ドリルを担いで大沼に向かっていますが、濃霧で何も見えません。
当日は沼を渡っていく予定ですが、沼の表面はジャクジャクのシャーベット状です。
ドリルで穴をあけ、氷の厚さを確認しようとしています。
昨年は、根元まで廻しても刃が貫通しなかったのですが、このあたりですでに手ごたえはありません。
岸の近くでの作業でしたが、70~80㎝の深さで刃に泥が付いてきました。
渡るには大丈夫だろうと思いますが、当日は迂回することにしました。
いつも見るヤチダモについた地衣類はとても立体的。
このブナについた地衣類は新しいもののようで、とって付けたかのようです。まだ木になじんでいません。
結氷していない沢水の注ぎ口は、コイがユラユラと泳いでいましたが、私たちの足音を感じ、大急ぎで隠れました。
大沼を覆う氷は水面から10㎝ほどしか出ていないようですが、水面下には1m近くも氷が隠れていました。
フクロウのペリットを見つけました。
消化されずに吐き出したものですが、骨のような白っぽいものがたくさん見えます。
近くに巣があるのかな、と思います。
グリーンシーズンは何気なく見ているところですが、岸から突き出した半島のようです。
半島(?)に渡ってみると、まわりが凍っているので陸続きの島が見えます。
オオシラビソ、ダケカンバ、コシアブラが生えています。
澄川はここで大きく蛇行して、左側から手前に、そして右奥のほうに流れています。
そしてブナの奇木。
クマの爪痕の中では、このオオシラビソに残っているものが一番迫力があります。
木から降りてくるときに、木肌に深く爪を突き立て、「ガガー」とやったものです。
縦長についているものは3本ですが、その上には親指と小指の爪痕も残っています。
このあたりは、「キタゴヨウマツ」の巨木が多いところですが、正面やや右側の木は一段と迫力があります。
足元に目をむけると、倒木の折れ口にいろいろなものがついていました。
コケ、マツの幼苗、オオシラビソの球果の軸、何かの根、ブナの葉、その他いろいろ。
周りは雪ですが、ここだけ違います。
先ほどから見てはいたのですが、「ニホンカモシカ」の新しい足跡です。
あっちの方に行ったのか。と見ていたら、
沼の東側から疾走するヤツがいます!
「ニホンカモシカ」が大沼を横断しています。
私たちの足音に気づき、途中からダッシュしたものなのでしょうが、中央に小さく写っています。
私たちが渡ることを断念したあたりから、沼を渡っています。
氷の厚さを測らなくても、瞬時に「大丈夫」と判断したのでしょうか。
湿原の雪がとけているところからは、ミズバショウとエゾノリュウキンカでしょうか、新芽がのぞいています。
雪は降りますが、毎年春が来ることに嬉しさを感じます。
まわりの木々も根開きが始まり、春が近いことを教えてくれているようです。
雪が少なかった大沼のミズバイョウなどの開花はいつになるのでしょうか。
楽しみです。
あべ