goo blog サービス終了のお知らせ 

回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

ヘンリー8世をめぐる誤解?

2015年01月21日 09時49分07秒 | 日記

離婚するためにローマ法王庁から破門され、イギリス国教会を設立したヘンリー8世は生涯に6人の妻を娶った(うち2人は処刑)というのがチューダー朝の歴史の通説となっているがそれに異を唱える説が出てきた。合わせて、ヘンリー8世にまつわる所説についても誤りがあるという。オックスフォード大学のDiarmaid Maccullochによれば、通説は全くの誤りで、

1、ヘンリー8世は3度しか結婚していなかった。あとの3人とは、結婚は無効だったという。したがってもしヘンリー8世に何度結婚したかと聞けば3度だけだ、それ以外は完全に無効だ(すなわち結婚はしていない)と答えるに違いない。結婚が無効だったということは単純に別離を宣言すればよいだけ。

2、では、いずれにしても6人の女性との関係は、ヘンリー8世が女好きだったからかというと、当時の貴族は多くの愛人を囲うのが通例であり、ヘンリー8世はそのような愛人を作らず、きちんと結婚したという意味では節度があったといえる。

3、ヘンリー8世は梅毒には罹っていなかった。通説では。彼が梅毒のために後年、精神的に異常をきたしたということになっているが、Diarmaid Maccullochによれば、若い時分の槍による試合で、槍の先端の一部が体内に残り、それが激痛をもたらして彼の性格の変化につながったのではないかという。

そのほかにもいくつかの誤りが指摘されている。たとえばその時の貴族はきれいな歯をしていた(言い伝えでは歯科衛生は当時極めて貧困だったといわれている)。それは当時は砂糖をほとんど食べなかったためと思われる。

一方、言い伝えとして正しいと思われるのは、ヘンリー8世の2番目の妻でその後不義密通・魔女ということでロンドン塔で斬首された、後のエリザベス1世の母、アン・ブーリンの右手の指が6本あったということだとDiarmaid Maccullochは言う。もっとも、きちんとした指が6本があった多指症ではなく、何らかの手の変形であろうと(多合指症)いうことだが、この説は誤りとは言えないという。

ヘンリー8世を中心とするチューダー朝はイギリス史のなかでももっとも興味をひかれる時代だが、まだまだ分からないことが多く、事実よりも伝説のほうが支配しているようだ。

 

http://www.telegraph.co.uk/culture/tvandradio/11358279/Henry-VIII-didnt-really-have-six-wives-why-everything-you-know-about-the-Tudors-is-wrong.html

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「this knife will become your nightmare」

2015年01月20日 19時07分54秒 | 日記

ナイフを振りかざす聖戦士ジョンがまたユーチューブに現れた。今度は日本人二人の殺害予告で、3日以内に2億ドル支払わなければ日本国民及び日本政府にとって「this knife will become your nightmare」。イギリス風の英語を話すジョンはイギリスでももっとも有名なテロリストの一人。これまでも彼によってアメリカ人、イギリス人が殺害されている。今回のニュースは英国でも大々的に報道されている。

http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/islamic-state/11356608/Islamic-State-threatens-to-kill-Japan-hostages.html

http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/isis-threatens-to-kill-two-japanese-hostages-unless-government-pays-200m-ransom-9989256.html

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

答えのない問い

2015年01月19日 16時57分32秒 | 日記

ロンドンに在住の古い友人の一人とは年に数回、東京とロンドンで会っている。お互いの家で夕食をとりながら共通の関心事をじっくり話すのが通例。そんな友人から先日のパリでのテロ事件が日本ではどのように受け取られ、また、報道されているのだろうか、という質問がEメールであった。イスラム教徒である当人の受けた衝撃は大きいものがあったろう。

この事件は、日本ではあまり臨場感を持っては受け取られなかった。アルジェリアでイスラム過激派に襲われ日本人が10名落命した事件のほうがはるかに大きく報じられたように思う。また、今回襲撃された新聞社の、諷刺画も日本ではなじみが薄い。ましてや、諷刺と世俗主義とのかかわりについても。フランス革命の一面が世俗主義にあったことも今回の事件へのフランス国民の反応に表れている。したがって、今回の質問に対しては、今度会う時に話をしよう、ということにした。一日二日を争うようなことでもないし、簡単にメールにできるようなものでもない。さらに言えば、この事件についての何かはっきりした答えというものはないのではないかとさえ思う。

ところで、英紙インデペンデント電子版を読んでいたら、フィリピンを訪問中のローマ法王に対して地元の12歳の少女が、「多くの子供たちが麻薬や売春に巻き込まれている。何故神はこういうことが起きることを許すのか?子供たちには何の罪もないのに」と泣きながら問いかけたという。この少女の問いに対し、法王は自分の母国語であるスペイン語で答えたというがどう答えたのか、その内容は記事には見当たらなかった。

http://www.independent.co.uk/news/people/news/pope-francis-embraces-girl-after-she-asks-why-does-god-allow-children-to-become-prostitutes-9985855.html

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シベリウス生誕150年

2015年01月18日 16時13分10秒 | 日記

昨日、フィンランドのArabiaのことを書いていたら、今年がシベリウス生誕150年にあたることに気が付いた。たぶんフィンランドではこれを記念して多くの行事が行われるのだろう。ロシアとスエーデンの狭間で翻弄されてきたフィンランドにとってシベリウスは独立運動を精神的に支えたまさに国民的英雄といってもよい存在。フィンランドに行くようになったのは1980年代初めだったが、そのころはまだ政治的にも経済的にもソ連の影響下にあり、経済は沈滞し国民のアルコール中毒が大きな問題になっていた。その後、ソ連の崩壊とそれに伴う一時的な経済・金融危機を乗り越えて、今やユーロ圏の中では比較的順調な方ということでまさに今昔の感を強くする。真冬にヘルシンキに出張したとき、夜中に地鳴りのような音がして翌朝、ホテルのフロントに聞いてみたら、ヘルシンキ港が凍結しないように砕氷船が夜中じゅう港内を移動しているのだと教えられた。その日は頭が割れるような痛みを感じる寒さだったので港の市場でミンクの毛皮でできた帽子を買った。日本に戻ってからはこれをかぶる機会もないのであまり傷んではいないと思う。

当時空港の免税店で買ったフィンランドを代表するウオッカ、Finlandia.アルコール度50%は確かに高い。こんな強い酒を飲んでいたら体に悪いだろう。買ってから20年以上、少しづつ蒸発しているのだろうか、まだ開栓していないのに少し減ってしまったように思える。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

猛吹雪

2015年01月17日 18時55分35秒 | 日記

昨年は歴史上、もっとも暑い一年だったという報告がNASAやNOAAからなされた。日本はそれほどでもなかったように記憶しているが、世界的には気温が上昇しているのだろう。

一方、今日の札幌の吹雪は相当なもの。飛行場は一時閉鎖され、多くの航空便がキャンセルになっていまや麻痺状態。アメリカ、イギリスでも悪天候が報道されている。ますます狂暴化する世界の気候。大学受験生が明日のセンター試験を無事受験できるか心配だ。天候の悪い地域の首長は受験生のための交通手段の確保に全力を傾けるべきだ。

雪をかぶったフィンランドの民家(Arabiaというフィンランドの陶器)。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする