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Harmonia

こころとからだのバランスを・・・yoga&color&more・・・

07F1 後半戦展開予想・・・?

2007-07-02 23:23:37 | F1

昨日行われたF1フランスGP決勝は、開幕以来のライコネン優勝&今季初のフェラーリ1-2。シーズン折り返しを前に、フェラーリが反撃態勢を整えた模様。

また、ホンダはバトンの8位入賞で今期初ポイント獲得。こちらも徐々にマシンがよくなってきているようです。今シーズン中に1度は表彰台に上ってほしいところ。

 

例年F1グランプリが面白くなるのは、ここからだと思っています。

序盤3戦(だいたいアジア・中東ラウンド)はお披露目。ヨーロッパに移動してからの2~3戦は小手調べ。

カナダ&アメリカの北米ラウンドから徐々にバトルが始まり、再度ヨーロッパに戻ってきて、仏英連戦からいよいよ本格的にチャンピオンシップ争いが始まる。

 

開幕直後は、やはりどのチームもマシンは未完成。開発の余地があります。テストやレースを重ねて、さらに進化し、完成形に近づいてくるのが、だいたいシーズン半ば、8戦目くらいに行われるフランスorイギリスGPなんですよね。

開幕の時点で、ほぼマシンが出来上がっていて圧倒的に速いチームがいる年もありますけど、そういう年はだいたいそのチームが独走しちゃう展開。でもそこまで圧倒的に差がある年のほうが少ないです。

もちろんチームもドライバーも、いつだって、全力でバトルしてるんですけど、ある程度シーズンの流れが出来てきて、マシンも完成に近づいて、チャンピオンシップ争いが本格的に激化するのは、やはり英仏連戦の頃ですね。

 

さらに付け加えると、仏英からの第2ヨーロッパラウンド。ここで流れを掴んだ方が、終盤にかけてのチャンピオンシップ争いに有利。

今年はマクラーレンとフェラーリの争いになると思うので、ここからはその2チームを想定して書きます。

 

仏英連戦とヨーロッパ、ハンガリー、この4戦でポイント差がどうなるかが第一のポイント。

フランス終了時点でマクラーレンの25点リード。大きいように見えるけど、1レースで最大18点詰めることが可能なので、現時点での点差はひとつの目安。

とはいえ、第8戦まで表彰台に上った延べ24人中、マクラーレンでもフェラーリでもないドライバーはたった2人。今後もこの展開が続くとすると、フランス含めた4レースで、相手より15点多く奪った方はかなり有利。

マクラーレンがさらに15点アドバンテージを奪ったら、フェラーリはかなり厳しい。フェラーリが詰めるなら、最低10点は詰めておきたいところ。

ここでのポイント差の変動はマシン性能の差によるところが大きいので、広がるか縮まるかは、シーズン後半にかけてかなり重要。もっとも、リードしている側だったら、詰められさえしなければいいのかもしれない。

 

次のトルコは夏休み明け、その後のイタリア&ベルギーが連戦になるので、トルコを取った方が流れを掴みやすいかもしれない。

前の4戦を1勝3敗でトルコも落としたら厳しくなるし、3勝1敗でトルコを取ったらかなりのアドバンテージ。この頃になると、実際のポイント、プラス心理面にも影響が出始めるので、終盤にかけて精神的な余裕を築きたいところ。

そしてイタリア・ベルギーの2連戦。リードしていてもされていても、2連敗は絶対しちゃいけないところ。トルコ取っても、ここで連敗したら意味がない。逆に、連勝すればシーズンの流れが変わるかもしれない。

トルコ・イタリア・ベルギーの3戦は、特に最後の2連戦の結果が、シーズン終盤の展開に大きく影響するはず。

残り3戦で、ドライバーズは15点以内、コンストラクターズは20点以内であれば、まだまだわからないかなと。

 

そしてアジアラウンド、日本&中国。

この頃になると、ドライバーズタイトルの可能性があるドライバーも2人に絞られているのではないか。あるいは、「まだ可能性がある」と表現される3人目がいるかもしれない。

この2戦で、決定打は出るかもしれない。でも、チャンピオンが決まるかはわからない。

例えば去年、流れを持って鈴鹿に乗り込んできたミヒャエル・シューマッハは、決勝でリタイア。アロンソが優勝し、決定はしないもののこれがチャンピオンシップの決定打となった。

 

そして最終戦のブラジル。もしここで、フェラーリのフェリペ・マッサがタイトル獲得となれば、とんでもない大騒ぎになるんだろうけど。

・・・どうだろうね。

全17戦で争われる今年のチャンピオンシップ。

コンストラクターズのトップはマクラーレン。そしてドライバーズのトップはルイス・ハミルトン。

今のところマクラーレン勢がリードしているけど、ハミルトンが抜群の安定感を誇る一方、アロンソはいまひとつ乗り切れていない感がある。

逆にフェラーリはライコネンに復調の兆し、マッサも比較的安定している。そして、シーズンのここからがフェラーリは強い。

 

ハミルトンはどこまでチャンピオンシップをリードできるのか、その安定感を考えると、ヨーロッパラウンドの終盤までポイントリーダーでいる可能性はかなり高いと思う。

その間、フェラーリのマシン性能はどれだけ向上し、マッサとライコネンはどれほどポイントを重ねることが出来るか。

そしてフェルナンド・アロンソは?このまま終わるわけがない。どこかで覚醒するはず。

 

コンストラクターズは、最終戦までもつれ込む気がする。

でもドライバーズタイトルは?最後まで残るとしたら、ハミルトン・アロンソ・マッサ・ライコネンの4人の誰かなんだけど。

鍵を握るのはアロンソ。フェルナンド・アロンソがこのヨーロッパラウンドでどれほどの走りを見せ、結果を残すかで、チャンピオンシップの流れは大きく変わってくると思うのです。


F1トークDay in お台場

2007-04-30 23:51:39 | F1

F1カレンダーからイモラが消えた今年。

だけど4月から5月にかけての週末に、何もないのはありえない!というふたり・・・「F1 commentary net」主催のmakonenさんと私は、お台場海浜公園まで行ってまいりました。

お台場海浜公園。ここに何があるのかといいますと、フジテレビ・・・ですが、私どもの目的は昭和シェル本社のギャラリー。

昭和シェル石油は、フェラーリにレーシングオイルを供給しております。

そう、ギャラリーには、フェラーリのF1マシンが展示されているのです♪

Img_1956 F2004を目にするや、真っ先に駆け寄ったワタクシ。だけど、妙に新しい。

makonen氏によると、マシン自体は疑いなくF2004、だけどカラーリングは今年仕様とのこと。

「新しすぎてやだー」

と言うと、何故かmakonen氏爆笑。

壁には、今年のフェラーリチームの紹介と各グランプリのパネルが掲げられていました。

すでに終了したオーストラリア・マレーシア・バーレーンについてはレース内容と結果が、スペイン以降のグランプリは決勝日とサーキットのレイアウト図が記載されています。

Img_1955 序盤3戦のパネルを見ながら、今シーズンの展望を30分ほど。(会話は要旨です)

「言われているほど、アロンソとライコネンの対決になってないよね。何気にマッサがからんでくるんじゃない?ハミルトンの活躍ぶりはすごいけど、この先どうかな?」

するとmakonen氏

「マッサはウェットレースに弱いです。この先確実にウェットがあるから、そこで毎回ポイントを取り損ねる可能性があります。だから最後はやっぱり、アロンソとライコネンの勝負。但し、マクラーレンのマシンは去年の改良型。マシン開発ではフェラーリ有利。ハミルトンは、後半戦まで体力が続くかどうか。去年のロズベルグ(開幕戦FLも後半戦はまったく振るわず)の例もあるので、後半戦の失速に要注意」

意外とマッサに辛口評価が返ってきました。

「BMWに早く表彰台上ってほしいんだけど、どう?ニックは今年勝てそう?」

「表彰台はそろそろ行くでしょう。実力で勝てるサーキットもあると思いますよ。序盤戦は信頼性重視だったけど、この先スピードを追及したとき、マシンがもつかがポイント。」

「ホンダがよくなる見込みは?」

「・・・あのデザインだと、データ集めるのに時間かかるんですよねえ。」

などなど、その他ルノーやトヨタについても質問。両チームとも、マシン開発をしっかりした方がよさそうな感じ。

しまった、ウィリアムズについて聞き忘れた。

さらにギャラリー併設の喫茶店でお茶しながら、2時間半F1トーク。

私が持参した「F1速報PLUS F1熱狂時代[グランプリ・ノスタルジア 1987-1993]」がいいネタに。ふたりともF1を見始めたのがこの時期だったので、話題の種は尽きない・・・というか、makonen氏の知識が豊富なので、いくらでも出てきます。

「名車伝説」として、この時代サーキットを彩ったマシンが一挙掲載されているページを開いて、そのすべてのチームについて語ってくれました。

この頃はF1参戦チームが最も多かった時代。レースは下位チームの予備予選から始まり、予選も全マシン通過できるというわけでもない、厳しい時代。せっかくF1に参戦しても、全戦予備予選落ちというチームもありました。

何でそのマシンが参戦できたの?というほど性能が劣るマシンや、明らかに資金繰りに苦しむチームも相当数あったようです。

それでも彼らがF1に参戦し続けた理由。

「夢があったんだろうね」

プライベーターと呼ばれる、いわゆる個人のチームが多額の費用をかけてF1に参戦した理由。

F1に、参戦したいと思わせる、夢があったのでしょう。

まずは予備予選を通過して、予選も何とか通過して、決勝レースに出て、決勝を走っているうちに何かが起こってうまいこと1点取れるかもしれない。そしたらお金が入ってきて、また参戦を続けられる。

それは、いわゆるアメリカンドリームに近いかもしれない。世界最高峰の舞台に挑戦するという、夢と憧れがあった。各人がそれぞれ自由に夢を描いて、挑戦することが出来た時代。

そんな話の中で繰り返し名前の挙がったドライバーは、アンドレア・デ・チェザリス。

「壊し屋」として名高いドライバー。だけど15年もF1で走り続けられたのは、持参金だけじゃなく、やっぱり腕があったからだと。実際表彰台にも乗っているし、PPも獲得したことあるし。ただ、人よりクラッシュが多くて、その壊し方も個性的だったよねと()

だけど、最近はマンセルとかチェザリスみたいな強烈な個性持つドライバーいないよね。モントヤはもったいなかったなあとか。

あと、テストドライバーの話。長年フェラーリのテストドライバーを務めてきたルカ・バドエル。やはり彼なくしてフェラーリの栄光はなかっただろうし、もういい年だから、一度くらい実戦でフェラーリを駆らせてあげたい。願わくは優勝させてあげたいというのが私の主張。

makonen氏も、「一度くらいご褒美参戦があってもいいですね。バドエルはポイントも獲得したことがないですから。4位走行中にマシントラブルでリタイアしたときは泣いてましたよ」

92年国際F3000チャンプのバドエルも、もう36歳。

最後にF1グランプリの晴れ舞台でひと花咲かせてほしいのですが、果たしてチャンスは訪れるのでしょうか。

この後さらに場を移して、今度はお仕事の話も。

最後はお互い、日頃の疲れが残っていたため、かなりトーンダウンしてました。

だけどこの日、セナの話は予想外に少なかったです。

ブルーノの話題は出ましたが、セナについてはお互いほとんど語らず。

明日がセナの命日ということで選んだ日だったのですが、どうしてだったんでしょうねえ。


時の織物

2007-03-19 23:36:52 | F1

せっかく開幕したので、F1話でも。

makonenさんのコメントにもありましたが、セナが亡くなった時に後ろを走っていたのがミヒャエル。そのミヒャエルのマシンが白煙を上げて止まった時、側を駆け抜けて行ったのがアロンソ。

やっぱり繋がっているんです。先代の流れを受け継ぎ、次代へと続いていく。そうやって歴史は創られてきたはずだから。

キミ・ライコネンのFerrari移籍。私には、それがただの移籍とは思えなかった。

ミカ・ハッキネンを継いだ者が、ミヒャエル・シューマッハの跡をも継ぐ。

休養する(事実上の引退となる)ミカからマクラーレンのシートを譲り受けたキミが、今度はミヒャエル引退後のシートに座る。

90年代後半に最速を争ったふたりのチャンピオン。2000年の鈴鹿は、ふたりだけの超音速バトル。

彼らのシートを継いだ、ただひとりのドライバー。それがキミ・ライコネン。

2001年にザウバーで電撃デビューを果たしたときから、その速さは折り紙つきだった。

異次元の速さで走る者として、キミ・ライコネンは新時代に君臨するに違いない。

ミヒャエル・シューマッハのチームメイトであることが、純粋にプラスになったと思われる唯一のドライバー。それがフェリペ・マッサだ。

同じマシンでF1グランプリに臨んだのはわずかに1シーズン。

しかしフェラーリで1シーズンのテストドライバー経験と、ザウバーでの3シーズンの実戦経験。

ミヒャエルと共有した時間や経験は、周りが思っているより多いのかもしれない。

最後の挑戦を戦う「皇帝」を間近に見て、マッサが学び吸収したこと。

そのすべてを力として、マッサは今年ワールドチャンピオン獲得に挑む。

実現すれば、91年のアイルトン・セナ以来のブラジル人チャンピオン。久しくブラジル人が待ち望んできた新チャンピオンの誕生になる。

チャンピオンへの意志。誰よりも想いを背負っているのは、フェリペ・マッサかもしれない。

マッサの前任のフェラーリドライバーは、やはりブラジル人のルーベンス・バリチェロ。

セナが望みながらも叶わなかったフェラーリのシートを得た彼も、ワールドチャンピオンには今だ届かず。夢を叶えるため、バリチェロは今年も走り続ける。マシンはHONDA、RA107。

いまやアイルトン・セナと共に走った、唯一の現役ドライバーとなったルーベンス・バリチェロ。

前時代最後の光は、新時代をどのように照らすのか。

いつの世も、新時代を切り開いてきたのは、新しい力だった。

それは時として「異端」視された。

80年代のホンダとアイルトン・セナ。F1がヨーロッパ社会のものであった時代、アジアと南米から来た挑戦者は、明らかに異質な存在だった。

90年代のミヒャエル・シューマッハ。並外れた体力と、感情を表さないことで知られたドイツ出身の若武者は、「ターミネーター」と呼ばれ、その言動は時として生意気に映った。

しかし彼らは、意思と努力と才能で、一時代を築き上げた。

時代を受け継ぐのは、フェルナンド・アロンソ。

「F1ドライバー不毛の地」と言われたスペインから現れた、史上最年少チャンピオン。

かつてセナやミヒャエルが実力でのし上がってきたように、彼もまた自らの才能を示すことで頂点へ上り詰めた。

今年マクラーレンへ移籍したアロンソは、3連覇へ挑戦する。

チャンピオンシップ3連覇を達成したドライバーは過去にふたり、ファン・マヌエル・ファンジオ。そしてミヒャエル・シューマッハ。

それぞれ5回と7回のチャンピオン獲得数を誇る偉大なドライバーたちの後に名前を連ねることが出来るか。

 

そして彼らと同時代に走る、才能豊かなドライバーたち。

F1グランプリに携わるすべての人々。

彼らにもまた、それぞれの想いがある。その想いを胸に、彼らの人生を生きる。 

時代は巡る。

その時々に生きるすべての人々が織り成す時間が、やがて歴史となるだろう。


2007 Formula1

2007-03-17 23:54:23 | F1

すでに開幕しております。

本日の予選結果、PPはフェラーリに移籍したキミ・ライコネン。続いてマクラーレンに移籍したワールドチャンピオン、フェルナンド・アロンソ。台風の目となりそうなBMW、ニック・ハイドフェルド。大物ルーキーの呼び声高い、マクラーレンのルイス・ハミルトン。

開幕戦優勝の本命と見ていたフェラーリのマッサは、マシントラブルで16位。

ホンダもトヨタも振るわない中、日本勢のトップに来たのはスーパーアグリの佐藤琢磨。チームとして予選最高の10位ゲット。

とはいえ、毎年ヨーロッパラウンドが始まるまでは、様子見だと思っています。

それに今年はアロンソ・ライコネンが移籍、フェラーリの体制変化、レギュレーションの変更(エンジン回転規制とかタイヤワンメイクとか)、加えてハミルトン・コバライネンら大物ルーキーの参戦。

不確定要素が近年に比べると多いので、序盤は何が起こってもあまり驚かないと思います。

本音を言うと、ミヒャエルが引退したので、どこが勝ったの負けたのはあまり気にならなくなりました。

あえて応援するとしたら、ウィリアムズとBMWかな。次にホンダとフェラーリ。

ウィリアムズがトヨタの上に来たら、おもしろいですね。今年からトヨタにエンジンを供給してもらってるので。中嶋二世には特に興味ありません。

やっぱりフランク・ウィリアムズにもうひと花咲かせてもらいたいです。

メーカーが資金にものを言わせて、席巻するのは気に入らないので。

90年代の強さを取り戻してほしいです。

すると、メーカー系のBMWを応援する理由ですが、ここはドライバーです。

デビュー翌年の2001年、ザウバーに移籍したときからニック・ハイドフェルドには注目してました。

それに元々プライベーターのザウバーをBMWが買収したチーム。私は結構ザウバーが気に入っていたので、引き続き応援しようかなと。

ミヒャエルが引退した今年は新時代の始まり、なんて考えている人が多いだろうし、私もそう思っていました。

でも、いざシーズンが開幕してみると、それほど変化したようには見えない。

すでに時代は変わっていたのかもしれない。

アロンソが最年少チャンピオンになった瞬間から、時代は変わった。

そして昨年の鈴鹿、ミヒャエルのフェラーリ、248F1が火を噴いた瞬間、ひとつの時代が終わった。

過去の2シーズンは、新時代の序章。

いよいよ今年、第1章が始まる。

そんな感じでしょうか。

今まで見てきた15年間の流れを振り返りながら、これからどんな時代が始まるのかを予想する。

16年目のF1は、そんなシーズンになりそうです。


私が彼を選んだ理由

2006-10-25 00:02:47 | F1

結局、15年間ミヒャエル・シューマッハを応援していた。

同時代には、ミカ・ハッキネンやジャック・ヴィルヌーヴといった個性的で魅力あるドライバーもいた。彼らのことも好きだった。

だが、チャンピオン争いが絡んできた時、私が選ぶのは必ずミヒャエルだった。

最後に勝っていてほしいと思うのは、ミヒャエル・シューマッハただひとりだった。

挑戦の連続だった彼のF1人生。彼の挑戦する姿が好きだった。

91年、ジョーダンからの衝撃的デビュー。ベネトンへの電撃移籍。F1への挑戦の始まり。

92年、戦闘力の劣るベネトンで、マンセル&パトレーゼのウィリアムズとセナ&ベルガーのマクラーレンに挑んだ。走行妨害をしたとセナに殴られそうになったこともあった。デビューから1年で飾った初優勝。セナを抑えて選手権3位。未来のチャンピオンドライバーとしての才能を見せ付けた。

93年も1勝、来るべき時代が彼のものであることは誰もが認めていた。

そして94年・95年と2年連続でベネトンでワールドチャンピオンを獲得する。

そのベネトンを捨て、96年当時どん底にあった名門・フェラーリへ移籍。

97年にはチャンピオン争いを演じるも、ヘレスで開催された最終戦ヨーロッパGPで、ジャック・ヴィルヌーヴのウィリアムズに故意にぶつかったとして選手権成績を抹消される。

98年からの3年間は、ミカ・ハッキネンとの闘いだった。

レース中に骨折して2ヵ月半戦列を離れた99年。ミカ・ハッキネンが2年連続のワールドチャンピオン獲得。

そして2000年、遂にフェラーリで戴冠の時を迎える。

栄光を極めたF1人生。7度のワールドチャンピオン、通算91勝、68PP。

16年250戦走り続けて重ねた数字は、後世まで残る。おそらく誰も塗り替えることはかなわないだろう。

しかし、彼の挑戦はそれだけではなかった。

1994年5月1日イモラ。

超えるべき存在を目の前で失った。この瞬間から引退レースとなった2006年10月22日まで、彼の孤独な挑戦が続いたのではないか。

2001年にミカ・ハッキネンが引退すると、F1は彼の独壇場となる。

いったい誰が彼に対抗しうるのか。次代のドライバーたちの台頭はまだか。

そんな周囲を尻目に彼は勝ち星を重ねた。

実際、走れば勝てるのだから楽しかっただろう。しかしライバル不在の状態で、彼が記録だけを目標としてモチベーションを高く保ち続けられたとは思えない。

やはりその視線の先には、超えるべき存在があったと見るのが妥当ではないか。

そんなミヒャエル・シューマッハの最後の挑戦は、8度目の王座に就くことではなかった。

新世代のドライバーたちと、時を刻むこと。

かつて自らがピケやパトレーゼ、マンセル、ベルガーといった前世代の名手から教えられたように、次世代のドライバーたちに生の歴史を刻み込むこと。

彼はそれを、遂行した。

夢を掴むこと、困難に挑戦して成功すること、そのための強い意志と努力を継続すること。そして次代へ伝えること。

人間の持つ可能性を、ミヒャエル・シューマッハはレースを通して見事に体現してみせたといえよう。