ずっと書きたかったこのカテゴリ!
今回は“手塚治虫の暗い作品”として知られる「ボンバ!」をご紹介します。「鉄腕アトム」や「ブラック・ジャック」など悪に立ち向かう主人公が多い手塚マンガの中では異色の存在かもしれません。

主人公・男谷哲は綺麗で優しい水島先生に想いを寄せていましたが、赴任してきた鬼頭先生が水島先生にプロポーズをします。鬼頭先生を憎む哲のもとに馬の幻“ボンバ”が現れ、鬼頭先生を片付けるよう命じたら本当に殺してしまいました。それ以来哲は自分が憎んだ相手を殺すようボンバに命じるのでした。
自分にとって害となる者を消したいと願うのは生き物の本能かもしれません(と思わずにはいられません)しかし憎んだものを(この世から)抹消しても根本的な解決にはなりません。
水島先生を事故で亡くした哲はついに街中をボンバに襲わせ暴走し始めました。
病理学を研究する山之口先生は ボンバの正体を突き止めていくうちに水島先生が哲に書いた手紙を見つけます。手紙を読んだ哲は自分の愚かさを憎み、ボンバはついに哲を襲いかかりました。しかし憎みにこそ愛(恋愛感情に限りませんが)で向かうべきだと思わせるクライマックスが待っています。
…あらすじほとんど書いてしまった笑
個人的な見どころは二人の美女の登場です♪
男性にモテまくって堕落していったマドンナの水島先生と、自分の身の危機を顧みず一人の患者を救おうとする山之口先生は対照的な女性といえるでしょう。
「ボンバ!」は1,970年に発表された連載マンガですが、この頃の手塚先生の絵が好きでよく読み返すお気に入りの作品です♪