母が特養に入所した事で
私は働く事にしました
当時
娘は高校２年生
息子は中学３年生
息子の志望校は私立だったので
学費がかかるだろうと思って…
兄はというと
光熱費などは
父の遺族年金と母の年金で賄い
食べる事は
本人の障害年金で
どうにかやっていました
しかし
１年もしない内に
事態は悪化
兄からの要望が
エスカレートしていきました
病気のせいもあるだろうけど
「食べる物がない」
「これ売ってきて」
「あれ買ってきて」
最初の頃は
出来るだけ援助していました
お米を分けてあげたり
多めに食事を作り
実家に届けたり
「年金の管理しようか？」
そう兄に何度も言ったけど
嫌がってダメでした
そして
とうとう兄は
銀行に借り入れをしてしまい
借金を作っていました
お金には困らないはずなのに
ナゼ？
問いただすと
賭け事に使っていたようです
いつのまにか
依存していたのでしょう
その頃から
毎日 毎日 毎日
電話やメールで
お金の要求が始まりました
「親の年金があるだろう」
「遺族年金は貰う権利がある」
「お前は障害者をいじめている」
特養も費用が高額で
実家の維持費も負担していて
父の遺族年金と母の年金
余裕なんてない
何度そう言っても
要求は繰り返されました
とうとう私の家にも来るようになり
毎日が恐怖でした
過去の出来事が思い出され
家族に危害を加えるんじゃないか
大袈裟かもしれないけど
「殺される」
そう思えて仕方ありませんでした
そんな日々が続く中
自宅のポストに届いた
市の広報誌
その中に
「障害支援センター」
相談窓口がある事を知りました
即日 相談窓口へ行き
今までの経緯を相談しました
正直
期待などしていませんでした
どうせ 何も変わらない
お役所仕事で
色んな所へたらい回しされる
でも 違いました
私の話を聞いてくれた担当者さんは
「今まで大変でしたね」
「1人で頑張らなくていいですよ」
涙が止まりませんでした
私が落ち着くまで待ってくれて
「私がすぐに対応します」
そう言ってくれて
その日の内に実家へ行ってくれました
担当者さんは兄と面会し
「今後は私がサポートします」
「妹さんが困っています」
「突然会いに行かないように」
「何かあれば私に相談してほしい」
とても優しく対応してくださいました
その後
兄は何度か私の家に来ましたが
夜遅くでも担当者さんは
連絡すると来てくれて
その都度
兄とじっくり話をしてくれました
兄も そんな担当者さんに
徐々に心を許しはじめて
家にも来なくなり
電話やメールもなくなりました
その後 通帳の管理も
社会福祉協議会に任せるようになり
障害者年金をやりくりしてくれて
時間はかかりましたが
借金も返済できました
その頃の私は
兄の姿を見るだけで
萎縮し 震えが止まらなくなる
それを知っていた担当者さんが
「今後は２人きりで会わない方がいい」
「お兄さんも 妹さんを見たら
また甘えがでてしまう」
「今からは お母様とご自分の家族
そして ご自身を大切にして下さい」
そう言ってくれました
この担当者さんに巡り会えて
感謝しかありません
その後の母は
寝たきりの要介護５になり
食事もままならなくなり
施設からは
胃ろうの手術を勧められました
母はどうしたいのだろうか
胃に穴を開けて栄養食を流し込む
そんな事はきっと
母は望んでいないと思った
胃ろうをすれば 特養に居られるが
点滴を選ぶなら 転院しなければならない
特養は介護施設
医療行為は出来ないと…
沢山悩みましたが
胃ろうはしない選択をしました
自然に任せようと…
転院して
栄養点滴で １年２ヶ月
２０１９年１２月２４日
クリスマスイブの夜
誤嚥性肺炎の為 他界しました
認知症が判明してから
約１１年間
頑張りました
葬儀の時
私は母に
「お疲れ様 ゆっくり休んでね」
それしか言えませんでした
葬儀は 家族葬
そこに 兄の姿はありません
私の希望でした
兄も了承してました
病気だとは言え
両親や私にしてきた事
どうしても許せなかった
酷い妹ですよね
でも 後悔はしていません
もう何年も 兄には会っていません
時折 担当者さんから
近況の連絡がありますが
就労支援にも参加しているようで
穏やかに過ごしているとの事です
実家の話
長くなりましたが
最後まで読んでくださり
ありがとうございました
次回からは
通常モードに戻りますので
宜しくお願いします😊