機動画報日誌 Mk-Ⅱ

英 浩史の日々徒然を記すブログ

○傷物語《鉄・熱・冷》

2017年02月01日 | 映画
どうもです。

 今日で月も変わったということで、仕事帰りの一本だけですが、
観てきましたよ。

           
 特に狙った訳でもなく、ただ単に前二作だけだと何と言って
よいものか評価の下しようが掴めなかったもので、結果論的に三本
まとめての総評ということに。

 基本的に原作を読まずに作品に臨む人間ですから、『化物語』
のプロローグ以上の情報は持たずに観た訳で、第一部「鉄血編」
はただただ冗長に感じましたね。
 特に阿良々木クンが、何に感応してのことかは解らないけれど、
地下鉄駅のエスカレーターを延々下り続けホーム上でキスショット
を見つけるまでが、新房監督作品ということを差し引いても
長すぎて・・・・。物語の冒頭からこの調子なのか?などと思い
ながら観たものです。

 第二部に入ってドラマツルギー、エピソード、ギロチンカッター
と、強敵が続々と出てきての戦闘シーンが続くんですが、正直、
淡白さは否めないという印象でした。霧に化ける(自身の身体を
微粒子レベルに分解/再構成できる?)相手を粉塵の中に誘い
込んで倒すとかは(よくある手ではあるけれど)面白かったん
ですが、ギロチンカッターの場合、羽川さんを人質に取って
阿良々木クンが本気になった(吸血鬼の能力を躊躇なく使い
出した)ら、瞬殺だし。
 正直、三部作に分ける必要があるのか、これ?などと思って
いたりもしました。

 ・・・でもまあ最後まで観たら、この構成にも納得はできました。
要は《状況説明》《予選》《本戦》のキリのいいところで区分け
した、ということなんですかね。

 奪われていた能力を取り戻したキスショットとの戦闘は、思い切り
利いたパースと激しい動きで、その瞬間々々、何をやってるのかが
解かり辛い面もありましたし、グロとギャグが混在する、ある種
不可思議なシーンの連続でした(*1)。

 TV版でのキスショット(というか忍)と暦の関係性からして、こう
なるだろうな・・・と思ってた通りの展開ではありましたが、まあ
ひと通り観て、ようやく話が繋がったというか、腑には落ちたと
いうか。ただ、あらためて傷→化と続けて観るには画質が違い
過ぎて、そのギャップに困惑することになるかも(*2)?。

 観終わって、いつものごとく物販コーナーでプログラムを買おう
としたら、商品一覧のプレートに『君の名は。』の文字が二つある
ことに気付いて「???」となったんですが、

           
 いくら異例のロングラン(*3)と言っても、プログラムのVol.2って
初めて見ました。『ガールズ&パンツァー』でもやってない気は
するし、過去の洋画とかでも一年前後続いたロングラン作品とか
はあったと聞きますけど、こういう事例ってあったんですかね?

////////////////////////////////////////////////////////////
  *1:『化・・・』の「するがモンキー」のラストバトルが一番近いかな。あれも
    (今回と違って一方的に阿良々木クンが被るのだが)人体破壊が激しいし。
  *2:とはいえ、今の目で観ても別段ひどい作画だった訳ではないし、劇場版
   『新訳Ζガンダム』の時ほどのインパクト(笑)はないだろうとは思うけど。
  *3:とりあえず公式サイトとかで確認すると昨年8月末封切りだから半年弱と
    いうことで、まあ長いは長いけどさらに9か月前公開の『ガルパン』には
    及ばない訳ですが。

◆◆◆◆

最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (武田)
2017-02-22 04:38:26
遅コメントで申し訳ありません。

先に原作読んでる派ですが。

実際、映像化に関して最も興味があったのが、
このキスショットとの邂逅シーンで、
ぶっちゃけ、、いきなり行きずりの吸血鬼に血を与えるという奇矯な行動に出た理由が明示されておらず、あえて言うなら、「アララギ君はそういう人である」以外、無い感じなので。

ここをアニメではどうするのか、
原作に無い情報(アララギ君の行動原理の説明になるもの)を追加して整理するのか、という点に非常に興味があった。

で、「化物語」の該当シーンを記憶されているでしょうか?あちらは原作通りに、普通に夜道で邂逅してるんですね。原作通りでも、「普通に歩いていたら怪異に遭った」的な異様さ演出できたのかもしれませんが、今回の映画では舞台を地下鉄になってます。
このシーン、アララギ君の内面や過去履歴等、原作にある情報以上の物を付け加えず、道具立てとSE(赤ん坊の泣き声)を動員して、アララギ君をその行動へと押しやるようなエモーションのベクトルを形成しているのだと思います。

まあ、後「しのぶメイル」でも地下鉄がイメージシーンで出てきたと記憶しているので、それに対応しているのかな、と思います。
(記憶違いじゃないよな?)

あとは委員長媚びすぎなんじゃない?と思ったりしたけど、もうこの時点で、「自分を大事にする」という概念をどっかに放り投げてる人だという描写は出てくるんでしたね。

あと、長らく引っかかっていたもう一つのアララギ君の奇矯な点、「しのぶの命が明日までなら僕の命も明日まで」というのは、今回ようやく、なんとなく飲み込める感じになりました。
返信する
Unknown (武田)
2017-02-22 04:52:05
すみません。
今見ると、てにをはとかかなりおかしい
投稿になってますね。

要約すると、あれは
「原作に無いアララギ君の行動原理の説明等の情報を追加せずに」
「アララギ君をあの行動へと向かわせるベクトルを作り出す」
為に、あそこまでのシーンを重ねているのではないか、というのが私の推測です。
地下鉄だというのは、多少ベタかもしれませんが、「産道」であり「黄泉比良坂」であり「迷宮」であり、「逃げ場の無い何か」という舞台立てではないかと。
返信する
Unknown (英 浩史)
2017-02-22 20:21:28
コメントどうもです。

 成程、原作ではあのシーン、ほぼ全くなく、今回の映像化で盛り込まれた訳
ですね。

>アララギ君の内面や過去履歴等、原作にある情報以上の物を付け加えず
>「しのぶメイル」でも地下鉄がイメージシーンで出てきた
 むしろ原作をベースに、既に映像化された『~物語』各話で描かれたシーン
もフィードバックしているのかも? そういう意味では、当初もっと早い時期
に公開予定だったのがここまで遅れて、しかも3部構成になったのも『終物語』
までをひと通り《確定》させてからにしたかったからとか?
返信する
Unknown (武田)
2017-03-02 22:37:09
>『終物語』までをひと通り
>《確定》させてからにしたかったからとか?

いや~流石にそこは製作リソースの問題
とかの方が大きいかと。

実際には、アララギ君の吸血犠牲に至る
行動原理は、現在までの原作で明示はされて
いないとは思うけど、まあ、そういう事かな
と思われる点は出ては来ましたね。

以下、原作の方の内容にちょっと触れます。
まあ、おおむね察しはついてるだろうから
ネタバレにはならない、と思うけど
(と、いうか私の推測含みですが)
結局、老倉様との事が基底音になってるんだろうな、と。
学級裁判の件、幼少期に助けられなかった上で、子供で力が足りないから、という理由の
無い高校生の時に再び見捨てる結果になって
いるし。
まあ、幼少期の真実が明かされるのは後に
なってからだから、一見、アララギ君に
責は無い構図なんですが、
そこは、
「あなたが知ってるんですよ」
ですからね。
返信する
Unknown (英 浩史)
2017-03-04 08:49:57
コメントどうもです。

 老倉育を2度、助けられなかった負い目が、キスショットへの《捨身》に
繋がっている、ということでしょうかね。『終物語』自体が『傷物語』ほか
での説明不足(?)を補完するものだった?
返信する

コメントを投稿