八幡平の自然 ~アスピーテ日誌~

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7月4日 自然観察会「草の湯分岐トレッキング」開催しました

2015-07-06 14:02:57 | イベント

当日は朝から雨の予報だったため、ルート短縮しての開催となりました。
23名の方にご参加いただきました。ありがとうございます。




本来ならば駐車場の向こうには雄大な景色が広がっているのですが、真っ白。
すぐそばの畚岳も見えません。
どんな観察会になるやら・・・!?



トレッキングを開始してすぐに、さまざまな花が出迎えてくれました。


ナナカマド


鏡沼のほとりのオオバキスミレ


イワカガミ
ミツバオウレンも見られます。

ベニバナイチゴやエンレイソウ、ミヤマスミレなどにも会え、
不思議なくぼ地ではキヌガサソウh咲き始めていました。


オオシラビソの林の中は、折れ枝の枯れた葉から甘い香りが漂います。
「ほうじ茶の香りみたい!」
「私の時代だとカルメラ焼きの匂いだな~」
みなさんくんくんしながら話が弾みます。


八幡平山頂到着。
今日は展望台からの景色はあまり良くないですが、風が気持ちいい!!


山頂展望台からは、ほぼ目線の高さにオオシラビソの雌花を見ることができました。


こちらは雄花。
花芽のようにも見えるかわいい桃色は葉芽です。


山頂からは、分岐道を通って下っていきます。
さきほどの甘い香りの正体を、折れたオオシラビソの枝で確認・・・。くんくん・・・。


ほどなく、湿原に到着です。
風下の谷間になっているため、雪解けが遅い雪田(せつでん)となっています。
雪が解けたばかりのところがまた白いじゅうたんになっている・・・?


霧の中に浮かぶ白いじゅうたんの正体は、ヒナザクラ群落!幻想的!!
思わず歓声が上がります。


チングルマも見事な群落です。


・・・と、ここで急に雨が激しくなってきました!
オオシラビソの下で少し雨宿り後、Uターンです。


参加者様が「乙女ロード」と命名。
道はぬかるんでいても、乙女心をくすぐる群落です!


しっとりとした色合いのカラマツソウのつぼみ


ハクサンチドリ


雨で少し透明度を増したサンカヨウに出会えました。


ハクサンオオバコを見つけました!
亜高山帯の雪田地域の湿った草地に生育する高山植物で、しばしば群落を作ります。


よく見かけるオオバコに比べて葉が薄く柔らかいです。


コバイケイソウのつぼみがたくさん!
数週間後はヒナザクラに代わって花畑の主役になりそうです。


山頂に戻ってきました。昼食場所の陵雲荘へ向かいます。
山頂付では、ナナカマドとウラジロナナカマドをすぐそばで比べられるポイントがあります。
ウラジロナナカマドは葉が丸みを帯びていて、鋸歯は上半分に目立ちます。


対して、ナナカマドは葉の先が長くとがっており、鋸歯も全体的についています。


陵雲荘への道中の湿原もヒナザクラでいっぱい。


登山道沿いのノビネチドリ


ハクサンボウフウ


クルマユリのつぼみ


ゴゼンタチバナ
ちょっと虫食いでした(^^;)

コヨウラクツツジやオオバスノキも見られました。


八幡沼展望台より


陵雲荘への斜面で昼食です。


昼食をとっていると霧が晴れ、八幡沼の全体が見えてきました。


本日の「森の癒し弁当」。
山菜たっぷり!美味しくいただきました。

さて後半戦、八幡沼湿原を一周します。

陵雲荘の周りはミヤマキンポウゲとハクサンチドリに囲まれています。


ワタスゲ


チングルマ


ミズバショウ


湿原の白い春の中に、イワカガミやヒメシャクナゲのピンク色が見え隠れしています。


花の終わったチングルマ。風車のようないでたちがかわいらしい。


池塘にはミツガシワ


みくり沼のアオノツガザクラがたわわに(?)咲いています!


クロヌマハリイ


ベニバナイチゴ


シラネアオイ


ハクサンシャクナゲ


見返峠付近では、今にも咲きそうなニッコウキスゲが1輪。


ガクウラジロヨウラク


じつはすぐそばに、萼がないウラジロヨウラクもあります。


2つをよーく見比べて、写真をパシャリ。


見返峠駐車場へゴール!
山頂展望台改修前まで建っていた標柱が出迎えてくれました。


全体を通して霧の中を進むような行程で山々の眺望はあまりよくありませんでしたが、
実に数多くの花々に出会えました。
参加者の方からは「雨や霧がかえって良かった」「また来たい」といったお声をいただき、うれしい限りです。

八幡平山頂は今まさにお花畑です。写真に収まりきらない景観がそこにはあります。
梅雨時ですが、霧にけむり露に濡れた植物を眺めながらの散策もおすすめです。
肌寒いことが多いですので雨具や羽織るものをご準備の上、ぜひ足をお運びください。

(かさい)


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