空(hanul 하늘)風(palam 바람)湖水(hosu 호수)2……青空を吹きぬける風が、湖水にさざ波をたてる。

私たちの暮らしは、美しい自然と共生をとりたい物です。そんな日々の暮らしで、感じたことを綴ります。

熟柿お好きですか?

2023-11-07 07:27:48 | 日記

私果物の偏食があります。

秋の「皮をむいた梨」と「熟柿」は大好きですが、他はあまり食べません。

朝ヨメさんに、「バナナ食べや」と言われてから食べます。

これからのみかんなど、「いらない」と断ります。

韓国でブラブラしてる時、朝の散歩タイムに、農家の大姉さんにもぎたての柿をいただきました。

しばらくして気がつくと、熟柿になっていました。

汁をこぼさないように、神経を使って食べました。

《熟柿》の俳句

美しく爛熟した柿の実。甘柿よりも渋柿が、却って甘い。

朝などは冷たさと甘さが歯に沁みる。晩秋の感の焦点。

・切株におきてまつたき熟柿かな   蛇 笏

・もみがらのささつてをりし熟柿かな   静 雲

・熟柿落つ雲の身近しここは飛騨   草 堂

横田正知編「写真 俳句歳時記秋」現代教養文庫より

 

谷口 璽照さんのコメントです。

熟柿の味 (谷口璽照)

 これは、臨済宗の松原泰道和尚(平成21年、101歳にて寂)から直に伺った話ですが、和歌山に堀江嵐外という住職で俳句の上手な人がいました。あの「泣く子も黙る鬼叢林(そうりん)」と恐れられた、美濃は伊深(いぶか)正眼寺の専門道場で修行に打ち込んだだけあって、生活を経ての禅境というか、格調の高い俳句を詠まれた方だったそうです。
 或る時、檀家の婆さんから「息子が嫁をもらったので、嫁と姑の間がうまくいくような俳句を作ってくれないか、お守りにするから」と頼まれたそうです。
 嫁と姑、永遠のテーマです。「歯抜け婆々 嫁を噛む歯は別にあり」なんて川柳がありますが、そのときに嵐外さんが作ったのが、「入れ歯して なじみそめたる 熟柿かな」。
「入れ歯して馴染みそめたる熟柿かな? 和尚さん、どうしてこれが嫁と姑が仲良くする句なんですか」
「なあ、婆さんや。入れ歯というのは嫁と姑のように、なかなかうまくいかんもんだな。よく熟した柿でも、歯がないと食べにくい。入れ歯をしても、噛み合わせが悪かったり歯茎が痛かったりして、うまく噛めないだろう。もともと自分の歯でないから、食べても味が違う。でも、我慢して食べる。入れ歯は婆さん、自分の歯じゃないだろう。他所(よそ)からもらっただろう」
「他所からもらった? じゃ和尚さん、嫁は入れ歯か」
「そうや。婆さんの入れ歯も、生まれた時からの歯と同じように思ったら、それは無理なんだよ。歯医者さんの治療にも限界がある、その入れ歯に慣れるしかないんじゃ。そこはお互いに馴染むことが大切で、馴染んでいくと自然に人間関係がうまくいく、家の中の味もようなるんや。それが、熟柿の味がわかってくるということなんだよ」
「入れ歯して なじみそめたる 熟柿かな」》

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お火焚(ひたき) | トップ | 今日は立冬 »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
熟柿の味 (谷口璽照)
2023-11-06 20:47:53
 これは、臨済宗の松原泰道和尚(平成21年、101歳にて寂)から直に伺った話ですが、和歌山に堀江嵐外という住職で俳句の上手な人がいました。あの「泣く子も黙る鬼叢林(そうりん)」と恐れられた、美濃は伊深(いぶか)正眼寺の専門道場で修行に打ち込んだだけあって、生活を経ての禅境というか、格調の高い俳句を詠まれた方だったそうです。
 或る時、檀家の婆さんから「息子が嫁をもらったので、嫁と姑の間がうまくいくような俳句を作ってくれないか、お守りにするから」と頼まれたそうです。
 嫁と姑、永遠のテーマです。「歯抜け婆々 嫁を噛む歯は別にあり」なんて川柳がありますが、そのときに嵐外さんが作ったのが、「入れ歯して なじみそめたる 熟柿かな」。
「入れ歯して馴染みそめたる熟柿かな? 和尚さん、どうしてこれが嫁と姑が仲良くする句なんですか」
「なあ、婆さんや。入れ歯というのは嫁と姑のように、なかなかうまくいかんもんだな。よく熟した柿でも、歯がないと食べにくい。入れ歯をしても、噛み合わせが悪かったり歯茎が痛かったりして、うまく噛めないだろう。もともと自分の歯でないから、食べても味が違う。でも、我慢して食べる。入れ歯は婆さん、自分の歯じゃないだろう。他所(よそ)からもらっただろう」
「他所からもらった? じゃ和尚さん、嫁は入れ歯か」
「そうや。婆さんの入れ歯も、生まれた時からの歯と同じように思ったら、それは無理なんだよ。歯医者さんの治療にも限界がある、その入れ歯に慣れるしかないんじゃ。そこはお互いに馴染むことが大切で、馴染んでいくと自然に人間関係がうまくいく、家の中の味もようなるんや。それが、熟柿の味がわかってくるということなんだよ」
「入れ歯して なじみそめたる 熟柿かな」
返信する

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事