世はこれでもかとばかりに、鳩山民主党政権の話にあふれている。群馬県長野原町の八ツ場(やんば)ダム建設中止、温室効果ガス削減、在日米軍再編と今後の日米関係など、警鐘を鳴らす対象を含めて話題にはこと欠かない。
「ちょいとやり過ぎじゃあ」と感じている読者もおられると思う。ただ、マニフェスト(政権公約)の「罪」についてだけは書いておきたい。
政党がマニフェストを掲げて選挙を戦い、政権獲得後はマニフェストに沿って政策遂行、政権運営に責任を負うというのは、近代民主主義における選挙の理想形だ。日本政治のあるべき姿について提言を重ねてきている21世紀臨調(新しい日本をつくる国民会議)が、マニフェスト活用の旗振りをしてきたのもそのためだ。
しかし、政権獲得後の民主党のやり方、鳩山政権の閣僚たちの言動は、あまりにマニフェストに縛られ過ぎているように感じる。
初登庁時に拍手をもらえなかった長妻昭厚生労働相は職員への訓示でマニフェスト片手に「これは国民と新しい政府との契約書、国民からの命令書だ」と大見えを切った。前原誠司国土交通相は八ツ場ダム建設中止方針の堅持にこだわったあげく、地元住民から意見交換をボイコットされている。
公約を守ろうとする姿勢は立派だ。だが、マニフェストに盛り込まれた個別の公約がすべて有権者の支持を得ているかというと、どうも心もとない。
選挙後の世論調査をみると、子ども手当、高速道路無料化、農家への戸別補償制度創設といった目玉政策でさえ国民の賛否が分かれている。子ども手当が配偶者・扶養控除の廃止と、高速無料化が高速道路各社の債務を税金で負担することと一体であることが伝わっていなかったためでもある。
民主党のみなさんは自らの胸に手を当てて考えてほしい。「政権交代」を叫んだ何分の一の時間を、「負」の部分を含むマニフェストの説明にあててきたのかを…。
非自民連立の細川政権で首相特別補佐を務めた田中秀征福山大学客員教授は日本記者クラブの会見で、衆院選を「有権者が民主党の手を借りて自民党政権を倒したものだ」と表現したが、同感だ。自民政権との違いを強調するあまり、虚心に国民の声を聴く姿勢を失っては元も子もない。
鳩山由紀夫首相や閣僚のみなさん。風に流されず、もう一度、立ち止まって考えていただけませんか?(編集長 関田伸雄) 【産経ニュース】
上記記事に小生も同じような感じを持っていたが、一体マニフェストは、規則・党規どちらに類するもかと言う疑問である。
選挙時においても、今でもマニフェストは手元には入って来ないので、何かと言うとテレビで掲げる鳩山首相の顔写真ぐらいである。国民に全員配布したのだろうか、国民が本当にマニフェストを理解して投票したのか?・・無料化・・・支給と良い部分の広告びらが飛んでいることに国民が民主党を選んだことと、自民党のふがいなさが民主党の風に乗ったように感じるのたが・・・・
あるブログでは次のような記事もあった
「一体マニフェストはどれだけしっかりした根拠の元に作られているのか???選挙に勝ったから承認が得られたと思ったら大間違いである。国民はマニフェストの全てに承認を与えているわけではない。それはアンケート結果によって明らかである。国民は政治行政の改革を求めて民主党に投票したのだ。アンケートを持ち出すまでもなく個々のマニフェストの中には歓迎するものも歓迎できないものも含まれていることは当たり前のことである。それを選挙結果が承認を与えたと勝手に見做して実行するのはファッショであり無能である。マニフェストは選挙前に各党が自由に作ったものであって、個々のものを実施するとなればその決定に至った全てが国民に説明されなければならない。」