よんたまな日々

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神様から一言

2006年10月03日 | 読書
表題の「神様から一言」は、主人公が勤める会社の社訓「お客様の一言は神様の一言」からとられています。
広告代理店から転職して、食品会社に入社した主人公が、入社すぐに直属の課長とトラブルを起こし、お客様相談センターに配置替えされます。
よくある左遷コースに入れられた主人公が、クレーム処理に追われながらいろいろなことに気が付くという一種のビルディングスロマンと読めなくもないですが、そう読むよりは、現代の「坊ちゃん」と読むほうがしっくりくると思いました。
(もしかして、坊ちゃんもビルディングスロマン?)
主人公はきちんと「無鉄砲」であり、影で支える「清」の代わりに、もっと現代的な「リンコ」という女性もいます。そして、もちろん典型的な悪役である「赤シャツ」や「野だいこ」も。
リンコと別れて、仕事でも迷い、途方にくれる主人公の前に現れて、示唆深い一言を提示する人間が実はホームレスという設定も現代的で面白いです。

私自身、サラリーマンであることにいろいろとくたびれている中で、かなり気持ちよく一服の清涼剤となった作品でした。

深みがないとの指摘も出そうですが、それぞれの配役の象徴的な意味などと考え出すとなかなか面白いですよ。

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