八幡平の自然 ~アスピーテ日誌~

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冬山巡視「茶臼岳コースⅣ」 快晴

2015-03-04 14:30:20 | スキーツアー

旧スキー場の登りです。先行の方達は雪崩を警戒しながら、慎重です。前回の雪崩は、この斜面の左下の方で起きたのです。

ふと目を向けると、岩をまたいだ枯れた根と若いコメツガが数本見えました。大変なところに根を下ろしたものだと見入ってしまいました。

こちらはコメツガの兄弟のよう、真ん中の兄を取り囲むように生えています。これにも物語をイメージしてしまいます。

今度は風紋です。風のなせる業とはいえ、その細密さにただただ感心するばかりです。

谷と連なる尾根を現した地図の等高線のようです。これが実際の地形であれば、きっと海外の山ということになるのでしょうか。

これが何かわかりますか? ウサギの踏圧で少々締まった雪が風に飛ばされずに残り、雪面よりも高くなり、高くなった踏み跡を風がまいて風下側の雪を吹き飛ばした・・・ 足跡の等高線状の模様は風当たりの強弱・・・ でしょうか。

さて、次々に疑問がわきます。オオシラビソについた尾根状の吹き溜まり、これもウサギの足跡同様の仮説でいいのでしょうか?

樹林の中はこのような吹き溜まりと吹きさらしで、高低差が時には数メートルという場所もあり、落ちたら大変です。

足跡でさえも風がまき、樹木などは枝も含めて明確に風の流れを変えて、雪面に高低差を付けると思います。

   

コメツガの雪が落ちた状態。根元は雪におおわれていますが、全ての枝が下を向き、これからお目覚め? 

茶臼避難小屋に到着です。

今日もまた、入り口はひどい吹き溜まりです。

扉もサッシ窓もきちんと締まっていましたが、わずかな隙間から雪が吹き込んでいました。除雪をして昼食です。

茶臼岳の山頂に向かう途中、そこだけ黄色い、黄砂が降ったところがありました。

前回、夏道を進んで、コメツガの樹氷に苦心したため、斜面をまいて登っています。

吹きさらしの茶臼岳(標高:1578M)山頂です。正面が、真っ白な畚岳(標高:1577M)。

八幡平山頂方向です。一昨日の濃霧の中に樹氷は見えていましたが、こちら側から見ると山頂の近くも黒っぽく・・・ 落ちたのでしょうか。

やや右奥が秋田駒ヶ岳(男女岳標高:1637M)、手前右側から諸檜岳(標高:1516M)、瞼岨森(標高:1448M)、大深岳(標高:1541M)、三ツ石山(標高:1466M)など裏岩手縦走路の山々が見えます。今日、別のスタッフが三ツ石山コースの巡視に出かけていて、少し前に山頂に着いたと連絡がありました。

そして、岩手山。

茶臼岳西側斜面のコメツガの樹氷です。だいぶ葉先が出ていますが、じっと耐えているように見えます。

猛烈な風と雪に押さえつけられ、雪に埋もれ、または折れてしまうもの。長い年月をかけてその形が作られていくのだと思いました。

 

冬山巡視は今月一杯ですが、さまざまな条件のもと、いろいろな気づきがあって面白いです。まだ山は冬ですが、それでも春が近いと感じられます。冬が厳しいほど春の花々が新鮮に映ると思っています。気が付けば一年中、面白いということでしょうか。

   あべ

 

 

 

 

 

 


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