ただおの不定期日記

主に映画の感想など。たまに違う話題も書くかもしれません。

山崎貴監督おめでとうございます!

2024-03-11 22:49:36 | 映画

 

ゴジラ-1.0で、第96回アカデミー賞視覚効果賞受賞!本当におめでとうございます!

でも個人的には、この吉報を聞いて思い出すのは映画「ALWAYS 三丁目の夕日」なのだ。というかその、長い1カットのオープニング。ここにこそ、山崎監督の心意気が詰まっていると思ったのだ。

東宝のロゴがラジオに切り替わり、そこから長いカットが始まる。

どんどんカメラがバックしていき、鈴木オートの引き戸を通り抜けて外へ出る。これはメディアで観たが、当時やはりこれはロバート・ゼメキス監督の「コンタクト」を思い出した。お、やってるな(ニヤ)。

しかしこの後、一旦カメラは帰って来る子どもたちを捉え、その子どもたちに今カメラが通り抜けた(つまりはCGだと思った)引き戸を開けさせる!

そして母役の薬師丸ひろ子とのテレビのくだりがあり、子どもたちはヒコーキを飛ばそうと外へ行く。

ここからカメラはヒコーキを追い始め、

空を舞い、路地へ降りてくる。

そしてヒコーキを追いかけてきた子どもたちに導かれ、電車の通る大通りへ。

遠くに建設中の東京タワーが見える。

ここまで観たとき、自分は知らず涙を流していた。それは監督の大きな心意気を感じたから。ヒコーキが舞うのは、これもゼメキス監督の「フォレスト・ガンプ」を思い出した。あれは白い羽根が舞うカットが話題になっていた。

このながいワンカットは、単に真似やオマージュを超えて、むしろ挑戦状なのだと感じられたのだ。心意気を感じたとはそういう意味だ。だからこそ泣けてしまったのだ。

もちろん山崎監督はこれがスタートではないし、常に挑んできたんだろうと思う。ゴジラ-1.0 でオスカーという快挙を成し遂げた今、この挑戦が大きな実を結んだのだと感じずにはおれない。

改めて、心より、おめでとうございます。


ほかげ 監督舞台挨拶

2024-02-05 12:02:18 | 映画

地元映画館に塚本晋也監督が舞台挨拶に来られるということで上映も含め見に行きました。

戦後の混乱期、半焼けになった居酒屋で商売している趣里さん演じる女と、森山未來演じる復員兵、店に居着いてしまう子供がメインで登場人物も少なく小さな作りではありますが、戦争の悲惨さ、その傷跡を感じさせる素晴らしい映画でした。

もともと「野火」の後に、「闇市企画」として大きな規模の映画を構想されていたのが、コロナもあり実現できず、それならいっそ小さくしようと作られたそうです。

冒頭、音の演出がつけられていて、「野火」を思い出しつつも、見ていくにつれ、これは想像力を使わないといけない映画なのだなとわかってきました。登場人物だれもが戦争を影を引きずっていますが、直接的な描写はいっさいなく、観客は脳内で想像するしかないのですが、十分悲惨さを突きつけられます。それを表現する役者さんもさすがです。

この大人二人と子供一人という設定や話の内容もどれもが効果的で流石は塚本監督と思いました。観客とのQ&Aでもいろいろ資料にあたったりそれを元に考えたりと緻密に組み立てられていることを感じました。

私は見ていて、この大人二人の背中が妙に印象に残りました。それは子供が配されていたからこそかもしれません。考えてみれば、やはり子供は大人の背中を見るものだろうし、子供は大人二人の目撃者役でもあるわけです。彼がそこから何を受け取ったのかはわからないけど、最後の子供行動に感動させられるのは、やはり希望を見たいと思ってしまうからだろうと思うのですね。

ラストもある映画を思い出させて秀逸と思いました。

作りは小さくても、こちらに渡されるものはけして小さくない映画でした。


ネットワークプレーヤー2修理編

2023-11-23 17:18:02 | 映画

ということでコンデンサが怪しいとなったプレーヤー。秋月電子でニチコンのオーディオグレード1000uF25Vを注文。数があまりないそうで一個づつの注文にしてくれと。まだ電子部品不足をひきずってるのでしょうかね。

ともかく、3日ほどで届きました。

金色でカッコいい。

で基板を外します。

コネクタとネジを外します。背面の接続端子部分にも結構ネジが使われているのでなかなか外すのが大変。無事はずせました。

やはり膨らんでいる・・・

裏返して、ハンダゴテで溶かしはんだ吸い取り機で吸い取ります。GND側はやはりちょっと溶けづらい。

はんだ作業は両手を使うので写真はありません。

25V品なのでデカい。外したやつと並べたところ。

ちょっと手こずりましたが無事交換完了。

組み立て直して電源をつなぎます。

LEDがついた!初めはつきませんでしたがコネクタが一つキチンと刺さっておらず。差し直したら点きました。電源ボタンを押すと・・・

キター。というわけで修理完了。

この写真の上側がアナログ出力基板ですね。ディスクリートやん。

全体に造りがしっかりしてる感じがします。ネジも多めな気がします。ところどころ銅製のネジが使われてたり、ケーブルもちゃんと縛ってあったり、フラットケーブルにフェライトコアが付けてあったり、やはり音質重視なんでしょうね。

カバーを戻して繋ぎ直し、ちゃんと音が出ました。めでたしめでたし。

コンデンサ1個で電源入らなくなるんですね、ってどこかのブログでも書かれてましたが。電源ボタン押しても反応がなくなった時はちと焦りましたが、ヨカッたー。


ネットワークプレーヤーが!

2023-11-19 11:59:45 | 映画

ヤフオクで買ったマランツのネットワークプレーヤーNA7004を使っていますが、突然電源が入らなくなりました。

とりあえず開けてみたものの見ただけではわからん・・・が、ネットで検索してみると、あるある。

どうやら中華製コンデンサが怪しい模様。

この写真ではわかりにくいですが、確かに頭がふくらんでるっぽい。ということで手持ちに良さそうなのがないのでこの後買ってきます。

これで治ればいいのですが。

以下次号!(雑誌じゃないぞw)


ゴジラ-1.0

2023-11-09 20:53:01 | 映画

*この投稿はゴジラ-1.0のネタバレを含みます。読む際はご注意ください。

はじめに、個人的には大満足の映画でした。確かにつっこみどころはあるかもしれないが、それを補って余りある映画と思います。

SNSで神木隆之介演じる主人公のことを「覚悟はあったが死ねなかった」特攻崩れ、と書いていたのが気になって、そこから考えたのが以下です。ネタバレになるのでご注意を。

確かに特攻崩れではあるけど、「覚悟はあった」のか?私はなかったと受け取ります。なぜなら、親から「生きて帰ってこい」という手紙を受け取っていて、しかも戦闘機が故障したと偽って大戸島に不時着したんですから。よく言えば、親孝行したくて嘘をついたわけです。しかしそこにゴジラが上陸し、整備兵たちが死んでしまう。しかし彼は生き残る。望みは叶うが、心に傷を負ってしまうわけですね。素直に帰っていいのかと。

「お前が撃たなかったから」と責められるわけですが、後のゴジラを回復力を見たら、ほんとにそうだったかは怪しい気はします。むしろ撃たなかったから生き残ったのかも。その方が皮肉が効いてます。結局、死と対峙する覚悟がなかったから撃てなかった、その結果生き残った。

しかし、したいときに親は無し、そして世間代表の安藤サクラからも責められ、ますますこれでよかったのか、になっていく。それを承認(許)すべき存在としての浜辺美波と子供が登場するわけですが、おいそれとは心の傷は癒えはしないわけです。

しかし、「もう死んでるんじゃないか?」と取り乱す彼をなだめる女の気持ちに触れ、「もういいだろう。もう一度ちゃんと生きてみたい」となったときにまたゴジラが現れる。そしてその女性に生かされ、彼女は消える。

そこでヤケになって特攻を目指す。自分を生かしてくれた女を亡くして、死と向き合う覚悟ができた、という流れですが、大事な人を亡くしたから自分も死んでも構わない、というのが本当にそれでいいのか?という問いかけに思えます。いや生きろよ、なわけです。

さらには、置いて行かれた小僧が船団を連れて駆けつける、まるでクリストファー・ノーランの「ダンケルク」のシーンですが、この映画もいかに多くの兵士を「生きて」帰すか、に貢献したのは船で駆けつけた一般人だったという話ですから、自分は「おおー」と膝を打ちました。

結局、自分を責めるはずの相手から「生きろ」と言われ、自分で「脱出」を選択する。親に言われて「帰る」くらいだったところから「生きるぞ!」になるまでの話なわけですが、最後の海に沈むゴジラと、あのうなじのショットが、不穏さを醸し出している。いつまたゴジラが復活するかもしれないという、これは我々への警鐘でしょうか。

戦後の復興を引っ張った人たちは結局は「生き残った」人たちでしかないわけで、「おめおめと生きて帰ってきやがって」なんて言われるのはどうなんだろう。いろいろ思いはあるだろうけど、本当に死なないまでも「死んでもいい・命懸けで」と思えることを求めていたのかもしれないなと、見終えて思ったのでした。