イギリスはやっぱりマズい

イギリス生活の不満を世界の裏側で叫ぶ

英国人は「クイーンズイングリッシュ」を話さない

2005-03-14 14:50:44 | 英語気づき
 英国というと日本人は「わー、いいよねえ、クイーンズ・イングリッシュでしょ」と言う人が多い。
 が、正確に言うと女王のしゃべってる英語と、BBCのアナウンサーやら普通の英国人の話すきれいな英語とはちと違う。女王に限定しなくても、女王を含めたアッパークラス(上流階級)の英語は違うのである。
 外人としてはアッパークラスの英語を話すメリットはないので、普通の「英国人の英語」について述べてみたい。


 「間違えたら問題になるイギリス英語とアメリカ英語の違いは?」と聞かれることもあるが、そういうのはないと思う。イギリス人もさすがにハリウッド映画などでアメリカ英語に慣れているからである。
 ただ、問題にはならないが失敗になることはある。
 外人がよくやってしまうのが、地下鉄に乗ろうとして地下道を歩いてしまうこと。つまり、
米:subway(地下鉄)←学校教育ではこっちを習う
英:subway(地下道)、underground(地下鉄)
 なのである。

 一応知っておいた方がいいんじゃないかなと思うのは、billとchequeだろう。
 店で「お勘定を」というときアメリカ英語ではCan I have a check?というが、イギリスではcheck(正しくはchequeとつづる)というと勘定書のことではなく通常は「小切手」のことなのだ。だから、イギリスではCan I have a bill?というのが正しい。こっちでよく「Can I have a check?」といっている日本人を見ると、通じることは通じるが、ちょっと悲しくなる。

 ほかにもこんなのがある。

・have got
 英国では現在完了形を結構好む。「持っている」の意味でDo you have..?を使うことはあまりなく、Have you got...?という。

・queue(キュー)
 名詞(「列」の意味)でも動詞(「列を作って待つ」)でも使う。たとえば、
 英:Are you queuing?
 米:Are you waiting in line?

・lovely
 「愛らしい」という意味もあるだろうが、普通は「fine」とか「great」の意味。
 銀行などで書類を提出すれば「lovely」。天気がちょっとばかりよくても「Lovely weather, isn't it?」(お天気いいわね)。なんでもlovelyである。
 ちなみにイギリス英語は付加疑問文も結構好き。「isn't it?」は早く言うと「イズニ」に聞こえる。

・football
 サッカーのこと。でもアメフトのことはちゃんとAmerican footballという。

・Z
 英:「ゼット」
 米:「ズィー」
 意外と知られていない。

・石油
 英:petrol
 米:gas

・can't
 英:カーント、と発音(これも場合によるが)
 米:キャント

・茄子
 英:aubergine(オーバージーン)
 米:egg plant
 こっちでクイズ番組の問題になってたくらいなので、egg plantの意味を知らない英国人は結構いると思われる。


 発音は、アメリカ英語ほど舌を巻かないのが普通(地域によって差はあるので念のため)。日本人に言わせると、アメリカ英語よりジャパニーズイングリッシュの発音に近いように聞こえる。が、かといってやはりジャパニーズとは違うので、油断して発音するとかけ離れたものになってしまうので注意が必要。
 だから、かえって母国語との差がはっきりしているアメリカ英語の方が発音しやすいという人もいる。