すこぶる…日記 

室長のアートな日々

ブック 2017 ベスト10

2018-01-02 21:48:59 | 日記
 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 で、昨年読んだ本の中で、特に面白かった本10冊を発表します!

 1 鷲田清一著「京都の平熱」
   この本で、京都のアンダーグラウンドの面を垣間見ることが出来ました。特に町々に3奇人(河原町のジュリーの事   は私も聞いたことがあります)がいるエピソードは、本当に面白かった。奇人を受け入れる町は、文化度が深いと思   います。

 2 沢木耕太郎著「キャパの十字架」
   世界的な報道写真家キャパの代表的写真「崩れ落ちる兵士」が、本当は違う人物が撮ったのではないかと言う疑惑を   著者が追い求めたスリリングな追跡行。

 3 澁澤龍彦著「玩物草子」
   この本は、著者が日常そばに置いて愛でる物について書かれたエッセイ。私は、澁澤氏のこう言ったテーマのエッセ   イが好きです。今年は、この他に「都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト」や「澁澤龍彦の少年世界」「澁澤龍彦との    日々」などを読みました。そして、東京の世田谷文学館で開催された「澁澤龍彦 ドラコ二アの地平」を見れて感激   しました。

 4 小林信彦著「おかしな男 渥美清」
   柄本佑が渥美清役でテレビでドラマ化されたのを見て、ぜひ原作を読んでみたいとこの本を読みました。著者が若     き放送作家時代に売り出し中の喜劇役者渥美清の出会いと交流が綴られていてとても興味深く読みました。

 5 開高健・山口瞳著「やってみなはれ みてくんなはれ」
   この本は、かつてサントリー宣伝部だったこの二人の著者が創業者「鳥井信治郎」と二代目の「佐治敬三」について   書かれたもの。昨年見た「柳原良平(かつてサントリー宣伝部のデザイナー・イラストレーター)アンクルトリス船   長の夢展」で、サントリーと言う企業にハマり、関連の本(「新しきこと 面白きこと」「洋酒天国とその時代」    「係長 山口瞳の処世術」)を読みました。最近出版された伊集院静著「琥珀の夢 小説 鳥井信治郎」も読みたい    なと思っています。 

 6 四方田犬彦著「母の母、その彼方に」
   この本は、四方田氏のファミリーヒストリーで、とても興味深く読みました。この本は読んで、以前読んだ身辺の事   を綴った著書「四方田犬彦の引っ越し人生」「再会と離別」「ハイスクール1968」を再読し、より理解出来まし   た。

 7 「全面自供 赤瀬川源平」
    この本は、赤瀬川源平氏のインタビュー集で、氏の自伝的内容で非常に面白かった。中でも、美学校講師時代や路    上観察学会発足のエピソードはスコブル面白かった!ちなみに、美学校の卒業生に、南伸坊と久住昌之(孤独のグ    ルメの原作者)がいる。

 8 武田百合子著「富士日記」
   この本を読んで、百合子さんの事をもっと知りたくて、かつて武田泰淳の担当者だった編集者「松村友視」の著書   「百合子さんは何色」イッキ読みし、現在編集者時代の事を綴った「夢の始末書」を読んでいますが、これもとても面   白い!
 
 9 武田花著「イカ干しは日向の匂い」
   時々、サクサクと読めるエッセイを読みたくなります、そんな時は、安西水丸氏のイラスト入りエッセイがありまし   た。今は、花さんの写真入りエッセイがお気に入りです。先日、「猫のお化けは怖くない」と言うフォトエッセイ集   を見つけたので今から読むのが楽しみです。

 10 原島広至著 「神戸今昔散歩」
    この本では、神戸、西ノ宮、宝塚、芦屋、明石など明治、大正、昭和の絵はがきと現代の写真を見比べて検証する    内容で、かつての神戸がどうだったのが分かってとても興味深くかったです。中でも、湊川神社内に凄くりっぱな    建物の水族館があったこととか、新開地には、かつてたくさんの劇場、映画館があったことがわかり、今の新開地    を知る私は、感慨深い物がありました。この本を持って神戸を巡りたいと思っています。
  
   今年も、どんな面白い本に出会えるか楽しみです!