ウインターカップでじんわりいい気分になって、その他雑事も片付けて、
すっきりした気分で新年を迎えるはずだったのに。
ミヒャエル・シューマッハのスキー事故。
当初はさほどのものではないとの報道が、一夜明けたら重体・危篤と。
ちょっと待って、話が違うと。
私にとって、F1=ミヒャエル・シューマッハと言っても過言ではない。
彼のデビュー翌年からF1を見始めた私にとって、F1は、次代を担うと期待されたひとりの若者が
英雄の悲劇的な死により背負うことになった過酷な運命を克服し、ワールドチャンピオンとなり、
「皇帝」と称されるに至った後、次の世代の台頭によってその時代を終えるまでの物語。
ミヒャエル・シューマッハは、いわばその叙事詩の英雄。
まさかこんなことになろうとは。
アイルトン・セナの事故死を想起した人。
セナに追い返される、セナが追い返してくれると祈る人。
1994年5月1日の悲劇。
二度とあの時のような思いはしたくないと。
F1での事故ではなくスキーでの事故なのに多くのファンがそう思ってしまうのは、
アイルトン・セナとミヒャエル・シューマッハをつなぐ運命の鎖ゆえ。
いや、よもやあの日から19年7カ月を超えてなおもつながっていようとは、誰が考えただろう。
であれば、きっと、ミヒャエル・シューマッハは生還する。
ある意味セナと対極であることを定められた人だから、後遺症は残るかもしれないけど、
きっと生還する。
そう信じている。
人生いつどこで何が起こるか分からない。
当たり前のことが当たり前ではない。
今、生きてここにある幸福。
そんなことを最後に思った2013年。
来たる新年、どうか世界に多くの光がもたらされますように。