赤い椿白い椿と落ちにけり
(A)赤い椿(は)白い椿と(同時に)落ちにけり
(B)赤い椿、(そして)白い椿と(続いて)落ちにけり
(C)漠然と距離を置いた景(眺め)として。
A・B・Cでは空間(視覚)・時間ともに差異があり印象も異なる。決定ではなく曖昧さを醸すことを選択し、情感の揺れを推しだしたのかもしれない。
シンプルであり鮮明な印象を受ける句である。
赤い椿白い椿と落ちにけり(赤椿白椿落)はセキ・チン・ハク・チン・ラクと読んで、寂、朕、薄、朕、落。
☆寂しい朕(わたくし)薄(粗末)な朕(わたくし)、落(駄目になる)。
赤い椿白い椿と落ちにけり(赤椿白椿落)はシャク・チン・ハク・チン・ラクと読んで、釈、珍、博、珍、落。
☆釈(意味を解き明かす)のは珍(面白く)搏(大きく広がる)のは珍しい絡(筋道)である。
赤い椿白い椿と落ちにけり(赤椿白椿落)はセキ・チン・ハク・チン・ラクと読んで、昔、鎮、白、珍、落。
☆昔のものは鎮(落ち着いている)と白(申し上げる)。
沈(もの静か)で落(もの淋しい)。