ナントカ花札鑑賞会

世の中で販売されている独自デザインの新しい花札、「ナントカ花札」たちを紹介します。

オーケストラ花札

2020年04月28日 | ナントカ花札紹介
今回は「自由型」デザインのナントカ花札を紹介します。


こちらは、オーケストラをテーマにデザインをされているContra-Stさんによるオリジナル花札です。

ナントカ花札のデザイン手法のひとつ「自由型」は、その名の通り、従来の図像を踏襲することなく自由なアレンジでつくられたものになります。

もちろん花札として成立させるためには、必要な要素をしっかり組み込まなければなりません。

今回の例で見ると、札の左上付近に三日月が描かれていることで、「藤にほととぎす」札だと認識することができますね。

花札の図像に馴染んでいないとなかなか識別しづらい場合も出てくるでしょうが、自由な発想とデザインでつくられた作品を見ると、花札の新たな可能性が感じられてとてもワクワクしてきます。



赤塚不二夫花札

2020年04月20日 | ナントカ花札紹介
今回紹介するのは「赤塚不二夫花札」です。


48枚の各札に赤塚作品のキャラクターたちが描かれているこの花札は、2003年に発売された、数あるナントカ花札の中でも古い部類に入るものになります。

4月の札では、藤のつるのイメージに重ねるように、ぶら下がる毛虫キャラが総登場していますね。ちなみに左から「ケムンパス」「クソタケイムシ」「ませり」。

中でもケムンパスはさまざまな赤塚作品に顔を出す定番キャラクターですね。
個性派キャラを多く生み出した赤塚先生だからこそ出来る、バラエティに富んだ楽しい花札です。


 

名探偵コナン花札

2020年04月18日 | ナントカ花札紹介
今回はナントカ花札定番のキャラクターものに戻っていきましょう。
「名探偵コナン花札」です。


こちらは2019年にムービックから発売されました。

見ての通り、ナントカ花札のデザイン手法の王道、「付け足し型」で構成されています。
「藤にほととぎす」の札では律儀にもほととぎすのサイズを小さくして描き入れてくれています。花札初心者にもやさしい配慮ですね。


この「名探偵コナン花札」では、こいこいをベースとしたオリジナルルール「真実はいつもひとつ!」で遊べます。

単にキャラクターの札を組み合わせたオリジナル役が加わるのですが、赤井秀一をはじめとする藤の札は新役には一切からみません。ファンにとっては残念ですね。

ちなみにこの新ルールでは役が完成した際、「こいこい」の掛け声の代わりに、「真実はいつもひとつ!」と宣言します。

そう、花札は真実なのです!


名探偵コナン 花札
本体サイズ:5.2×3.2cm

ムービック(Movic)
 

スターバックス花札

2020年04月16日 | ナントカ花札紹介
本日もキャラクターものではなく、他業種とのコラボレーションで誕生した花札を紹介します。


こちら、一見なんの変哲もない普通の花札かと思えますよね。
この花札は2019年、スタバの新店舗「スターバックス リザーブ ロースタリー」が中目黒にオープンした際に発売された、大石天狗堂とのコラボ商品です。

絵柄は現在販売されている大石天狗堂製の花札と同じです。

何が違うのかというと、ご察しの方もいるかと思いますが、各札の色味がコーヒーをイメージした茶色系になっているのです。

花札の絵柄におけるカラーリングは、作る会社が違っても、おおよそ統一されたパターンになっているのですが、それを大胆にアレンジしてスタバのイメージに結びつけたアイデアが素晴らしいですね。

こんなカラーリングにすると、7月の札・萩との判別がしずらいというデメリットが生じそうです。常識的な考えからではまず思いつかなかったアイデアでしょう。


商品開発のディレクションを担当したのは、ビームスの南⾺越氏。
⽇本の物づくり⽂化の奥深さを感じるきっかけをつくろうという趣意によって、伝統的な花札にも新たな息吹をもたらしてくれたのでした。



8bit花札

2020年04月14日 | ナントカ花札紹介
本日紹介するナントカ花札は、これまでのキャラクターものとはうってかわって、デザインものの登場です。


こちらはゲーム製作会社・タンサンによる「8bit花札」です。
製造は寛政12年(1800年)創業の老舗花札メーカー・大石天狗堂です。

8×14のドット絵で描かれたシンプルなデザインですが、ちゃんと元の札の姿が見えてきませんか?


短冊の札の背景の点や、カス札の藤のつるまで表現されています。秀逸ですね。


この花札を見てぱっとイメージが浮かぶのは、昔のテレビゲームですよね。
これまでテレビゲーム業界でも、さまざまな花札ゲームが作られてきました。

もちろんそこに登場するのもドット絵の札たちです。
数々の制約の中で描かれた札を眺めているだけでも、花札デザインの奥深さを感じることができますね。