20世紀を代表する人物の一人が今日死去。来るべきものが来たという事だが、やはり喪失感は大きい。次にマンデラ氏のような人物が登場するのは何時のことだろうか。
マンデラ氏が釈放され、経済制裁が解除されることになってから何度か南アに出張した。1994年ころ、ロンドン駐在中に夜行便で移動するのだが、時差がほとんどないため効率の良い出張だった。いつもヨハネスブルグ郊外のサントンにあったサントンサンホテル(かつては白人専用)を定宿として毎日、面談のためヨハネスブルグのダウンタウンまで移動した。ヨハネスブルグは標高が1800㍍ほどで、平地より気圧の低いのが若干気になったものだ。10月に出張して首都プレトリアまで足を延ばしたとき、丁度満開だったジャカランダの紫色の、圧倒的なスケールと美しさに息を呑んだことを思い出す。
南アの厳しい歴史を思うとこんな感傷的なことをいうのは憚られるが、あのジャカランダの街路樹を見て大いに癒された。そして、全く個人的にマンデラ氏から連想するのはジャカランダの紫色である。