広重の東海道五拾三次には、宿場そのものよりもその近くの名所が描かれる。日坂で描かれるのは三大難所といわれる佐夜峠。ここで描かれたのは「夜泣石」。山賊に殺された妊婦が産み落とした赤子を慕ってこの石が夜泣きしたと伝えられている。webサイト日本伝承大鑑には次のように紹介されている。「小夜の中山に住むお石という臨月の妊婦が菊川からの帰り、この丸石のあたりで腹痛に見舞われうずくまっていたところ、轟業右衛門という男が介抱したが金に目がくらみ、お石を斬り殺して金を奪って逃げた。その斬り口から子供が生まれ、お石の魂は丸石に取り憑き毎夜泣くために、この石は“夜泣石”と呼ばれるようになった。生まれた子供は音八と名付けられ、近所の久延寺の住職が飴を食べさせ育て、やがて大和の刀研ぎ師の弟子となった。ある時一人の侍が刀を研ぎにやってきた。立派な刀だが刃が少しこぼれている。音八が訳を聞くと、昔小夜の中山で女を一人斬ったという。この侍こそが轟業右衛門であり、音八は見事母親の仇を討ったという。」
描かれているのは、空駕籠を持って登る駕籠かき。下る旅人。「夜泣石」を眺める人達。幾重にも重なる山のたたずまい。さまざまな情感が漂う風景になっている。
30秒の心象風景16571・日坂~東海道五拾三次~
https://youtu.be/mEm70RThVZ0
描かれているのは、空駕籠を持って登る駕籠かき。下る旅人。「夜泣石」を眺める人達。幾重にも重なる山のたたずまい。さまざまな情感が漂う風景になっている。
30秒の心象風景16571・日坂~東海道五拾三次~
https://youtu.be/mEm70RThVZ0