本日のキーワード?合言葉?
「頑張れ、ふーみん」
私も、佐藤トシが怪我(アキレス腱?)で今季絶望との情報を得て、大ショックを受けた一人です。
やっと、やっとその実力を広く認められるようになったのに、この大事な時期に戦線離脱なんて・・・。
トシのことはJBLデビューイヤーから見ていますが、その頃から巧かった。
どういうわけかずっと控えだったけど、ほぼすべての試合に出場し、キャリアを重ねてさらに巧くなった。
プレイイングタイムが増大した今年、ようやく表舞台で高い評価を得られるようになった。
間違いなく、今シーズンのベストプレイヤー。
日本で最も巧さを持つガードであり、次回の日本代表に選ばれて然るべき選手だったのに。
今はただ、怪我の完治と完全復活を祈るばかりです。
トシの怪我で、今シーズン残りの試合、日立の司令塔を担うことになったのが、ルーキーの西村。愛称ふーみん。
西村のことも東海大の頃から見ているから、ルーキーといえどそれなりに活躍するとは思っている。
だけど、トシの代役となると話は別で。
西村自身の負担、さらにフォローに入るであろう他のプレイヤー。
日立にとっては、トシの存在の大きさと、総合力が問われるシーズンになってしまったかなと。
ただ、西村にとってはチャンスでもある。
少なくとも、プレイオフ争いのかかったシーズン終盤、そしておそらくは進出するであろうプレイオフは、ルーキーにとってはこの上ない経験になる。
その中で、どれほどのことができるのか。
経験は、西村自身の成長の糧となるだろう。
だが試合の中で残した結果は、今の彼の評価に直結する。
その結果如何では、次世代の日本代表の司令塔への道が大きく開けることになるだろう。
そこで、「頑張れ、ふーみん」なのである。
ちなみに私、西村ファンではない。
でもこういうプレッシャーのかかる局面、だけどチャンスにもなりうる局面で、彼がどこまでできるか。そしてその結果どのような未来を手にするのか。
非常に興味がある。もしかしたら、これをきっかけに大化けするかもしれない。
なので、「頑張れ、ふーみん」なのである。
以上、長すぎる前置き。
今週対戦相手の三菱。
個々の能力はあるものの、怪我人続出で散々なシーズンを送っている。
が、シーズン終盤になり、調子は上向いてきた模様。
プレイオフ進出のためにも、日立は負けたくない相手だったのだけど。
三菱のDFが崩せなくて、外でパスを回しているうちに時間が過ぎていく。
インサイドが抑えられているから西村が自分でシュート打つけど入らない。
譲次のシュートがまったく入らないというのが痛い。
逆に三菱はカジがいい。1on1あり3Pあり。
インサイドも譲次が苦戦。ていうか、抑えきれていない。
にも関わらず、接戦になってしまうのが今の三菱の実力なんだろう。
どこか噛みあっていない日立を、突き放せない。
これはこれで問題。
上山のプレイイングタイムが大きく伸びたということはないようだけど。
どうしても、西村のサポート役に見えてしまう。
愛知学泉大以降、そのキャリアのほとんどを小野HCと共に過ごしてきた上山。
どうすべきかをもっとも心得ているプレイヤーだから。
彼がキープレイヤーとなる局面も出てくるのだろうか。
菅も、やや西村を気にしているように見える。
微妙に変わるバランスが、どう影響していくのか。
後半、疲れの見えてきた西村。
でも、小野HCは変えようとしない。
目先の試合にこだわるのであれば、西村をいったん下げて、上山に任せるという選択もあるだろう。
だけどこの試合、小野HCはそれをしなかった。
この人のいいところかな、と思う。
残り2週、日立の相手はパナソニック、そして栃木。プレイオフを争う相手。
そして西村は、木下次いで田臥と対峙しなければならない。
ルーキーには荷が重い。
でも、今の日立には西村しかいない。そのことは、西村自身もよくわかっているだろうから。
西村の変化を追いたくなり、次週、枚方まで行こうかと真剣に考え・・・断念する。
しかし西村のことはこれから追っていくべきだろう。
なんだかんだで、3点差で三菱の勝利。
正直、前日に比べると面白味に欠ける試合であった。
ただこの試合、もっとも大切な場面はこの後にある。
試合終了後、両チーム選手が握手を交し合う。
日立の選手とひととおり握手を交わした後、ただひとり、梶山はベンチでトレーナーの治療を受けている菅のもとに駆け寄って声をかけた。
友人同士だから、不思議ではない場面。
しかし友人でなくても、梶山は声をかけただろう。
そう思わせたのが、次のシーン。
チーム全員で、ベンチ上のファンに挨拶した後。
梶山は、180度周ってコートへ、そして日立ファンへ向かって、軽く頭を下げた。
その振る舞いに、感銘を受けた。
この人は、本当にファンへの感謝の心を持っている人なんだと。
チーム問わず、JBLを応援するすべてのファンに対して、来場してくれること、支えてくれることの感謝の念を抱いているんだと。
でなければ、わざわざ振り向いて一礼などしないだろう。
こういうことは、口で言ってできるようにするよりも、本人の心の問題。
だけどこういうことができる人は、どんな道を歩んでも、きっといい人生を送れる。
なかなか勝てないチームで、だけど日本のバスケを盛り上げるために頑張っている梶山。
彼の思いが報われる日が来るといいな。