はなねこ山 Ⅱ

山歩き里歩きと 野の花山の花

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蝶ヶ岳、大滝山と 中村新道を歩く(3)     2019.08.25-27

2019-09-07 | 7月、8月に歩いた山

 

「明日の朝は、多分 日の出が見られますよ」

明け方に目覚めると、小屋番さんの言葉どおりに、星空が広がっていました。 

 

 

4時30分からの朝食を済ませて 北峰に行ってみると

安曇野の上空は雲海になっています。

 

目の前の なだらかな山は、鍋冠山

 

安曇野から この鍋冠山を経て大滝山へと至る道は

江戸時代には、松本から飛騨へ抜ける 飛騨新道として使われ

槍ヶ岳を開山した 播隆上人も辿った道なのだそうです。

ゆきさんは、こちらにも興味深々

 

 

 右手後ろを振り返れば

おお  あれは富士山ですね。

 

 

北側は、常念岳の右手に 前常念岳。 その後方は?

 

 

明神岳、穂高の峰々、槍ヶ岳は 期待したほどには焼けなかったけれど

 

 

お天気の神様 ありがとう。

 

こんなに 素晴らしい朝を迎えることができたなんて

たとえ 今日歩くのが、「長くて つまらない道」(昨日出会った おじさま方 談) でも

歩き通す気力がわいてくるというもの。

 

 

 *****        **********************************

 

 

 大滝山荘に戻り、小屋番さんに お礼を言って 歩き始めます。

 

 徳本峠へ向かって これから 進む 「中村新道」は

蝶ヶ岳ヒュッテの現オーナー の祖父が開拓したルートで

 緩やかなアップダウンの続く 歩きやすい道だとか

 

サンショウウオがいるらしい 山荘前の池を覗き込み

その先を 10分ほど行けば、三角点のある大滝山南峰(2614.5m)で

南側に眺望が開けています。

 

 

少し下ると、南西側奥に 御嶽山、乗鞍岳。右手には焼岳が望めます。

私たちは 左下の尾根を通って、霞沢岳の方向へ進んでいきますが

なるほど、深緑色の樹林帯ですね。

 

 

槍穂とは、運が良ければ 槍見台で また会えるはず

 

 

こんな道が もう少し続くといいなぁと 思ったけれど 

 

 

 

 

ほどなく、樹林帯に入りました。

 

  

 初めに 150mほど下ると、その後は 緩やかな傾斜となり

キヌガサソウの群生があったり、サンカヨウ、エンレイソウの実も

  

キヌガサソウ/サンカヨウ/シャクジョウソウ/ギンリョウソウ(左上から時計回り)

 

コフタバランが どっさり

 

他に咲いているのは、ほぼ カニコウモリだけで

雨のあとには、泥濘になりそうな場所もあります。

 

 

真新しい 切り口の丸太が転がっているのは

昨日 お会いした小屋番さん(オーナー)の お仕事でしょうか。

 

 

田中陽希さんが歩いたことで、最近は人が増えたらしいけれど

以前は、年間100人ほどしか 歩かなかった道だと 聞きました。

それでも こうして整備をしてくださる方々には、感謝しかありませんね。

 

 

 

大滝槍見台が近くなると、笹原の登りになりました。

標高差は130mほどなのに

これまで ゆるゆると下り基調で進んでいただけに、とっても苦しい

 

 

 

ようやく、大滝槍見台に 到着して

 

 

櫓の上に出ると、前穂のギザギザがくっきりと

槍ヶ岳もしっかり見えています。

空が白くなって 眺めは冴えないものの、眺望があるのは嬉しい

 

 

 大滝山南峰から槍見台までの CTは、2時間20分(昭文社地図)

そして、槍見台から徳本峠までは 2時間

ここまでで ほぼ半分です。

 

 

 

 タケシマラン/オオバタケシマラン 

 

 

槍見台の次は、明神見晴らし を 目指して進みます。

単調なコースでは、区切りとなる場所があるのは ありがたいですね。

 

 

高度を下げた 明神見晴らし からは、また少し眺めが変わり

 

槍の穂先は もう隠れそう

 

 

 

明神見晴らし をすぎると、次の目標は 徳本峠

この先も、全く眺望のない森を ただひたすら 緩く下っていきます。

 

  

 ツルリンドウ/ゴゼンタチバナ/マイヅルソウ

 

 

前を行く 頼もしい山友さんたちに 離されないようにしながら

ようやく、徳本峠まで下ってきました。

 

やれやれ  ここまでくれば、一安心です。

 

   徳本峠小屋 

 

 

近くの展望台からから見えるのは

かつて、島々から 沢沿いを 徳本峠へと登って来た W・ウェストンが

初めて目にした 上高地の景色

 

明神岳が 凛々しく かっこいいです。

 

 

  

さて、もう ひと頑張りしなくちゃ

明神に向かって、沢沿いに高度を下げていきます。

 

 

 

 センジュガンピ、サワギク、コウモリソウなど

こちらの道も お花は少なめ

 

 

 

そして、ついに 梓川沿いの道に 出ました。

時間は ずいぶんとかかったけれど、無事に歩き通せて よかった~

 

 

 

 

 

小梨平で お風呂に入り、サッパリ爽やかな気分で バスを待っていると

なんと、霞沢岳をピストンしてきた 山友のアイさんに バッタリ

サプライズのおまけまでついた 山行の締めくくりでした。

 

 

「中村新道」は 噂通りに 地味なトレイルだし、お花も少なかったけれど

北アルプスは やっぱり楽しくて

体力筋力の衰えを感じつつも、時間をかければ あと何回かは行けるかも

そんな 小さな希望も 与えてくれた 山友さんに感謝でした。

 

 

***************************  ***************

 

  今回の行程

 25日 最寄駅-松本駅-新島々駅-上高地BT-横尾山荘(泊)

 26日 横尾-蝶ヶ岳-大滝山北峰-大滝山荘(泊)

 27日 大滝山荘-南峰-大滝槍見台-徳本峠-明神-BT-松本駅-帰宅

 

 

  ***************  ****************************

 

ご一緒した 山友さんのレポは こちらから

ゆきさん 「ぽつぽつ山レポ、ときどき休み、ところにより道草

palletさん 「そらいろのパレット

 

コメント (8)    この記事についてブログを書く
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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ゆき)
2019-09-07 23:25:37
はなねこさん、一緒に歩いて下さってありがとう。
いろいろお世話になりました。
何よりあの蝶ヶ岳稜線直下の眺めは嬉しかったです。
さすが夏の北アルプスでしたね。

私、まだ登り出せないでいるのですが
こうやって山友さん達のレポを読ませてもらうと、
またあの山行を思い返せて、改めて楽しかったなぁと。
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Unknown (sanpo)
2019-09-08 18:25:22
今夜はまた台風が来そうですね。
で、待ってました~ 大滝山~槍見台のレポ。
蝶ヶ岳から大滝山は変化があって花も多く、大滝山から見る槍・穂高は長い長塀尾根の上に見えて、何だか新鮮な槍・穂高の姿ですよね。

私は蝶ヶ岳~大滝山ピストンと、槍見台~徳本峠ピストンはしていたけれど、
大滝山~槍見台の区間が未踏だったので、どんな感じだったのかなと思っていました。
レポもあっと言う間に過ぎちゃった感じなので(笑)、やはりずっと同じような樹林帯だったのかしら。
サルの軍団にも遭遇しなかったのかな。
でも中村新道を歩いたという達成感・充実感はあるし、槍見台からきれいな槍・穂高が見えていい山旅でしたね。
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ゆきさん♪ (はなねこ)
2019-09-08 21:46:51
こちらこそ、誘ってくださってありがとうございました。
なんだかんだと、楽しかったですね。

蝶ヶ岳でのあの眺望は、やはり感動ものですね。
あのご褒美があってこその 中村新道だったなぁと、シミジミ

以前は、長塀尾根を登って 常念岳へ抜けたので
今回は、登り下りともに 歩いていないコースで良かったです。
私は霞沢岳は登ってないけど、燕岳から徳本峠までつなげたしね。
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sanpoさん♪ (はなねこ)
2019-09-08 22:05:08
今度の台風は、今はまだ静かですがこれからが怖いです。
町はもちろんですが、山にも被害が出ないといいですね。
蝶から大滝山までは、楽しいトレイルでした。
今年はコバイケイソウが当たり年だったので、惜しいことしました。

大滝山と槍見台の間は樹林帯ですが
槍見台と徳本峠の間より標高があるためか、キヌガサソウやサンカヨウがけっこうあって
雪も多いけれど、水はけがあまりよくないのかなと思いました。
サルは、初日の梓川沿いで見ただけです。
里のほうが食べ物があることを学習したのでしょうか。

中村新道は長いので、二箇所での眺望に励まされました。

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Unknown (pallet)
2019-09-09 10:45:02
はなねこさん、いろいろお世話になりました。
私もやっとほぼレポ書き終わりました、ほっ(^^ゞ
蝶ヶ岳稜線直下のスピードアップ、
返す返す「感謝!」の一言であります!
地味なルートも三人いれば楽しくて、
出かけて良かったな~と思います(^^)/
またご一緒しましょうね♪
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pallet さん♪ (はなねこ)
2019-09-09 21:58:15
こちらこそ、お世話になりました~♪
まず、お天気に恵まれたのが良かったですね。
蝶ヶ岳での眺望も、大滝山へのトレイルも良かったですね。
あの地味な ひとりではめげてしまいそうなルートは
先頭に立っていただいたおかげで、なんとかくっついて歩けました。
ホント、感謝しておりますです。
またよろしくお願いします。
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Unknown (インレッド)
2019-09-10 16:11:12
朝井まかて の小説、江戸の3人娘(昔の)お伊勢詣りのぬけまえる ような、日頃家事に仕事に忙しい3人娘 ならぬ3人婆あのアルプス詣でを楽しく拝見しました。蝶へは三股から4度ほど日帰りで得行きましたが、大滝方面はまだ行ったことがありません。私が今まで一番きつかった登山が三股から蝶・蝶鑓・常念・三股への日帰り登山でした。真っ暗闇の下山途中で根っこを踏んで滑り、眼鏡を壊した想い出があります。
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インレッドさん♪ (はなねこ)
2019-09-10 20:16:49
三婆のアルプス山遊記 、見てくださってありがとうございます。
インレッドさんのようには速く歩けないので、のんびり楽しくやってきました。

三股から 蝶・常念 周回って 、どんだけ早いんだか・・
もしかして、インレッドさんの背中には羽根が生えているとか?
暗闇での下山は、お怪我がなくて良かったですね。
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