はんたろうのがらくた工房

えーと、えーと…。

電気剃刀

2006-05-15 21:06:00 | その他
20年以上も前に買った松下の電気剃刀がある。

18歳の私が、大阪に進学して一人暮らしを始めたときに、日本橋の電気屋街で買い求めた、初めての自分の電気剃刀だ。

充電式のものも少なからず出回っていたが、コードのついたものを選んだ。
道具を買い求めるときには、極力余計なもののない、シンプルなものを選ぶ主義である。
下宿にはコンセントがあるのだから、使う時にプラグを挿せばよいのであって、コードレスで使いたいが為にあらかじめ何時間も充電しておくなど愚かしいことである、と、若造なりに考えて選んだことを、克明に覚えている。


やがて大学を出て、就職して、結婚して。
シート状の外刃を2度交換して、ずっと使っていた。
べつだん不満もないから、買い替える気にもならなかったし、なにより単純な構造であるから、故障することがなかった。


それが、数年前、遂におかしくなった。

使っていて、突然止まる。

本体を傾けたり、コードを揺らしたりすると動くから、コードの断線らしい。

たいそう古い機種であるから、もうコードも売っていない。
その頃には、コード式のものは市場からすっかり駆逐されていたのであった。



新しいシェーバーを買った。
充電式だが、致し方ない。
それでも、古い電気剃刀は、なんとなく捨てずに取っておいた。



さて、数年前に引退したもののことを、何故だらだらと書いているかというと。



新しいほうのシェーバーの外刃が、数年の使用の末、先日、欠けた。
電器屋に行ってみたが、刃の在庫がない。



それで、古い電気剃刀を修理する気になった。



ひさびさにコードを繋ぎ、スイッチを入れてみる。

動かない。
まぁ、当然である。

最後に使った頃のように、コードをいろいろひねくってみる。

動いて、止まって、また動いて。

その様子から、断線箇所は本体側の付根付近とあたりをつけた。



カッターナイフで被覆を切り、銅線を露出させる。



ぼろり。



片方の銅線の束が、みごとにちぎれていた。



ガレージの道具入れから、はんだごてと糸はんだを持ってくる。
こちらも学生の頃に使ったきりだから、20年ぶりである。

昔からはんだ付けは苦手だったが、まぁ銅線が繋がればよいので、えいやあとはんだを流す。

絶縁のビニールテープを巻いて、作業終了。

ついでだから、ブラシで構造部分の汚れも丁寧に落としておく。



ふたたびコードをコンセントに挿し、スイッチを入れる。



ぶぅん。



交流100Vの余裕か、ベテランの渋味か、このところ使っていた充電式のシェーバーよりも音が静かである。



じょりじょりじょり。



もちろん、ひげもきちんと剃れるわけである。

すばらしい。

これなら、この懐かしいひりひり電気剃刀でひりひり足りてしまうひりひり
今のヤツの替え刃をひりひり買わなくてもひりひりかまわないではないかひりひり…。

わあっ、剃ったあとが強烈にひりひりする。

…そういえば、こっちの刃も相当に古いのであった。

ああひりひり。


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