閉園が近づいて、食事の時間になった。
リンリン翁がのっそりと起き上がり、開いた扉をくぐって、ゆっくりと隣の部屋へやってきた。
ジャイアントパンダのリンリンは22歳。
高齢のため、繁殖というお役目も解かれ、広いパンダ舎で昼寝三昧の余生を送っている。
この日の食事は、にんじん、さつまいも、かき、とうもろこし、さとうきび。
リンリン翁は、まっさきにさとうきびを手にとって、かじり始めた。
やっぱり、甘いものが好きなのだろう。
同じ時、もうひとつ隣の部屋では。
おーい。腹減ったぞー。めしはまだかー。はよ持ってこーい。
近いうちに、再会してきます。
いぶし銀の渋さがありましたよ。
ぜひ、会いにいってあげてくださいね。