Blog ©ヒナ ─半径5メートルの毎日から見渡す世界

ラテンアメリカでの日々(1999〜)、さいたま市(2014〜北浦和:2021〜緑区)での日記を書いています。

日本漫画史の静かな金字塔

2021年08月18日 | 日本で暮らすなかでの日記

 徹底的な大阪弁と登場人物が常用する独白に笑わされ、大人より子どもが大人らしく、猫が人間より人間らしく、猫の目のように移り変わる視点が物語世界に奥行きを与えているこの作品は近来、出色の通俗・大衆・娯楽・滑稽小説のひとつと言い得よう

井上ひさし「見晴らしのよい叙事詩」(「文芸時評」『朝日新聞』)

 

 ナカタは昔、とある大真面目な場で「最も影響を受けた本は」と質問され『じゃりン子チエ』だと即答したことがある。

 『じゃりン子チエ』の世界──いったい誰がいちばん力を持っているのか、その関係図は「クラインの壺」のようにループし、この私たちの暮らす資本主義社会が「自転車を漕ぐようなモノ」と喩えた著名人がいたが、そこから最も遠くにある世界。

 その著者、はるき悦巳先生が24年ぶりに、画を描き下ろされたという。しかも懐かしの「パインアメ」とのコラボで。

 

https://osaka.style/news/17252/?fbclid=IwAR2_3MvCsMnQIvUzzqTtlt2DplbgNWXLGjPhH_vfeAZwR91swbP8OCTQxT4

 連載が終わったのは1997年のちょうど今頃。

 広島で、末期癌で他界しようとしていた母親の病院に向かう道端の小さな本屋で、最終回の『アクション』を買った。

 連載開始が1978年。ナカタが小学生になった頃。中学では本屋で万引きして連れ去られたヤツもいたし、高校では何人もの友達の家には、全巻が揃えられていた。わたしも同様。

 大学時代には、関西での日常会話では必須である、話にオチを持ってくることのために、『チエちゃん』での有名なセリフを覚えておくことが、わたしたちの「教養」だった。

 大学院時代には、関西以外の大学から入ってきたフレッシュ大学院生は、「どういった本をまず読んでおけばいいのですか」とまず読まされるのがこれだった。

 博士課程を終えようとする頃、わたしにとっては長い長い下積み時代の終わりは、母親の人生の終わりの予感と、新たなこれからのモノ書きとしてのはじまりでもあり、連載終了はそれをシンボリックに色づける「事件」だった。広島大学附属病院で、もはや末期ガンでのモルヒネの打ち過ぎで意識のない、母親のベッドの横で、わたしはこの『じゃりン子チエ』の最終話を、映画のエンドロールを一行一行読むかのように、そこに至るさまざまな場面を思い出しながら、避けようのない終わりを噛みしめていた。

 いまだに、ナカタ。ベッドの周りには必ず10巻くらいが散らばっており。
 寝る前にはどれでもいいから一冊開いて、どのページからでもいい。そして何百回と読んだのに、笑い転げて、寝る。
 
 8月15日は母親の命日。あれからもう、かれこれ四半世紀か。
 
 『チエちゃん』の劇場版なんか、あのジブリの高畑勲が音頭を取り、「ちゃんとした関西弁」の声優を望んだとかで、吹き替えメンツ。中山千夏の登板も(しかも歌まで)すごいが、この吉本勢。仁鶴師匠から三枝師匠、のりお・よしお、ザ・ぼんち、やすきよ師匠、島田紳助松本竜介(紳竜)、京唄子から鳳啓助、芦屋雁之助などといった、関西芸人のアカデミー賞会場のような顔が並ぶ。
 
 
 
 ロックフェスでゆーたら、「はっぴぃえんど」「村八分」「ザ・ドリフターズ」「YMO」あたりか?
 
 野球でゆーたら
1番:れっどすたー(中)
2番:まーとん(右)
3番:ばーす(三)
4番:掛布(一)
5番:岡田(二)
6番:真弓(遊)
7番:アニキ(左)
8番:かんとく(補)
9番:村山(投)
控え:新庄、桧山、横田(外)/関さん、吉田さん、弟(内)/原口(補)/ばっきー、井川、めっせ、岩田、のーみさん(先発)/御子柴、住友、きゅうじさん(中継)/山本、中西(抑)
監督:月亭八方
 
 ところで、「社長」ってなんや?
 「レイモンド」?
 なら「ボス」やろ。
 あと横山の「やっさん」、アントンからジュニアになって生まれかわってんにゃな。
 花井親子のラインもエグい。
 「テツの仲間」で「オール阪神・巨人」とワンセットで済ますあたりも。
 あと「無名」でよー通ったなぁ。このメンツなのに。
 
 
 8月6日から、大阪か新宿の紀伊國屋書店で、一冊買うとコラボ記念のブックカバーがもらえるらしい。
 さっそく大阪の友人に連絡。あろうことか、読んだことがないという。
 
 結果、「買ったよ」という一冊がコレ。店員さんに一冊おすすめを選んでもらったらしい。店員さんまで、かなりのコア。
 
 
 久しぶりに関西に帰りたくなった。
 
 「ひょうたん池」でフナでも釣りに行くか。
 トリオ・ロス・パンチョスがボクシングの試合してるかもしれん。
 
 
 


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