よんたまな日々

サッカーとゲームと本とおいしい食べ物

電車の音

2021年05月01日 | 日々徒然
小さい頃、夜寝付けないで耳を澄ませていると、遠くから夜汽車の音が聞こえた。添い寝してくれている母に
「こんな遅い時間に電車が走るの?」と聞いたら
「さあ、貨物列車じゃないかしら。」との返事。
昼間聞こえない電車の音に町が寝静まっていることを感じて、屋根の下で横たわっている多くの人を想像して、少しワクワクしたものである。

それから少し大きくなって小学生の夏休みに、大阪京橋の親戚のうちに泊まりがけで遊びに行かせてもらった。丁度天神祭の頃で、夜に街に出て、沢山の人の中で花火を見たり、焼きそばを買ってもらったりした。それもとても楽しかったのだけれど、その親戚のうちが京阪電車と環状線に挟まれたアパートで、どちらを電車が通っても部屋がガタガタ揺れた。それが楽しくて、いつまでもケラケラ笑っていた。

うちの奥さんが暮らしていた東京のマンションも近くに車両基地があり、早朝に遠くから新幹線の汽笛が響いた。思わず横で寝ている未来の奥さんに「鹿笛?」って聞いて、「ここは奈良じゃないわよ」と笑われた。

それから20年が経ち、西九条に家を構えた。この家も阪神線と環状線の電車の音が大きく聞こえる。
朝早起きして、コーヒーを淹れていると、始発電車の音が響いてきて、少し手を休めて感慨に耽る。
松山千春の「人生の空から」や海援隊の「思えば遠くに来たもんだ」をちょっと口ずさんでみる。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿