私の写真日記

私は喜寿近くになり50年勤め完全退職しました。これから健康寿命を伸ばし夫婦共々穏やかに楽しむ人生を願っています。

「手塚治虫の先を見る力」

2024年10月08日 | 自分のブログ

  手塚治虫の『鉄腕アトム』「赤いネコ」は1953年(昭和28年)に発表されたエコロジーをテーマにした先駆的作品です。

実に、71年前に書かれた作品が現実のものになっています。

先ずは「鉄腕アトム・赤いネコの巻」です

「赤いネコ」では、最初と最後に国木田独歩の『武蔵野』が効果的に使われている作品です。

 国木田独歩は明治時代の作家で(1871~1908)、『武蔵野』は1898年(明治31年)に発表されました。発表当時の武蔵野の季節の移り変わりを描写した作品です。文庫本で25ページほどの小品ですが、それでは実際にこれと全く同じ部分が国木田独歩の『武蔵野』にあるかというと実はないかと思います。

書物(マンガ)によると、実際には次のようでです。

このマンガの文面は、

「2000年の東京に立ってまず外人はめんくらう・・・・・」

「21世紀と20世紀の古さがごちゃ混ぜになった 大都会だ・・・・」

「武蔵野を歩く人は 道をえらんではいけない」

「これは国木田独歩という人が書いた「武蔵野」という小説じゃよ」

「ただその道をあてもあく 歩くことで満足できる」

「その道は きみをおみょうなとおころへみちびく」

「もし人に道をたずねたら・・・」

「その人は大声で教えてくれるだろう おこってはならない ・・・」

「その道は谷のほうへおりていく」(おそらく井の頭公園あたり

「頭の上で鳥が鳴いていたら 君は幸福である」

「あーあ・・・・ 世の中も変ったのもじゃわい」

「わしの子どもの頃はまだ 東京にも緑の雑木林があったのだが」

「いまでは山の手のほうにわずかに残っているだけで そこもやがてビル街になろうとしとる」

「わしゃ だから 山の手のほうへ 散歩するのが大好きでな・・・」

「ちょっと おたずねしますが 十三丁目十三番地って どのへんですか?」

「右へまがって三百メートル 行ったとこさ」

「これで朝から四人目だっ」

「みんなおなじ番地を聞くねぇ」

「あのう十三・・・」

「丁目の十三番地なら ここ右だい」

「きみっ・・・」

「またきたな・・・ 十三番地なら右だよっ」

「メンコなんかであまり遊ぶなよ」

「ウヒャ!先生」

これが昭和28年初出されたマンガですが、当時描いていた世界がまさに現実になっています。

*この漫画本は買い求めています。

当時から今の時代を予測していたのです。

携帯電話、空飛ぶ車、世の中の情報が瞬時にわかる器具(パソコン)。

いま、誰が50年先、いや20年先を読むような超能力者はいるのでしょうか?

繰り返しになりますが、いま手塚治虫氏が存命ならこれからのエコロジーを含めて、50年先とは言いませんがせめて20年先の地球環境や日本がどうなっているのかお聞きしたいものです。

あっ!懐かしい~。僕らのアイドル「小鳩くるみさん」です。

さらに・・・
ただこの路をぶらぶら歩いて思いつき次第に右し左すれば随所にわれらを満足さするものがある。
あるいはその路が君を妙なところに導く。これは林の奥の古い墓地で苔むす墓が四つ五つ並んでその前に少しばかりの空地があって、その横の方に女郎花(おみなえし)など咲いていることもあろう。頭の上の梢で小鳥が鳴いていたら君の幸福である。

もし萱原の方へ下りてゆくと、今まで見えた広い景色がことごとく隠れてしまって、小さな谷の底に出るだろう。

もし君、何かの必要で道を尋ねたく思わば、畑の真ん中にいる農夫にききたまえ。農夫が四十以上の人であったら、大声をあげて尋ねて見たまえ、驚いてこちらを向き、大声で教えてくれるだろう。もし少女であったら近づいて小声でききたまえ。

もし若者であったら、帽を取って慇懃(いんぎん)に問いたまえ。鷹揚(おうよう)に教えてくれるだろう。怒ってはならない。これが東京近在の若者の癖であるから。

*慇懃(いんぎん)は:まごころがこもって、礼儀正しいこと。慇懃無礼:見せかけだけの行動

*鷹揚(おうよう)とは:「おっとり」は、こせこせしていないで、のんびりとしているさまを表わします。

改めて、手塚治虫の凄さがわかりました。

二人の大物画伯:山下 清さんと手塚治虫さん

*すべての画像等はネットより拝借しております。

 

yuki76


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4 コメント

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手塚治虫氏 (アナザン・スター)
2024-10-08 07:07:49
彼を天才と崇拝しています。
昔の作品も含めて、略持っていました。
油断していたら、兄に持ち帰られ、廃品回収に親が出し、コミックだけです。
今なら、マニアには金の雑誌。COMも毎回購入。

DVDは、テレビ放映の昔のを買いました。19,000
鉄腕アトムは、ロボット法三原則を元に描かれていますね。
アイザック・アシモフ 我はロボット

SFは、複合的な物理・科学要素満載です。
今以って、その虜です。

有難うございます。
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Unknown (アナザン・スターさん←yuki)
2024-10-08 08:17:54
本当にすっごい超能力者だと思いますよ!
想像もつかない時代が現実化しています。
たまたま、国木田独歩の「武蔵野」の近くに住んでいますので、特に気になりました。
太宰治さんの墓も近くにあります。

もう、手塚治虫さんのような方は出てこないのでしょうね。
残念です!
返信する
Unknown (一年生)
2024-10-08 12:31:10
こんにちは一年生です。

手塚治さんと言えば

アドルフに告ぐも中々意味深な

名作ですね~

内容忘れたかもですが?
返信する
Unknown (一年生さん←yuki)
2024-10-08 16:27:10
コメントありがとうございます。
手塚治虫さんの視点と言うか、モノを見る角度が私たちとは異なりますね。
たしかに、「アドルフ君に告ぐ」は普通の作家では当時の発想では書けなかったかと思います。
それにしても、もっと生の話を聞きたかったかと思います。
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