la☆dolce vita

イ・ビョンホン&ヒョンビン&チュ・ジフン&東方神起&SE7ENがチョア!by acqua

★トンマッコルへようこそ -2005-★

2006-09-22 | K-Movie
上映時間132分の間に、自分の中の『喜・怒・哀・楽』という全ての感情を出し尽くさせてくれる作品でした。そして『久々にいい韓国映画に出会った』と思える作品でした。

簡単なあらすじ
1950年代。世俗は朝鮮戦争真っ只中だというのに、そんな争い事とは無縁の暮らしを送っている村。それが『子どものように純粋な村』という意味の村名を持つ『トンマッコル』。
村長の下、老若男女が笑顔で争い事なく自給自足で暮らし、時間もゆっくり流れているこの村。ある日この村に3組の客がやってきた。
まずは空からふってきた連合軍のパイロット・スミス(スティーブ・テシュラー)。飛行中にトンマッコル付近に墜落し、村民に助けられたものの言葉が通じずもどかしい時間を過ごしている。
次にやってきたのは韓国軍から離脱してしまった兵士のピョ少尉(シン・ハギュン)とムン・サンサン(ソ・ジェギョン)。お腹をすかしていた2人は、スミスのケガの治療に必要な薬草を取りに来ていた村人についてこの村にやってきたのだ。
最後に村の少女ヨイル(カン・ヘジョン)に連れられてやって来たのは、人民軍(北朝鮮)のリ中隊長(チョン・ジェヨン)、チャン・ヨンヒ(イム・ハリョン)、ソ・テッキ(リュ・ドックァン)。
戦争とは全く接点のない村人を挟んで敵対する韓国軍の2人と人民軍の3人。一瞬即発のピリピリした空気が張りつめる・・・のはこの5人と『戦争』や『銃』の意味を知ってる村のキム先生だけ。
そもそも『戦争』という概念が全くない村人は、武器だって怖くないし、そんなにらみ合いよりイノシシに荒らされる作物のことの方が気がかりなのだ。
膠着状態の両軍をよそに、それぞれのゆっくりとした時間を過ごし始める村人。
にらみ合っていた両軍の兵士も次第に眠気に襲われて・・・。

ヨイルの無邪気な行為と兵士達の失態が重なって、村人の1年分の食料を失わせてしまった兵士達。
村が一大事になったことを知って、軍服を脱ぎ、村人達と一緒になって畑仕事を手伝い始め、同じ時間を過ごすことで感情に変化が起こり始める。
みんな楽しそうだ。これが人生だよね。
3国の兵士がそう思い始めた頃、平和な村トンマッコルにも暗雲が立ちこめ始め・・・・。
     
前半・中盤・後半でこれだけメリハリのある映画って初めてだったかもっ。『JSA』と構成が似てるかな~。
戦争物は苦手なので敬遠しがちなのですが、そんなに『戦争色が強くないはず!』と勝手に思いこんで見に行きました
序盤の戦争シーンはやっぱりチトきついっ!!
でも中盤の『トンマッコル』での出来事が、序盤の戦争シーンを忘れさせてくれる位面白いんですっ
村民を間に挟んで睨み合い、一瞬たりとも気を抜くことが許されない兵士達。
そのテンションのまま『トンマッコル』の村民に接するんだけど、武器も何も持たないこの村民達のマイペースさ加減が兵士達のリズムを乱し始めるのだ。そんな村人のせいで、兵士の行動全部がギャグになってしまうのが上手い作りだなーって思えました。
そして「この脚本書いた人、お笑い番組の脚本も書けるんじゃないの?」って思えるほど笑えるシーンが満載
もしこの村に行って『How are you?』っ聞かれたら『fine. And you?』とだけ答えて下さいね。でないと、村の教師であるキム先生までうろたえてしまいますから(笑)。
兵士間に友情が芽生えるきっかけとなったイノシシ事件。必見です!事件も映像も丸ごと笑えます
そして青空の下、いがみ合っていた両軍の兵士達の軍服が並んで干されてるシーン。それが私の心に一番残ってるシーンなのだ
このまま、『楽しい人生』を謳歌して『人間は心でわかりあうことが出来るんだ!』という映画なのかな~なんて呑気に思ってたら・・・。

もう完全に打ちのめされました
1人減り・・・・そしてまた1人。
それでも最後まで希望を持ちながら映画を見続けたのですが・・・
ああ、やっぱりこれは韓国映画。ハリウッド映画との大きな違いはジョン・マクレーン@ダイハードやイーサン・ハント@M:Iが出てこないってところなのよねぇ~
中盤でぬるま湯に浸かってすっかり自分までトンマッコルの村民状態だっただけに、余計終盤のインパクトが強かったよぉ~。

最初見終わった時は、救いのなさにチト凹んでたんだけど・・・。でも思い返してみるとアノ戦争中という状況下で、ただ国のため&上からの命令だけで戦っていた兵士達が、自らが命を賭けて守ろうと思えるものに出会えたってことはスゴイ事なんだよねっ
同じ色の軍服を着てても、同じ国の人間であっても、切り捨てなくてはいけない状況を経験してきた兵士達。それだけにその兵士達が窮地に陥った時、自分たちの身の危険も顧みず彼等をかばってくれた村民達の行動がありがたくて心を満たしたんだろうな~。そういう人たちのために戦え、信頼できる友とも出会えたから、最後もあの笑顔になれたんだと思いました。
この映画、落としどころがはっきりしていたので、見終わった後は『完全燃焼!』って感じでした。

平和に仲良く暮らすっていうのは一番簡単で幸せなことなんだけど、いろんな物や情報や欲で溢れている現状では難しいことになってるんだなーって改めて感じました。

俳優陣も、兵士6人&ヨイルを初めとした村人のキャラが全員個性的で1人1人とても存在感を感じさせてくれました。音楽も『久石譲』さんってことで日本人には心地よく感じると思います。

今回は試写会に行ったのですが、男性が多かったのがうれしい驚きでした。横も斜め前も後ろも男性でした。
こういう映画が『韓流映画』という概念を再び『韓国映画』に変えてくれる突破口になりそうな気がします。沢山の人に見てもらいたいなぁ~。

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4 コメント

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観てきたよ! (恭子)
2006-10-31 21:52:56
すごく面白かったですっ!もう、笑って泣いちゃいましたよ~。

帰ってストーリーをまとめながら思ったのですが、これは、ファンタジーとか、お笑い的な感じになっているけど、けっこう・・・。

ほのぼの語っているように見えて、鋭く問題提起とかもしているんじゃないのかなぁ~ってことを、少し思ったんです・・・。

だから、歴史とかを知ってみると、あぁこのシーンは、こういうことに対するメッセージなんだな、ということがわかるんじゃないかと思うんですよね!

ヨイルのシーンでは、めちゃくちゃ泣いてしまいました・・・。涙がいく筋も、首を伝って服の中にまで。

終わってみて一番鮮烈なシーンは、やはり最後ですね。あぁ戦争って、こういう状態なんだぁ~。と思いました。ざ・・・残酷ですよね・・・。

でも、とても面白かったので、もう一回見に行こうかな私は初日に行きましたが、家族連れや、お年寄りの方が多かったです。  
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11月1日、混んでました~ (あ~にゃん)
2006-11-01 17:59:59
acquaさん恭子さんこんにちは~!
見てきましたよ
なんだか心が浄化された思いです。

まず、印象にのこったのは~蝶でした。
私が抱く蝶のイメージは「魂の化身」なんですよだから蝶に出会うと「あの世から私に会いたくて来てるの?」って思っちゃうくらい。変ですか?
でも韓国で蝶は「幸福」の象徴らしいです!

普段なら大いに笑える場面でも涙目で口角が上がるって感じでした。

最後の最期の爆弾投下の中、ピョ少佐とリ中隊長の笑顔での会話が心に残りました。涙だーーーーでした。
何かを犠牲にしなくては、しあわせはつかめないんでしょうか?ああ・・・。
すみません感想になってないですね。
ツブヤキでした~
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私も観てきました (ぴっころ)
2006-11-02 08:36:11
acquaさん みなさん おはようございます

何だか心が温かくなって、でも、戦争って平和って豊かさって何だろうと考えてしまいました
本当に笑ったり泣いたり怒ったりの映画でした。
彼らは戻る場所もなかったのかも知れないけど、ああいう結果しかなかったのかも知れないけどでも・・・と思う反面、やりきれなさと暖かさが入り混じって不思議な感じでした

一緒に見に行ったチングといい映画だったね
と意見が一致
特にシン・ハギュンさんが本当にいい縁起をしていて今まで観た出演作の中で、私はこの映画の彼が1番好きかも
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あんにょん! (acqua)
2006-11-03 19:31:00
恭子ニム
笑ったり泣いたり忙しかったでしょ!!
韓国の映画って結構問題定義や社会風刺ものが多い気がします。『グエムル』も怪獣映画だと思ってたら思いっきりだったし

この映画、日本人になじみのある音楽なので子供も楽しく見られるかもしれませんね。笑い所も沢山あったし!

しかし最後の最後まで『スミス、早く司令官に言って攻撃止めさせてぇ~』と淡い期待を抱いていたのですが見事に裏切られました。でも、これが現実なんでしょーね
戦争にジャック・バウワー@24何て出てこないのが現実なんですよね

あ~にゃんニム
『蝶』で思い出したのですが、ずーっと以前NONFIXでビョンビョンのこと放送した時、ビョンビョンちの庭に蝶が何匹かひらひら舞ってたとーっても印象的だったんですよっ。で、あの時『蝶になりたーいっ』って思ったことを鮮明に覚えています

さてさて、この映画にのしかかってくるものがありましたよねっ!
あのラストの笑顔がよけいを誘うんだけど、憎しみと怒りの状態のまま戦争の犠牲になるなら、あの状況の方がよかったんだって自分に言い聞かせています
とはいいつつ、やっぱり戦争で幸せになれる人なんて誰もいないですよね!!

ぴっころニム
感情がコロコロ変わって大変だったでしょっ。たった2時間ほどの間に、観客を笑わせたり泣かせたりするだなんて、なかなかいい作品でしたよねっ

>やりきれなさと暖かさが入り混じって不思議な感じ
まさに私もそうでした!一瞬美談のようにも感じるけど、結局戦争は新しく生きようとする人たちの命や関係ない人の命まで一瞬で奪ってしまうんですよね
韓国はまだ休戦中の国だからよけい戦争がらみの映画は身に染みるんでしょーね。

シン・ハギュンssi&チョン・ジェヨンssi、見事な熱演でしたね。韓国の俳優ってほんと層が厚いのだっ。
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