである。伝統なのであろうか。

(note2)極めて短いリリース文の重要な一部を抜粋する。“Achieving FOC involved U.S. Cyber Command completing a number of critical tasks to ensure it was capable of accomplishing its mission. U.S. Cyber Command is responsible for directing activities to operate and defend DoD networks. ”

 また、本文で引用した2010年10月13日付けの「DODの概況報告(Fact Sheet)」の“mission statement”等でも同様の記述がある。さらに「2009年度米軍再編声明(2009 Army Posture Statement)」でも「サイバー・オペレーション(Cyber Operation)」の内容についてFAQ形式でその重要性を説明しているが単なる軍事情報ネットワークのセキュリティ対策のみでないことが明らかである。優先課題は米国軍の「世界仮想軍事方眼(Global Information Grid)」であるという説明がなされている。
 ある程度英文が読める読者であれば、“operate”や“operation”(軍事作戦戦略を行う)の意味や“defend”や“defense”より前に書かれている意味が理解できよう。

(note3) 2010年8月26日付けのCNNニュース「軍のネットワークが2008年、ノートPCに差し込んだフラッシュメモリから不正プログラムに感染し、『最も深刻なサイバー攻撃』に遭っていたことが、国防総省のウィリアム・リン副長官が25日、国際政治経済誌フォーリン・アフェアーズのウェブサイトに寄稿した手記で明らかになった。この事件を契機としてサイバーディフェンス戦略の見直しが進んだ。
 事件はこれまで機密扱いとされてきた。発端は、中東の米軍基地にあったノートPCがフラッシュメモリから不正プログラムに感染したことだったという。」
この記事は、読者の記憶に新しいところであろう。

(note4)2010年11月10日、連邦エネルギー省・ロスアラモス研究所(Los Alamos National laboratory:LANL)はFBIの防諜担当ベテラン官吏(officier)ダニエル・リー・クロイド(Daniel Lee Cloyd)が2011年1月に新規稼動を開始するLANL防諜局の部長として指名した旨リリースした。クロイドは最近までFBI本部の防諜部副部長として勤務していたが、25年間のFBI勤務の間、サイバー謀報を含む謀報、スパイ活動阻止、「拡散対抗措置(counter-proliferation):核拡散防止条約(NPT)を基盤にした核不拡散政策による拡散の防止が重要なのはいうまでもないが、もし拡散が防げなかった場合には、軍事的手段を使ってでも大量破壊兵器の脅威を取り除かなければならないとい考え(オバマ政権の核兵器政策のアジェンダ)」、防諜および法執行を担当してきたベテランである。

(note5) この記事の元は、2010 年 3 月「JETROニューヨークだより」である。
 「独立行政法人 日本貿易振興機構(JETRO)」の役割は、世界各国の経済・市場情報、貿易・投資実務、海外からの引き合い案件、関税情報、セミナー・見本市、出版物紹介等、 国際ビジネスに役立つ情報収集である。しかし、米国は継続的に海外で現実の戦争を継続している国であり、軍事産業で国を支えていることも現実である。その国でJETROが集める情報は、軍事情報を抜きにしては語れないということも事実である。

 なお、このJETROレポートは米国のメディア情報を丁寧にフローしていることは認めるが、今一軍事情報という意味では情報不足の感は否めない。すなわち取材時期とも関係する、内容から見てもDOD等の公式情報がほとんどない。このCyber Command設置の前提となる危機問題の指摘は2009年頃から始まっている。現時点ではこれら情報は国防総省のCyber Command専用サイトである“Cyber Security”で確認できるが、JETROはこの点まったく触れていない。もっとも同司令部が設置されたのは2010年5月21日であり、情報管理も極めて厳格に規制されている、しかし、丁寧に“Cyber Security”サイトを検索してみると、陸軍、海軍、空軍、海兵隊の統合指揮機関であるサイバー司令部のイメージが浮かび上がってくる。

(note6) 元独立行政法人宇宙航空研究開発機構理事 飯田尚志「安全保障、特にネットワーク中心防衛システムの核たる衛星通信技術の研究開発をどう進めるべきか」(Space Japan Review No.59-60 Dec/Jan-Feb/Mar 2008/2009)」の内容は、わが国の防衛関係者は必読すべきレポートである。特に第2章「安全保障における衛星通信技術の重要性」の部分と本ブログで取り上げてきた「スペースシャトルやISS等を巡る宇宙技術開発」とはまさに表裏の関係にあることも現実である。

(note7) DOD の“Cyber Command”専用サイト“Cyber Security ”は、2010年4月10日に開設し、5月21日に「第一次戦略能力(initial operational capability)」を達成している。
 しかしながら、この防衛省資料ではDODの「サイバー司令部」計画についてはまったく言及していないのはどういうわけか。まさか防衛省は、この問題の蚊帳の外か?意図的に情報非開示を行っているのか。
 なお、筆者自身、防衛省のセキュリティ問題の専担部門である先進技術推進センターの防衛技官に知り合いがおり、この問題についても意見交換している。

(note8)米軍の変革・再編問題については、国会図書館レファレンス2005年6月号福田毅「米軍の変革とグローバル・ポスチャー・レヴュー(在外米軍の再編)( Military Transformation :Global Posture Review/GPR))」、および同2006年10月号 福好昌治「再編される米太平洋軍の基地」が詳しく解説している。

(note9) 「Net-Centric 戦略」とは、各機関・システムの相互運用性の確保および企業のマネジメントの効率化、およびユーザの操作性・機能性の向上の観点から、システムではなく、サービス志向の手法やネットワークを介して情報の共有を行うことである。同戦略は、2008 年にGIG; Global Information Grid というネットワーク上の情報資源を結びつけて共有する方式に方針を転換した。各軍間や指揮系統の縦横の相互運用性を確立するものとして導入された。
 “GIG”については、DODの最高情報責任者(CIO)が2007年6月に公表した資料“Department of Defense Global Information Grid Architectural Vision”が専門的で参考になろう。なお、副題が“Vision for a Net-Centric, Service-Oriented DoD Enterprise”とある点がいかにも米国らしい。
 また、DODの“GIG”に関しては2008年2月に独立行政法人情報通信研究機構(NICT)がまとめた「アメリカ合衆国の無線・衛星通信分野における研究開発動向等に関する調査」報告の中でも次のように注記されている。
 「無線分野の研究活動に対して、衛星通信におけるR&D は、連邦政府によるいくつかの大型プログラムの対象となっている。それらの多くは、国防総省によるものが大半で、将来のグローバル情報グリッド(GIG)における衛星通信の重要性がその背景にあるものと見られる。GIG は、同省が想定するネットワークセントリック戦術における中心的な通信インフラであり、このネットワークを通じたより柔軟かつアジャイルな戦闘部隊間のコーディネーションを可能にするものである。」

[参照URL]
・国防総省のサイバー・コマンド完全運用示体制開始に関するリリース情報(2010年11月3日)
http://www.defense.gov/releases/release.aspx?releaseid=14030
・http://www.defense.gov/home/features/2010/0410_cybersec/docs/CYBERCOM%20Fact%20Sheet%20to%20replace%20online%20version%20on%20OCT%2013.pdf
2010年10月13日DODが発表した「サイバー司令部に関する概況報告(Cyber Command Fact Sheet)」(1頁もの)

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EU欧州委員会が使用済核燃料と放射性廃棄物の最終所処分方法など安全基準策定にかかる指令案を提出

2010-11-10 12:05:30 | 信頼性の高い情報とは


 11月3日の朝日新聞は標記情報を報じていた。常に筆者が気になっている点でわが国のメディアも含めた情報の不正確な点である。EUの組織や基本的な立法ルールが理解できていない。

 筆者の手元にある欧州委員会の公式資料やプレスリリースにもとづきあらためて解説しようとしたところ、「公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センター(原環センター)」が11月5日付けでその詳細について翻訳や解説作業を行い、同センターのサイト上で公開していた。

 専門外の筆者が下手に訳すよりも「餅は餅屋」である。同センターのサイトからポイントのみ抜粋、引用する。
(1)指令案は、EU加盟国に対して最終処分場をいつ、どこで、どのように建設・操業するのかを示した国家計画の策定を要求するものであり、また指令により、国際的に承認された安全基準がEU内で法的拘束力を有するようになるものとされている。
(2) 今回公表された指令案は、EU内で法的拘束力を有する実施可能な枠組みを構築することで、使用済燃料及び放射性廃棄物の最終処分に至るあらゆる段階において全てのEU加盟国に、国際原子力機関(IAEA)が構築している安全基準を適用させるようにするものである。プレスリリースには、指令案の主旨として5点が示されている。

 朝日新聞の記事で筆者が最も気になった点は、欧州委員会は「法案」を提出したのではない。「EU指令案」を提案したのである。今頃EUにおける「指令」の法的意義をあらためて説明するまでもないと考えたが、メディアとしての勉強不足はみっともない。

 同センター・サイトのEU指令に関する「注書」をそのまま引用する。
「指令は、規則及び勧告とともに、EUの法体系の中で「二次法」を構成するものである。指令が発効すると、EU加盟国は指令の規定を国の法制度に反映させなければならない。「一次法」は、EUの基本条約により構成される」

 なお、解説だけでなく公的な資料等出典元がすべてリンクされており、使い勝手が良いサイトである。

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米国グローバル・軍事・戦略分析サイト“STRATFOR”記事のいいかげんさ

2010-08-31 18:52:34 | 信頼性の高い情報とは
 

 前回に引続きとはいえ約1年半ぶりに本ブログを書くこととした。その背景は8月30日付けで筆者の手元に届いた軍事・外交面の国際情勢を分析している米国シンクタンク“STRATFOR”の記事「中国:中国人民銀行総裁が亡命の噂(china Rumors of the Central Bank Chief’s Defection)」を読んでその内容のいいかげんさに驚いたからである。(note)

 この噂の出どころは香港に拠点を置く通信社“Ming Pao”の8月28日付けの記事「米国財務省長期債(U.S.Treasury Bonds)における約4,300億ドルの損失の責任を巡って中国政府が総裁 周小川(Gov.Zhou Xiaochuan) を含む中国人民銀行(People’s Bank of China:PBC)の何人かを個人を処罰するようだという記事から始まったようである。

 この記事のいいかげんさは、“STRATFOR”はこの噂につき事実確認をまったく行っていないといいながら、一方では中国の国営メディアが現在総裁は問題なく業務をこなしていると強いメッセージを送っているとか、中国内では総裁亡命に噂がひろがり、その結果、周総裁の名前はインターネット検索エンジンでは困難となっているとも書かれている。

 ポリシー・アナリストの筆者としては先ずは事実確認を行うべくPBCサイトはいうまでもなく、中国の民間メディア等の情報を集めてみた。そこから見えたのは少なくとも8月30日午後に総裁は2人の海外の要人と会っている。

 なんとその1人は日本の金融・郵政改革担当大臣(国民新党) の自見庄三郎(じみ しょうざぶろう)である。実はこの2人は本年8月3日、東京において中国人民銀行、日本銀行および韓国銀行の3中央銀行総裁による第2回公式会合が開催されたことなども含め 金融安定、域内金融協力およびその他共通の話題等について短時間ながら話合っている。

 もう1人は国際会計基準委員会財団(IASC Foundation:IASCF)評議委員会議長であるトマソ・パドア・スキオッパ氏Tommso Padoa-Schioppa (前イタリア経済・財務大臣)である。

 PBC公式サイトではこの2人の要人との北京での記念写真を撮影時間も正確に記載して公表している。

 このような事実から追えばごく簡単な作業にもかかわらず、世界的シンクタンクとして怠ることは極めて遺憾と考え今回のブログをまとめた。

 なお、今回にブログに内容はあくまで筆者の個人的興味からまとめたもので真実でないかも知れない。筆者は中国語もほとんど理解できない。特別に中国政府に借りがあるわけではないが、情報の透明性を追求する米国らしからぬ記事と受け止めた。

1.周総裁の8月30日の午後の公式日程
(1)16時29分 IASCF評議委員会議長であるトマソ・パドア・スキオッパ氏と会談している。
 なぜ、PBC総裁が国際会計基準委員会財団(IASCF)の代表と会うのか、筆者なりに補足する。
「欧州連合(EU)では、2009年以降にEU域外の第三国の証券発行者がEUの証券市場に公募または上場する場合には、国際会計基準(IFRS)によるかまたはこれと同等の会計基準の使用が義務付けられている。2006年2月に中国財政部が公布した新企業会計準則は、2007年1月から中国国内の上場会社に適用され、国務院の国有資産管理委員会は、中央政府のすべての国有企業に対して2008年1月から新準則を全面的に実施することを決定している。
欧州証券規制当局委員会は欧州委員会に対して、現時点では中国の新準則の同等性について最終的な判断を行うべきではなく、欧州委員会が中国の証券発行者に対してEU市場にアクセスするときに中国の会計基準を使用することを受け容れたとしても、2011年までにはその同等性の判断を可能とする適切な証拠すなわち新準則の適切な実施状況が存在していなければならないと助言した。その後の中国財政部の報告により新準則は適切に実施されているとの情報もあって、EUの証券市場においては2011年まで経過措置の適用が認められた。」(近藤公認会計事務所「中国の新会計準則とIFRS(2009年1月26日)」より一部抜粋) 

 以上で、この時期に周総裁が会談する背景が理解できよう。

 なお、中国のウェブ・メディア「文新伝媒」は8月30日の周総裁の日程を詳細に紹介している。

(2)16時50分 金融・郵政改革担当大臣(国民新党) の自見庄三郎と会談している。
このPBCの広報内容が事実か否かは“STRATFOR”は日本政府に確認すれば直ちに確認できよう。

2.今回の噂ニュースを巡って中国サイトを検索して気になること
 “PBC”サイトを読んでいるとしつこく中国人民銀行の研究員募広告がバナー広告としてでてくる。中国語なのでなんとなく読めてしまうのでつらつら読んでしまうが、ここまで来るとクッキーも行き過ぎで「検閲」ある。国際的な民主主義の原則からは許されない。

(note)別途筆者は“STRATFOR”の編集者にメールを送るつもりであるが、わが国の金融・郵政改革担当大臣の英訳は“Financial Services Minister”は誤りである。
では正式にはなんと書いたら良いのか。「じみ庄三郎」大臣のHPでも書かれていない。
外訪、国際会議に出たときはなんと書いた名刺を出しているのか。

〔参照URL〕
http://app.response.stratfor.com/e/es.aspx?s=1483&e=97254&elq=643be328785245da936365cbf20ac17c
http://www.pbc.gov.cn/detail.asp?col=100&id=3767
http://www.pbc.gov.cn/detail.asp?col=100&ID=3765 **********************************************************

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