【子規365日】■7月2日
松島の風に吹かれん単(ひとえ)もん 1893(M26)年
夏井いつき【子規365日】朝日文庫
松島 イメージ
『旅を愛し「歩く人」とも評された正岡子規。俳句革新を目指す明治26年(1893)夏、
俳聖・芭蕉の「おくのほそ道」の足跡をたどり著した句入り紀行集「はて知らずの記」。』
今日2日から6日までは、その旅で詠まれた句が続きます。
瀬戸内寂聴・齋藤愼爾「生と死の歳時記」知恵の森文庫 より 《芭蕉》
《単衣》の俳句
裏地をつけない着物。盛夏の頃の上布・絽・明石・麻帷子も単物。
・地下鉄の青きシートや単衣(ひとえもの) 汀 女
・緑にきてちらつく蝶や単衣裁(た)つ いち子
横田正知編「写真 俳句歳時記 夏」現代教養文庫 より
谷口幸璽さんのコメントです。
《Unknown (谷口幸璽)
ながらく月刊誌の俳句欄を担当した。選者は中村汀女。選者となって25周年目と35周年目に、その記念インタビュー記事をまとめた。すると、辛辣な指導で恐れられていた鬼編集長から、その原稿と共に私の机に「確実に上達している。努力の賜物」というメモが置かれていた。俳句のほうは、ちっとも上手くならず、佳作にも選ばれることは二度しかなかったが、談話筆記や記事は誰にも負けないという自信がついたのも、謂わば汀女先生のお陰だったのかもしれない。》