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雲夢庵

三国志を中心とした歴史系イラストを展示しています。

三国演義似顔絵

2011年06月06日 | 三国演義


みんなちがって、みんないい。


皆さま、こんにちは。虎吉です。

さて、今回はちょっと趣向を変えまして、大陸発のあるイラストをひっそりご紹介したいと思います。
(自分で描くのがめんどくさくなったとかそういうわけではありませんので悪しからず!!)

その名も、『三国演義人物臉譜』(三国演義人物似顔絵表)。

十数年前、横浜の中華街で入手したものです。

簡単にいえば三国志に登場する人物の似顔絵を描いただけのポスターなんですが、
ところがどっこいこのイラスト、どうやら顔のモデルが中央電視台の『三国演義』をもとにしているようなのです。
十数年前といえばちょうどあのドラマが大陸で流行していた時代ですから、
こういったグッズが結構出回っていたのかもしれません。

しかし、あなどるなかれ、このイラストを描かれた絵描きさん、タダものではない…
本当によく特徴をつかんでいて、私の中でのリスペクト率が半端ではありません。


例えば…



何これ激似!!!!

鮑版曹丞相、ほんとによくこの表情してましたもんね…
おでことか、頭の形とか、眉毛とか、すっごいそっくりです。


次いってみましょう。





また物騒なこと考えてるでしょ都督!!!

これは、絶対殺そうとしてますよ、あの人を。
よく特徴をとらえてますよね…
日本っぽい謎の兜もそっくりです(飾りの龍が可愛いwww)


他に、そっくりな似顔絵をあげますと、

  
 

呂布が阿部寛に見えなくもないですが、そもそも呂布の役者さんがあべちゃんに似てたのでOKでしょう!
張飛と貂蝉もそのまま、笑えたのは甘寧のむすっとした表情がそっくりなところですww
ホウ統は、これは蒋幹とお茶を飲んでた初代の役者さんですね。


そしてそして、気になるあの方はと言いますと…





…やばい、これやばい!!

なんだこの激似具合…目、頬骨、唇、髭のなびき方までそのままです!
こんなにシンプルでここまで似せるとは…脱帽です。


こんな感じで、拝みたくなるぐらいそっくりなイラストを描かれているのですが、
しかし、実はこの絵描きさん、やる気のある絵とやる気のない絵がはっきりしているようで…
一体何を見て描いたの!?といいたくなるようなキャラクターもいます。




私の魯粛を返してっっ!!

どうしてこうなっちゃったの…


きわめつけは、この方。





そこに愛はあるのかい!!!???

完全に魂の抜けたご主君です。
でも微妙に似てて複雑な心境です…


こんな緩急のつきすぎたイラストポスターが売られるとはさすが中国!
このフリーダムな感じが死ぬほど好きな虎吉なのでした。



三顧茅廬

2011年05月22日 | 三国演義




伝説のはじまり


すっかりご無沙汰してしまいました。虎吉です。
久々の更新は、題して「『三国演義』あの素晴らしいシーンをもう一度シリーズ1」(!)。

1とか言って続編があるのかどうか疑問ですが(笑)、描き続けたい気持ちだけはあります。
とにかくも、記念すべき初回はもちろん「三顧の礼」ですよ!

想えば、小さいころにこのシーンを初めて見て、
この白いおじさんはなんてカッコいいんだろうと思ったのが三国志人生の始まりでした。
それから十数年たった今でも、ずっと画面の向こうの孔明に恋しています。
罪深いBSだこと!!

各媒体の三国志作品でも、もちろん三顧シーンはフューチャーされているわけですけれども、
それぞれ微妙に設定が違うんですよね。

例えば人形劇だと、
天下において生き残るために非情であれと言う孔明に対し、劉備が有情をもってそれを批判する。
それに孔明が心を動かされて出山する、という設定でした。

また、その他吉川版・横光版のようなわりと古い作品だと、出山する気のなかった孔明が、
劉備の泣き落しで感動してしまうという設定でした。

しかし最近の作品だと、孔明の方が劉備の三顧を待っていたり、
もしくは三顧までに心の葛藤があったりして、
いざ対面した時にはすでに出山の意志を固めている設定が多くなっている気がします。
三國無双シリーズや、新版三国、その他の小説・漫画作品だとこちらのタイプが多いかな。

まああれだけの才能を持っていて、野心(悪い意味でなくて)を持っていない方が不自然なので、
後者の設定も当然ありだと思います。

でも、なんと言いましょうか、きっと私自身が古風な人間だからなのでしょうが
一筋の涙が動かなかった心を動かす、という古典的な設定が好きで、
『三国演義』でのあの唐国強さんの迫真の演技がまた素晴らしいので、
やはり前者の設定が好みなのです!

劉備が一回目に「私をお助けください」と言った後、
孔明が「私は怠惰な人間ですので…」と言ってちらっと気まずそうに劉備を見るときの目!(笑)

天下三分を説いている時に、自分でも驚くほど熱弁してしまったことに対する気まずさなのか。

しかし、それほどまでに自分を熱くする劉備に、孔明はこの時すでに惹かれてしまっていたんだと思います。


それにしても、この時の劉備は見事な土下座でした。
中国にも土下座文化があるんだ…むしろ元祖?とかいろいろ考えてみましたが、
とにかく、平伏低頭すること石のごとく、きっとこの分じゃこの人帰りませんよというぐらい
強い意志が伝わってくる名シーンでした!
今の時代、世の中のために本気で泣くことのできる為政者が何人いるのでしょう。
そんなことを考えると、日本しかり中国しかり、
このドラマが世の中に訴えるものは決して少なくないと思います。


そんな、不器用なまでの仁徳を持つ一人の将軍と、彼に心を震わせた一条の臥龍の伝説が、ここから始まるのです。



★おまけ★

SAY YES


虎吉から皆さんへ!

2011年03月19日 | 三国演義


その幸せを祈り、その想いを受け継ぐ


大震災から1週間、その傷跡はまだまだ癒えません。

被災された方のお気持ちを考えると、なんと言葉を綴ってよいのかわかりません。

ただただ、亡くなった方のご冥福をお祈りし、そして貴重な命をつながれた皆さまのご幸福をお祈りするばかりです。

そして、不便な生活を共に分かち合っている全国の皆さまにも尊敬の気持ちをお伝えせずにはいられません。


私たちは、同じ小さな国に住む、かけがえのない仲間。

犠牲となった方々の想いを受けつぎ、また立ち上がっていかなければ!

日本は数々の天災人災に遭いながら、そのたびに這い上がってきた国です。

だから、またきっと乗り越えられる。

頑張りましょう!



まさに危急存亡の折、皆さまに勇気を与えることができるのは、やっぱりこれですよね―。


北伐に向かう孔明の勇姿



あきらめる必要なんてどこにもない。そうですよね、丞相!




新旧版水魚

2011年03月07日 | 三国演義


組み合わせって大事です!


新版『三国』と旧版『三国演義』であまりにも水魚それぞれのタイプが違ったので描いてみました(笑)
シャッフルするときっとこんな状況になるのではないかと思います。

旧版の劉備は、「温和」を絵に描いたような雰囲気でしたね。すべてを包み込むような笑顔が素敵でした!
しかしいつでもどこでも穏やかなのかといえば、そうではない。
新野から江夏までの逃避行の際に見せた民衆に対する情熱だとか、同胞が死んだ時に見せる悲しみ・怒りだとか、
普段の穏やかさとのギャップが大きいだけにすごく心を打たれます。

そんなご主君にベタ惚れの孔明は、毒気全開のスーパー軍師です。
とにかく流し眼の威圧力が半端ではありません。
劉備生存中は常に自身満々!ご主君でさえも弄んでしまう大胆不敵さ。
しかし、それもこれも彼のバックに劉備という大きな懐があって、
結局彼自身もそのことをよく理解していればこそ見せられた腕白さなのでしょう。
劉備死後の孔明を見れば一目瞭然ですからね!


孔明の腹黒い耳打ちを穏やかに、楽しそうに聞いている劉備…これが旧版の水魚を象徴する光景ではないでしょうか。


打ってかわって、新版の劉備はしたたか系タイプです!
常にわずかな微笑みを漂わせて淡々と話す様子、結構得体のしれない感じがしますが、
しかし、事が要に至ると一変、感情を爆発させます。

それは義憤であったり、悲しみであったりするんですが、
そにかくその圧倒的な迫力に思わず引き込まれてしまいます。
穏やかそうでいて、時として孔明ですら動かすことができない意志の強さを感じることがあります。


対して孔明からはすっかり毒気が抜けていて、常に縁の下の力持ちであろうとする控えめな雰囲気!
赤壁後、劉備が周瑜と荊州を争うことに迷い悩んでいる時に、この一言です(うろ覚えですみません…)。

「周瑜が恨んでいるのは私です。私を彼に差し出して下さい。そうすればご主君の難を切り抜けられますよ」

…どこまで自分を犠牲にするんだ孔明!!
果して難を切り抜けられるかどうかは別として、その健気な忠誠心に感動してしまいました。
こんな展開絶対に旧版ではありえない(笑)
旧版の孔明は喧嘩上等ですからね!

静かに微笑んで語り始める劉備と、それを微笑みながら静かに聞く孔明、これが私の中の新版水魚のイメージです。


というわけなので、新版と旧版で見事に性格設定が違います。

もしも配置を間違ってしまうと、上の絵のような事故が起きるのではないかと…(笑)

やっぱり孫劉備には唐孔明、于劉備には陸孔明の組み合わせでなければならないようです!



張飛

2011年01月19日 | 三国演義




大徳の守護神


とらひげにどんぐり眼、ご存知三弟(サンディー)こと張翼徳です!


張飛というと、勇猛極まりないけれど持ち前の気の短さと大酒でいつも面倒を引き起しちゃう、でもなんだか憎めない、
劉備軍のムードメーカー的な役回りです。


『三国演義』での彼も、それは反則だ!というぐらいかわいらしいシーンがありました。

・反菫卓軍陣営で兄弟3人なじられて、手をつないで出て行くシーン。

・呂布に徐州を取られて大雨の中劉備の陣営にやってくるシーン。その後自害しようとして劉備にはたかれるシーン。
 (このシーンの劉備が素敵すぎます)

・三兄弟の古城での再会で太鼓をたたきながら城から出てくるシーン。

・三顧の礼の三回目で「孔明を縄で縛って連れてくる」と憤り、劉備に怒られて泣きそうになってるシーン。

・博望坡の作戦会議でわざとらしく孔明の命令を敬うシーン。

・誰が桂陽郡を攻略するかで趙雲とくじ対決をすることになったのに、のぞき見しようとして孔明に怒られるシーン。

・自分と馬超との対戦をしぶる孔明の羽扇を奪って自分でパタパタあおぐシーン。

うーん、他にもたくさんあるな…とにかく、あなたおっさんでしょ!と教えてあげたくなるくらい可愛らしい。
また、どこから探してきたんだと思うほどハマり役の俳優さん(李靖飛さん)だったのもよかったですよね。
どんぐり眼なんだけど、意外と鋭い目をした俳優さんだと思いました。

張飛という将軍は、劉備軍が劉備軍であるための存在であって、
彼がいるだけでその士気が保たれていたところもあったのでしょうね。
そういった点では、軍師の孔明も彼をすごく尊敬していたのではないでしょうか。
まあ孔明のことだから、彼の性格を見こしてうまいこと利用してたとは思うのだけど…(笑)
ドラマ中の張飛と孔明のやり取りには毎回笑わせてもらってました。2人とも最高!


そんな『三国演義』張飛の最大の見せ場といえば、やはり長坂橋です!
あの張飛は最高にカッコよかった…!

ここでまた、虎吉の解説がはじまります(笑)

大軍をひきつれた曹操が橋の向こうの丘に目をやると、砂塵の中から一騎の武者がゆっくり下りてきます。
警戒する曹操軍に対して、その武者は橋の上で叫びます。

「我こそは燕人張飛なり。勝負する者はかかってこい」

その目は敵を見据えたまま動きません。

咆哮すること数度、砂塵とただ一騎の張飛によって疑心暗鬼に陥った曹操軍は大混乱。

そこには散るが如くに撤退する軍をあざ笑う、張飛の高らかな声がこだまするのでした。


やる時はやる張飛、やっぱりかっこいいのです!

ということで、本日の一枚は、橋の向こうに潜む劉備を守るように仁王立ちする張飛!

その無双の蛇矛で、今日も大哥(ダーグァー)の仁義の道を切り開きます。


※このイラストは、大炊かもん様主催企画「五虎萬歴2011-五虎将万年カレンダー2011関張馬黄趙-」
(http://komachi.main.jp/5hu11/)に応募させていただいているものです!

劉備と孔明

2010年12月16日 | 三国演義

共に生き、共に笑う


ずっと描きたかった笑顔のツーショットです。

育ちも性格も年齢もまったく異なる二人。
そんな二人を乱世は必要とし、引き合わせた。
中国の歴史に燦然と名を残すことになる君臣として。

史実からいえば、二人の間には立場上政治派閥などのしがらみがあったと思います。
おそらく対立せざるを得ない状況にもあったでしょう。

でも私は、この二人はそんな世俗的なしがらみを越えた心の絆でつながっていたと信じたい。
「孤の孔明有るは猶魚の水有るがごとし」と劉備自身が言った言葉の通りに。


さて、ドラマ『三国演義』では、それはもう夫婦のように仲睦まじい二人です(笑)
いつでも一緒。しかも密着。
見てるこっちが「おいおいそれは近いよ」とドキドキしちゃうくらいです。

しかも、このドラマで秀逸なのは、孔明が劉備を心から慕っているように描かれるところです。
これまでの作品だと、孔明はなんでもできる天才軍師、
ふがいない劉備をテキパキ助ける、といった設定になりがちでした。

しかし、『三国演義』の孔明は、天才ドS軍師の性格はそのままに(おい)、しかし同時に
劉備といるとうれしくてしょうがない、といったような「素」の設定がされていています。
もちろんあからさまな演出ではなく、唐国強さんの演技の端々から感じられる雰囲気ですから、
これがまた自然な表現となっていてすばらしいのです。

そんな「わんぱく」な孔明を、穏やかな優しい眼差しで見つめる孫彦軍さんの劉備がまた本当に素敵です。
孔明じゃなくてもあんな主君がいたらメロメロになっちゃいますね!
でもそんな劉備も、孔明と一緒にウソ泣きで魯粛をだましたりしてどんどん悪くなってくのが最高(笑)

この二人の間には、偽りのない心からの笑顔がよく似合う。
そんな想いをこめて、大好きな水魚コンビのイラストを描きました。





周瑜

2010年12月06日 | 三国演義


大丈夫 世に処して 功名を立つ


ここ数回周瑜の話が出たので、描いてみました。
ドラマ『三国演義』での周瑜の俳優さんはちょっとオーバーアクションでしたが、
華があって、颯爽としていて格好良かったと思います。

常に孔明にしてやられているイメージの周瑜ですが、それはあくまでも小説での演出。
史実の周瑜は実に優秀な指揮官だったようです。

でも、私はやっぱり演義の周瑜の方が好きです。彼には気の毒だとは思うけど…

血なまぐさい群雄割拠の世に颯爽と登場し、
ひたすら栄光の道が続いていくかのように見えた彼の人生。
しかし、孔明という時代的寵児との出会いによって、その存在の前に自らの非力さを知り、
それを感じながらも、守るべきもののためにそれを越えるべく葛藤していく姿は、
完全無欠のヒーローよりもよっぽどかっこいい。

しかも死に際に「自分が世にいるのに、天はなぜ諸葛亮をも生んだのか!」と嘆き叫んで、その激しく短い人生を閉じる…

すごくロマンチックじゃないですか!

彼がその短い人生で放つ、鮮烈で、美しくて、悲しい輝き。

演義は、彼を孔明と対比させることによって、
より悲劇的に、美しく描くことに成功していると思います。


もっとも、小説『三国志演義』は、勧善懲悪的な概念が根底にあると言われています。
そこを考えると、周瑜の役回りは決して完全な「善」ではない。

しかし、幾時代をも越えて読み継がれてきた英雄たちの物語は、
もはやそんな単純な構図で描ききれるものではないのでしょう。


…なんだかしっぽりしてしまったので、
最後にこれ、アップしておきます。↓



孔明と周瑜、荊州争奪戦のイメージ
(孔明先生、もはやルールが変わっています。)

孔明と周瑜の関係

2010年12月04日 | 三国演義


孔明の視線がとらえるもの


ドラマ『三国演義』から、眼下に繰り広げられる苦肉の計に眉をひそめる孔明を描きました。

しかし、この孔明の視線の先にいるのは、黄蓋ではなく、周瑜。
なぜかと言うと、こんなくだりがあったからなのです。

魯粛以下呉軍諸将が必死で周瑜に黄蓋の免罪を請うのですが、周瑜は怒気を発して聞く耳をもちません。
魯粛たちが周瑜を非難の目で見つめ、周瑜のもとから去っていく中、
ただ一人孔明だけは、違った眼差しで周瑜を見つめていて、その目は
悲しさと苦しさで震える周瑜の手をとらえていたのです。

あとで魯粛から問い詰められた孔明は、一言
「老将は身体に傷を負い、大将は心に傷を負った。この二人が江東にいるかぎり、曹軍を破ること必ず叶うだろう」
と言ったのでした。

…ちょっとなになになにこのしびれる展開は!!!!(笑)

思うに、このドラマの設定では、
孔明は周瑜という男に人間として惚れていたんだと思います。
そういう孔明の感情を示唆する場面がいくつも出てくるんですよ。

ただ周瑜は、彼の才能が呉のために使われないことを恨み、彼を害そうする。
それに対しては孔明も手加減することなくこれを退けます。

2人は心の奥で互いの人間性や才能に魅かれあっていながら、
その立場の違いによって歩みよることができなかった。

乱世ゆえの不幸だったのでしょうか…思わず泣かされてしまいます。



赤壁トリオ

2010年12月03日 | 三国演義


さ~て、来週の都督どのは♪ (サザエさん風)


毎回あの手この手で孔明を殺そうとする周瑜と、それを必死で止める魯粛、全然相手にしてない孔明。
ご存じ赤壁トリオです。
今度はどんな口実で孔明を殺そうとするんだろう…見ていてハラハラドキドキです。

周瑜の俳優さんに関しては、賛否両論がありそうです。
昔、ある投稿欄で「嫌な体育の先生みたい」と書かれていたのを見たことがあります。
確かに、現代日本人の感性からすると、あまり「美周郎」とは言えない顔立ちをされています。

ところがどっこい。
見ていくうちに、彼の悲運な役どころもあいまってどんどんカッコよく見えてくるのこれが!
特に臨終のシーンなんかはすごくセクシーだと思います。
ゲームなどの三国志から入った周瑜ファンの方にはあまりなじめないかもしれませんが…
私としては『三国演義』の周瑜は大アリです!!

なので、私はこの赤壁トリオが本当に大好きです。
この3人の短編物語なんか作ったらおもしろいんじゃないかなあ。

孔明と魯粛

2010年12月02日 | 三国演義


「子敬どの、お聴きあれ」
「…!!(なんちゅーことをっ)」


『三国演義』での一幕。
十万本の矢のくだりで、孔明は魯粛を強制連行。
もうヒィヒィ言いながら半泣きで「帰してください」と切願する魯粛を尻目に、
孔明はほろ酔い気分で琴を弾き始めます。
「琴なんか帰ってから弾きなさいよ!!!」と必死の突っ込みを入れる魯粛、
それに対して孔明はニンマリしてひとこと、

「子敬どの、あれをお聴きあれ…」

外から聞こえてきたのは、藁船に乗った兵士たちが喧しく雄叫びをあげる声。
ラッパは吹くは銅鑼は鳴らすは太鼓は打つわの大騒ぎ!
魯粛、真っ青!!!

こんなシーンでした。

この二人のからみ、もう最高です。
いっつも孔明がちょっかい出して、魯粛がアタフタしてるイメージです。
これに周瑜が加わると、

周瑜が魯粛に孔明の様子を探り行かせる
       ↓
魯粛が孔明の所に行って様子を探るも、すぐ孔明にばれる
       ↓
魯粛が周瑜に報告、周瑜激怒、孔明への殺意発動
       ↓
周瑜、孔明を呼び出して無理難題を押し付ける
       ↓
魯粛、孔明に「あんたチクッたでしょ」となじられて、孔明の使いっ走りをやらされる。

毎回だいたいこれに近いパターンの堂々めぐり。
それでも魯粛はめげない!愚痴ることなく、2人のために奔走します。
なんて大人なんだ魯粛!(二人が大人げないだけって噂も)

まあ結局は2人も魯粛にすごく感謝をしていて、
別の場面では彼らの魯粛に対する想いを垣間見ることができるのですが、
それはまた今度取り上げるということで。


ちなみに、このイラストのシーンの続きでは、
船が傾いてひっくり返る魯粛、酔っぱらって目が危なくなってる孔明、
自信満々で命令を下すパジャマ姿の曹丞相など、見どころ満載ですよ!!


My best of 孔明

2010年10月31日 | 三国演義


そのカッコよさ、犯罪級。



三国志ファンの皆様には、それぞれご自分のイメージするキャラクター像があると思います。

古くは吉川英治、柴田錬三郎、横山光輝、人形劇、北方謙三、
最近では三国無双、蒼天航路、レッドクリフなどがありますね。

私はどの作品も大好きですが、一番のお気に入りは何といっても
中国中央電視台(CCTV)94年制作の『三国演義』。

日本ではあまりメジャーではありませんが、本家が本気になって作ったこのドラマ、半端じゃありません。
一話約45分、全84話、撮影期間3年(!)、製作費100億円(!!)、エキストラ10万人(!!!)
CG一切なし、人海戦術と広大な大地、そして力技の賜物です。
黄巾の乱から晋の統一までが描かれます。

これだけでも相当すごいですが、このドラマ最大の魅力は、
なんといってもベストキャスティングと全体に漂う抒情的な雰囲気だと思います。
曹操、劉備、孫権のキャスティングはいうまでもなく、
張飛なんて、「そのまんまやん!」と突っ込みを入れたくなるほどのハマり役です。

そしてこのドラマ最大のハマり役が、間違いなく諸葛亮。
とにかくこの『三国演義』に登場する孔明がメチャクチャかっこいい。
男の色気が漂うルックス、優雅な立ち居振る舞い、ドSな性格、すべてが最高です。
孔明像は数あれど、よくぞこの配役とキャラクター設定を選んだ!あっぱれ制作陣!と拍手を送りたい気持ちです。

孔明を演じる俳優さんは、唐国強さんとおっしゃって、大陸では最も有名な俳優さんの一人です。
というよりは、この孔明役が当たって不動の地位を築いたというべきでしょう。
彼は才気あふれる若い頃の孔明から激務で衰弱していく晩年の孔明を見事に演じきっています。
特に劉備の志を継いで孤独に戦い続ける晩年の姿、その背中からは大義に生きる男のカッコよさがにじみ出ています。

ですが、それが私のベスト孔明かというと、実はプラスアルファがあるのです。
というのは、私がこのドラマを見たのはNHKBSで放送されていた日本語吹き替え版だったのです。
そう、知る人ぞ知る伝説の名吹き替え。現在販売されているDVD版『三国演義』のものとは違うバージョンの吹き替えです。
で、そのBS版の孔明に声を入れていた声優さんが、安原義人さんとおっしゃる方です。

この安原さんの声が実に孔明っぽかった!!というかもう唐国強孔明の声「そのもの」という感じだった!
(いや、実際の唐国強さんの声はもっと低いんだけど…)
高すぎず、低すぎず、ちょっとセクシーで、よく通るいい声で、人を喰ったような話し方が最高でした。

つまり、唐国強×安原義人=マイベストオブ孔明。
小学生の時に最初に見た時すでにすりこまれてしまったようです。

イラストは、その『三国演義』中の孔明です。
カッコよくないのは私の画力のせいです…ごめんなさい。





舌戦群儒

2010年10月31日 | 三国演義


「語るに足りん、だまられよ」



中国中央電視台制作『三国演義』の名シーン、「舌戦群儒」。私の大好きな場面です。
この時の孔明は無敵!そしてものすごく優雅!

その昔BSで放送されていたもの(確か96年くらい?)をビデオに録っておいて、
すりきれるほど見たものでした。
最初に見たのが小学生の時でしたから、議論の内容なんてまったくわかりませんでしたが、
とにかく孔明がかっこいいと思いました。

それから十数年、今でも、これからも、孔明はずっと私のヒーローです。


イラスト解説(別にいらないか…)

緑の人:薛綜(せっそう)
天下は曹操に帰するべきと主張して、「それは父と君の恩を知らぬ者の言う言葉だ」と最大級の罵声を浴びて撃沈。
孔明に論破された7人の中で唯一「だまられよ」と言われてしまったおじさん。

赤い人:歩騭(ほしつ)
蘇秦張儀諸国遊説の話を持ちだした人。理論はともかく、孔明の迫力に後ずさりしてしまった。うん、わかるよその気持ち。
でも、実は後に呉の丞相になるすごい人だったのね。

黄色の人:陸績(りくせき)
劉備を筵売りと馬鹿にして逆に孔明に馬鹿にされちゃった権威主義のおじさん。過去に領主である袁術の御前でミカンを懐に入れたという、ちょっとほろ苦い子どもの頃のエピソードを孔明に持ち出されて(でもこれ実は彼の親孝行を物語る逸話なので、孔明的には薛綜との議論を受けての皮肉をこめたヨイショだったのではないかと思います)、ひるんだのがまずかった。その後、言い返すひまなく撃沈。

青い人:魯粛
ドラマ中ではザ・お人よしの子敬どの。でもずっと見ていると、敵地同然の江東でひとり戦う孔明の姿と才能に魅かれ、後ろからそっと助け舟を出してやる魯粛が本当に素敵。この二人の友情って大好きです。
舌戦のシーン、孔明の言動によってくるくる変わる彼の表情は必見!

ちなみに孔明に論破された人は他に張紹・虞翻・厳・程秉がいましたね。
ってどれだけこのシーン好きなの自分(笑)

江東の皆様、お疲れさまでした!