(北川一雄)より
古い本で、ゲルマニウムトランジスタ全盛の頃 昭和46年より一部引用
口先で少しばかり高級な内容を説明できるよりも、簡単な初歩の技術でよいから、それを十分にマスタし、その技術で実際に製品を完成させる能力をもっているほうが、はるかに価値があることではないかと思います。
特に、エレクトロニクスの基礎となるトランジスタ回路技術は、この点が一番たいせつで、机上でトランジスタをいくら理解していても、いざ実技になると、ほとんどの場合そのままでは役に立たず、どうしても実際に自分の手で身につけた技術が必要になります。もちろん、理論もたいせつですが、わからなかったらすぐその場で実験してみるという実行力が一番役に立つのではないでしょうか。私は実験してみてうまくいったら、それでよいからすぐに実用にもちこむ、理屈は後からつけるということで十分ではないかと考えています。
このような考え方は、現在とてもたいせつだと思います。
ICやLSIやpicなど使うにしても回路や素子のイメージが思い浮かばないと、具体的に実現しにくい。たとえば、2sc1815、4558で
十分かどうかなどでしょうか。555で簡単にできるはずなのだが? また、素子の特性のばらつき、組み立てかたや半田付けにもよります。
よく思うのですが、最後までつくりあげようという何か熱意のようなものが必要だと思います。
この気持ちがあるときは、なんとか完成するようです。
そして、完成した充実感が次に繋がる原動力になります。
気持ちがのらなかったり、集中できないときは、簡単なものでもうまく動作しないことが多い。
長いこと電子工作をしてきて感じることです。
でも、好きなことが一番大事かな。