イギリスのロンドンから西に300キロほどの所にある、
古代からケルトの文化が色濃く残るデボン州。
その真ん中あたりにトトネスという街があります。
その街は、人口が5千人しかないのに、
そこには4つの大学があり、
二つの財団がさまざまな活動を行っている、
イギリスの中でも特別な雰囲気の漂う街です。
1998年、私はその街にある、
エコロジカル社会の実現のために設立された、
大学院大学であるシューマッハカレッジの、
「ホリスティックサイエンス」修士コースに留学しました。
私がなぜシューマッハカレッジに行くことになったかは、
それは偶然に偶然が重なったものでしたが、
シューマッハカレッジでの体験は、
それまでの10年間に匹敵、
いや、それ以上に色濃く、
様々な発見に満ちたものでした。
そのときのことを、
関心のある方とシェアするために、
ブログの形で公開することにしました。
この文章は、2003年に、
マクロビオティックの西日本の拠点である、
正食協会の月刊誌「むすび」に、
1年間にわたって連載された12話を、
そのオリジナル原稿をもとに、
加筆、修正をしたものです。
留学記の部分は、
一話につき一カテゴリーとして分けています。
お読みになるときは、
右のカテゴリーから、
ご興味あるテーマを選んでください。
1990年代から2000年代にかけて、
シューマッハカレッジにはサスティナビリティに関する
世界的な学者、活動家、思想家が教えに集まり、
世界中から学生が来ていました。
サステナビリティに関して世界のセンター的な役割を果たしていたと言っても過言ではありません。
当時、学生だった人たちの多くが、
いま世界のサスティナビリティを牽引するリーダーとして活躍しています。
しかし、留学から四半世紀がたち、社会や人々の考え方も変化していき、
シューマッハカレッジで教えられる内容も教授陣も大きく変わりました。
そして、シューマッハカレッジは残念ながら2024年8月29日に閉校することになりました。
その理由は学校のオーナーである財団の財政危機ですが、シューマッハカレッジ自身の変化も閉校の一因になっているようです。
閉校は残念ですが、サステナビリティ分野を中心に、多くの卒業生が世界中で活躍している今、
シューマッハカレッジは十分にその使命を果たしたと思っています。
学校は閉校しましたが、この学校が世界を動かかした貴重な存在であった事実は変わりません。
このブログは、
世界の片隅にあった小さな学校が、
「世界を変える」大きな原動力の一つとなった、
その在りし日々の様子を伝えるものとして、
今後の参考にしていただけたらと思います。
ブログオーナー